ドードーが終わって
- 2018/06/11
終演から1週間も経ってしまいましたが、
改めまして、スヌーヌー「ドードー」は無事に閉幕しました。ご来場いただき誠にありがとうございます。
一人で始めたことにたくさんの方が立ち合ってくださった。
Twitterなどでもたくさんの方に嬉しい感想を頂いたり、励ましていただいたり、本当に本当に感謝しかありません。こういう芝居?ですからある程度批判も覚悟していました。嫌だーこういうのマジヤダー暗い女子のうざい話ヤダーって人も多かったと思います。そう思われるのはなあ…自分で覚悟しているなんていっておいて、やっぱ批判はとても怖かったりして、打たれ弱いんですねえ。すみません。演出するの10年ぶりぐらいだし、大丈夫なんだろうかって不安も大きかったですが。
でも実際は、みなさんのご意見全てが喜びでした。言葉を頂くこと、そのことが嬉しかった。ボールが帰ってきた感覚です。ああ、よかった、帰ってきて。
演出のためのノートはゲネプロまでの記録で終わりにします。こちらも読んでいただきありがとうございました。
次に今回の戯曲についてのことをいくつか書いておこうと思っているのですが、まだ自分でも整理がつかない部分もあるので時間をかけて記録を残そうと思ってます。参考文献なども記載します。
楽日が終わって次の日は戯曲を少し整理して印刷して二人の友人に郵送。少し離れたところに住む友人に送った。あっという間に日常が戻ってきた。ずっと2人でやってきたありちゃんには全く会わなくなり(演劇というものはそういうものなので問題ないわけですが)、ご飯をつくり、古本屋で雑誌を買う。本を読み、ヤフオクを見る。入札はしない。あ、しましたが落札できずにがっかりです…。死ぬまでにあといくつ、書けるかなあ。また書きたいなあ、全然違うこと。なんて考えながらこの1週間を静かに過ごしました。書けますように。
今後ともスヌーヌーをどうぞよろしくお願いします。
笠木泉
演出のためのノート011 5/31 直前リハーサル
- 2018/06/06
5/31
10時にscoolへ。初日の、いわゆる「のりうち」。
まずはscoolのTさんにプロジェクタなどの設置をお願いする。
Tさんはいつでも優しい。この日ももちろん優しかった。
牛尾さんが今日から3日間、制作のお手伝いに来てくれる。
本当に助かる。
お金や受付を全部任せていられることがあまりにありがたい。
制作周りは牛尾さんにお任せして、私はオペレーションの準備に。
照明は鈴木さんがシュートをしてくれる。
ありがたい。
もう、助けてもらってばかりの人生だ。
場当たり、いくつかのテクニカルなきっかけを試す。
私が場当たりであーしようこーしようと発言しているのが、
ちょっと自分でも不思議だ。
戯曲は2回ほどラストソングスさんで書かせてもらった。
しかし、演出はあまりに久しぶりなのだ。
よくよく考えたら舞台の演出をするのは10年ぐらいぶりじゃないか?
