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吾妻橋ダンスクロッシング

  • 2009/09/12

吾妻橋ダンスクロッシングに行って来た。

実はいとうせいこうさんと飴屋法水さんと鉄割アルバトロスケットが見たくて行った。他のパフォーマンスもきっと面白いだろうなあと思い、そう思いながら見逃すのは非常に勿体ないし、自分自身が何かを探していたのだと思う。結構忙しい日々でやること満載なんだけど思い切って時間を使おうと思ったのだ。

一人で行った。仕事が終わってから東京を横断して駆け込んだので空きっ腹だったのだが、会場に入った瞬間の熱気にちょっと嬉しくなってしまいビールを飲みながら鑑賞。終演後自分の勘は意外と冴えまくってるなと思った。いとうさん、飴屋さん、鉄割のパフォーマンスが素晴らしく、あとcontact Gonzoという全く未知だった男性4人からなるパフォーマンス軍団のあまりのことに開いた口が塞がらなかった。私の席は舞台が四角くせり出している上手(客席から見て向かって右)のエリアのさらに一番奥で、つまり舞台上に一番近く正面エリアで見ているお客さんの顔をばっちり見ることができるのだが、contact Gonzoを見ている間は私以外のほとんどの人の口が開いていた。すごかった。あんな身体見たことない。「身体なんかどうでもいい」っていう新しい潔さなのかもしれないと思った。

鉄割アルバトロスケットは前にやはり吾妻橋で見てすごく面白かったのだが、その後お仕事で何度かご一緒させていただいて、伊藤麻実子さんというあまりに樹木希林にそっくりな為「きりんちゃん」という渾名のかわいくて面白い女優さんと連絡をとらせてもらっている。前回は伊藤さんが出演していなかったため今回はかなり楽しみにしていたのだ。そして昨日ビールを飲みつつ確信した。私は伊藤さんと主宰の戌井昭人さんの大ファンである。普段舞台を見て声を上げて笑うことなんてなかなかないのに、堪えきれず笑ってしまうその身体の不思議な状態さえ楽しめた。今回鉄割のサイトを見たんだけど、劇団員のプロフィール写真のすごさには笑うしかない。本当に大好き。

それからいとうさんのパフォーマンスは、これから見に行く人もいると思うのでネタバレはさけたいのだが、それが終わりちょっと笑いながら客席に頭を下げたいとうさんの顔は汗が輝き、その顔は本当にかっこよかった。ここの場所にいる皆がゼッタイに知っている知名度の高いいとうさんのような方が、こんなに挑戦的でなおかつ素直なパフォーマンスを見せてくれたことにきっと皆感動していたと思う。ひねくれていない何も恐れない姿を見せてもらった。飴屋法水さんのパフォーマンスは実は一番楽しみにしていて、最近いろんな人の話を聞き、ここ何年かで演劇活動を再開された飴屋さんを是非見ておきたいと思ったのだ。そしてそれはあまりによかった。泣きそうになりながら見ていた。嫌味の一切ない、またもや挑戦的な舞台。こんなものに出会えるから演劇(というか舞台表現)はやっぱりやめられない。絶望があって希望がある。見ている間別の自分が遊体離脱のように身体から離れて、この状況を楽しんでいる自分をも楽しんでいる。さらにもう一人の自分が現れ、自分が舞台に立つ時の姿を、自分の表現とはいったい果たしてあるのだろうかと考えている。そんな舞台。

終わった後に、やはり見に来ていた宮沢(章夫)さんに会い、すごい離れた席で見ていたので一体どんな感想を持たれながら見ていたのかわからなかったが、私はすっかり興奮していたので「いやー面白かったですねえ」とテンション高めで話しかけたら宮沢さんは笑顔で「素晴らしかったなあ」と言った。それから宮沢さんの大学の生徒さんである石原君と三野くんと今回の吾妻橋の感想を話した。キュレーターである桜井(圭介)さんに「超よかったーんですけどー」と絡んだりして(ウザい酔っぱらいのようになってなかったか心配)。

面白い映画を観ると誰かと喋りたくなる感覚に似て、それから宮沢さんの家に移動し今日のパフォーマンスがいかによかったということを皆で話し合った。話し合うのも変だが、何か喋りたかった。皆基本的には同じ感想を持っていて、宮沢さんと「表現に向かうそのまっすぐさ」について話せたことは、自分の中でもなんかすごくよかった。いつものようにどうでもいいくだらない話も多かったんだけど、いいものを見た後はくだらな話も盛り上がる。

家に帰り眠り目が覚めて、「もう一回見たいなあ」と思った。そして「頑張ろう!」と思った。また新しい一日が始まる!

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