もはや10年前の公演で場当たりをしたのかさえ覚えていない。
したのかな。
とか、考えながらひとまず進める。
とにかくきっかけがうまくいかない。
同時に幾つかのことができないのだ。
まあ、当たり前なんだけど。
右手で照明、左手で映像出し、みたいな。
できねえ!と口にはせず、ただひたすら練習する。
その姿を見て、鈴木さんが「オペやろうか?」と言ってくれる。
私のテンパり具合&手元のダサさに、そう言わずにはいられなかったのだろう。
「思ったよりそんなにきっかけがないのでゲネプロをやれば、いけると思う」
まじか。
考える。
申し訳ないからだ。
でも、冷静に考えて、やってもらった方が公演の成功につながるはずだ。そりゃそうだ。
鈴木さんは遊園地再生事業団の公演でかつて「映像班」と呼ばれていた人だ。
私がやるより10000倍いいに決まっている。
2分ぐらい悩んで、
「お願いします」
と深々と頭を下げ、私はオペ席をそっと離れた…。
これで、ありちゃんの芝居をしっかり見ることができる。
やっていただくならば決断は早い方が良い。
私、切り替えだけは早いのだ。
急遽、鈴木さんにきっかけなどの説明。
午後、ゲネプロ(直前リハーサル)。
流れはよかったが前半のお芝居でもう少しこうして欲しいかなということがあり、
ありちゃんに言った。
でもありちゃんはみるみる不安そうな表情となる。
そりゃそうだ。
もうすぐ本番なのに、「ありちゃんなら大丈夫だ」と注文を出してしまう。
もちろん悪気はない。
しかも、ありちゃんは今で100パーセントを出してくれている。
それは毎日見ているからわかる。
私はそんな人に120パーセントを出せと言っているのだ。
演出家って、何なんだ。
でも、もっと、と、いや、このまま、と心が揺れる。
しかし、ありちゃんは「稽古します、稽古したい」と言ってくれた。
ありちゃんの不安を思った。
一人芝居、一時間一人きり。
ものすごいプレッシャーだ。
「今私が言えることはなんだろう」と考えて、
「全く問題はない。全責任は私にある。せっかくだから、思い切って楽しんで欲しい」
そんなようなことを言ってみた。
まるで何かのドラマのセリフのようだ。
そして本番はやってきた。
緊張もしたが、その緊張はかつて味わったことのないものだったが、
それよりも、嬉しかった。
ご来場いただいた皆様に心から感謝します。
演出のためのノート011 5/30
- 2018/06/06
5/30
ドードーの稽古はいよいよ最終日。
横浜市某所の稽古場。ものすごい坂の上にある。「すごい坂なんだよ」と事前にありちゃんに伝えておいたが、そういえばこの人は「山ガール」だった。辛いのは私だけだ。ヒーコラヒーコラバヒンバヒンと心の中で唱えながら坂を上る。
坂の途中に雑誌などで掲載されている有名なパン屋がある。ありちゃんはそこでパンを購入。「ひとが時間をかけて作ったものは美味しいですねえ」と食べていた。
明日初日かあ。いよいよ最後の稽古だ。先日変更をした前半を稽古する。
繰り返す。
あとはタムナデさんからいただいた素材をみつつ(ありちゃんに初めて見せる。感動の声を上げていた)、映像と照明のオペレーションのイメトレをする。keynoteを触り、データを何度も確認。明日初日、そんなんで大丈夫か?
と思いつつ、
そうするより仕方ないのだし、一人きりスタッフとはそういうことなのだ。それがスヌーヌーの覚悟だよ、かさぎさん。できないことはできないが、できる限りやろう。
途中、鈴木謙一さんが美味しいコーヒー(とても美味しいコーヒースタンドがある街なのです)を差し入れに持ってきてくれる。そしてそのまま通し稽古を見てくれるとのこと。緊張する。何せ、通し稽古を見てもらうのはたまちゃん以来2人目。
しかも明日本番だ。
これまでほとんど誰の目にも触れず、ここまでやってきた。今日見てもらったものがとんでもないものだと思われたら、果たして私はどうすればよいのか。
でも、何だか落ち着いてもいて、ありちゃんを見て欲しい、この女性を、ただ見て欲しい。そんな自信にも似た気持ちもあった。いや、不安よりもそっちの方が大きかった。
通し稽古は昨日の稽古を踏まえ、よくなっていたと思った。テンポが安定した気がした。あまり早すぎても遅すぎてもよくなくて、大切なのはリズムと流れなんだな。それは細かいことから大きなことにつながっているのだな。その塩梅を、ありちゃんは舞台上でたった一人で作らなければならない。それはとてもとてもとても難しいことだ。
でも、ありちゃんなら大丈夫。
だから細かいセリフの言い間違えとかはあまり気にしないで欲しい。
と伝えた。
鈴木さんは今日まで全く台本を読んでいないので、まさかこんな話だったとはと思っただろうかどうか、それは聞かず。ダメ出しの後、また稽古。合間合間でありちゃんといろいろ話をしていた。いくつか、とても大切な指摘をもらう。
鈴木さん、明日から手伝ってくれるので、ありがたい。お仕事の関係で毎日ではないが、とても助かる。
不安じゃないといえば嘘になる。というか戯曲のこと、演出のこと、やれることはもっとあるはずだと感じる。
私はなぜこの物語を作ったのか、そこに立ち返る。原点は「弱きもの」。自分を含めた、弱きものたちの話が書きたいと思ったのだ。そしてこれは救済の物語。
でも、明日、やれるのか、私。こんなこと書いてしまって大丈夫なのか、私。でも、ここまで来たのだ。覚悟を決める。やろう。がっつり、やろう。
これは自分一人のものではない。
踊り子ありちゃんとの物語であり、そして明日からはお客さんと共有できる。こんな幸せなことはない。
不安を口にするありちゃんに、「全く問題ない、大丈夫、どーんと行こう」と伝える。
まあ、大丈夫じゃないのは私のオペレーションだよね…オペの師匠、バストリオ今野裕一郎くんに教わったことが今私の全て。今野先生、あたい頑張ります。
稽古場を後にして、制作的なことを整理する。やること満載。チケット管理など。ああ、始まる。
始まったら、あっという間だ。
「ドードー」ご来場ありがとうございました/舞台写真
- 2018/06/04
まだ演出ノートが終わっておりませんが(もう少し続く予定です)、公演は無事終演いたしました。
劇場に来てくださったみなさま、応援してくださったみなさま、本当にありがとうございました!
「ドードー」の舞台写真を数枚ご紹介します。
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ご意見ご感想等ございましたら、
snuunuuoffice@gmail.com
までメール下さい!
お待ちしております。
スヌーヌーはまたいつか!
スヌーヌー 笠木泉
演出のためのノート010 5/28 5/29
- 2018/06/04
5/28
下北沢の稽古場。
午前中は小道具を探す。
昼から稽古をする。
早朝、台本を書き上げた。
1ページ目から5ページ目ぐらいまで、地味に変わっている。
…こういうのが一番たちが悪いのは、知っているのだ。
私は俳優なので、そういうのが一番堪えることを知っている。
覚えることが例えできたとしても、その後に混乱がやってくるからだ。
あれ、今喋ってんのいつの台本のだっけって。
ありちゃん、ごめんなさい。
ありちゃん、本読み。
新しいセリフを読んで笑ってくれた!
やったー!わーい!と素直に喜ぶ自分(バカ)。
本当はもっと切ってもいいのかな…と思うものの、待て。
とにかく、稽古を淡々とこなしていく。
通し稽古。
今日の変更部分は台本を持ってもらって、その後はやり通す。
いい感じがした。
これでいこう。
決めた。
コンビニや薬局で売っているプロテインバーのグラノーラ味?ってやつにはまっていて食べているのだが、
私が今プロテイン摂取してもあまり意味がないのではなかろうか。
全然運動してないのだ。
5/29
桜新町で稽古。
ちょうどいい街、桜新町も今日でお別れである。
私は普段から軽い睡眠障害的なところがあり、1日3時間ぐらいしか眠れない。
そのため昼間すこぶる眠くなる(昼寝できる時は、します)。
そんな時は、コーヒーと栄養ドリンクなんだけど、
レッドブルと栄養ドリンクってどっちがいいのだろう。
誰か教えてください。
とにかく、いろいろ飲んだね、飲み干したね。
ありちゃんはたくさんのペットボトルを持参。
水、コーヒー、お茶、とバラエティ豊かだ。
さらにコンビニのくじででかいポカリが当たり、その数がさらに増えたと写真に撮っている。
稽古は、大詰め。
2人だけでただひたすら、稽古をしていく。
まずは変更部分。
くだらない声を出してもらって、笑う。
ありちゃんはどんどん体に落とし込んでいき、自分のものにしていく。
とても野生的で、ダイナミックで、本当に素敵だと思う。
でも、それだけじゃなくて、
ありちゃんが別の意味でどんどん変容しているのを感じるのだ。
稽古スタートの日から、ありちゃんは変わった。
私も、ついていかねばらない。そう感じる。
で、通し稽古。
うまく言えないが、私がやりたかったことはこういうことなのではないかという気持ちがようやく訪れた。
この芝居を作るにあたり、はじめに考えていた題名は「サークルゲーム」。
題名からつけるタイプなのだが、
この、サークルゲームとは、人生のこと。
私の人生、あなたの人生、君の人生、彼の、彼女の、親の、他人の、隣人の。
それがつながり、円になる。
なるわけないだろと思う気持ちと、
なるかもねという気持ち、
そんなことをぼんやり考えるところからスタートし、
今は「ドードー」という芝居になった。
ありちゃんと、わたしと、また別の人と、円になることは、果たして可能だろうか。
そんなことを考えながら、帰る。
帰り道、どうにもこうにも考えたくなり、ファミレスに寄る。
しかし、落とし穴が。
ビールを飲んじまった。
タムナデ姉さんから映像が届く。
感動してひーっと泣いてしまう。
こんなにいいもの、いただいてもいいのだろうか。
いいのだ。
私はただベストを尽くそう。
皆の気持ちに応えなければならない。
演出のためのノート009 5/26 5/27
- 2018/05/30
5/26
稽古。
たまちゃん(磯崎珠奈ちゃん)が見に来てくれる。
手作りの卵焼きと煮物を持ってきてくれた。
ありがとう…沁みるなあ。
ありちゃんとたまちゃんが楽しそうに話をしている。
その二人を横で見ているのが好きだ。
二人を見ていると「盟友」という感じがする。
はえぎわで長く一緒にものを作ってきたのだものね。
素敵な関係。
夕方から通し稽古をする。
いろいろ問題点が出てくる。
むー。
こういうことがあるから、通し稽古はたくさんしなければいけないんだなあ。
勉強になる。
「今日の稽古で失敗しておいてよかった」と思えるようにしなければ。
5/27
昨日と同じ場所で稽古。
昼間2人で話をして稽古を進める中、やはりこれは…。
そうだな、決断しよう。
お互いに確認のもと、台本を直すことに決めた。
明日までその工事の時間をもらう。
ありちゃんも賛成してくれたとはいえ困惑していただろうと思う。
それがわかったからこそ、ここは私が自信を持って直さなければならない。
昼間、途中のシーンから最後まで荒く通す。
細かいことも大事だけど、やっぱり大きな流れというか、そういうものを大事にしたいなと思う。
夜、稽古場にはえぎわの竹口龍茶さんと、たまちゃん、そして当日のお手伝いをしてくれる牛尾千聖ちゃんが来てくれた。
稽古場がものすごく盛り上がるし、明るくなる。幸せ!
普段別に暗いというわけではないのですが…
みんなでロンチャさんが買ってきてくれたドーナッツを食べる!うまかったなあ。ありがとうございます。
そして私は台本の直しのために少し早めに稽古場を後にする。
ありちゃんへの負担も考慮しつつも、最後までいいものを作る気持ちでいこう。
ふと、
俳優でも、演出でも、執筆でも、
なんでもやるべきだ。
視野が変わる。
景色が増える。
何かが重なる。
今日、そう思った。
戯曲にはとある口癖のような言葉が出てくるが、それはそのまま、今の私の心の口癖である。
電車の中、喉がいがいがする。
体力勝負だ、牛尾さんが持ってきてくれたプロポリスの飴を食べる。
高級飴なのに、ぼりぼり噛んでしまう。
これもわたしの癖。
夜、台本を読み直す。
演出のためのノート008 5/24
- 2018/05/27
5/24
とあるレクチャーを受けに、北千住へ。
常磐線、懐かしいなあ。
昔は柏にも住んでいたから、このあたりでよく買い物していたのだ。
駅ビルがこんなにおしゃれじゃなかった時代の話です。
安い服とか本とか、この町で買った。
思い出がある。
今も人並み街並み、何だか落ち着く。
バストリオの今野裕一郎くんに会う。
今野くんは遊園地再生事業団で出会い、長くお付き合いをさせてもらっているバストリオ主宰。
映画監督です。
駅前のちょっと怪しげだけど妙に落ち着く喫茶店で1時間程度話を聞いてもらう。
懸念事項が少しずつクリアになっていく。
泣きそうだったがぐっとこらえて感謝の意を述べた。
半泣きだったかも。
なぜ泣くの?わたし…やんなっちゃう…
ああ、いつか恩返しができる日がくるだろうか。そんなことを考えながら、常磐線山手線と乗り継ぎ、ありちゃんと池袋で待ち合わせ、衣装購入。
衣装以外の自分の服を買いそうになるも、ぐっと我慢。
板橋区の稽古場に移動。
稽古に、はえぎわの井内ミワクさんと鈴真紀史さんが見学に来てくれて、差し入れもいただいた。
わたしは二人の訪問がとても嬉しく、テンションが上がってしまった。
ありちゃんも、2人が来てくれてとても嬉しそう。
急に妹っぽくなったありちゃんが面白い。
好きな先輩が見てくれて、とても励みになったようだ。
よかったー。
稽古ではなかなかうまくいかないところが、なぜうまくいかないのか、考える。
たぶん戯曲の問題だ。
直すべきか否か。
困ったなあ。
でも、直すべきだ。
まだ時間はある。
どう直すのか考えなくては。
一度固まったものをどう忘れるか。
稽古後、4人で、馬肉を食べる店へ。
ありちゃんは嬉しそうに馬刺しを食べていた。
ずっと食べたかったらしい。
体を動かす俳優よ、たんぱく質をたくさん食べて、健やかに!
切なる願い。
喉にもいいのではなかったっけ、馬肉。
演出家は体を動かさない。
疲れるけど、なんだろ、この疲れ。
何を食べたらいいのかなあ。
とりあえずビール、そしてキャベツを食べた。
演出のためのノート007 5/23
- 2018/05/25
5/22
実は体調が結構まずいと気がついて、病院に行く。
そしてカサギ療法・必殺ビタミンCがぶ飲み作戦敢行。
持ちこたえることが仕事ですぞ。睡眠不足がよくないぞ。グリナがぶ飲み作戦もいっとくか?やめといた。
あとはとにかく食べなければ!
昼間、三鷹のSCOOLへ。Tさんにもろもろ相談。
Tさんは優しい。いろいろ教えてくれる。トーシロのギーカサにもとにかく優しい。もう顔が優しいし、口調も優しいし、それがどれだけ私の心を支えてくれるか!
お忙しい中、ありがとうございました!
と、意気揚々と三鷹の駅ナカのサブウェイに行ったらメニュー一新とのこと。
レギュラーサラダ(サンドイッチと同値段で野菜のみ)がメニューからなくなっていた。
そのかわり、サンドイッチの金額プラス300円でやたらでかいサラダメニューができていた。
そんなに、いらない。食べられない。
諦める。
さよなら、私の好きだったサブウェイ。
オニギリ食べる。
移動し、稽古。
通し稽古をやるかやらないか迷ったが、やらないで細部の修正というか、ざっくりしていたところを見ていくことにする。
動きを細かく演出するのではなく、もっと何だかわからない大きな空気みたいなものを作りたいのかな、その為に小さなパーツを大切にしたい。
じゃあ、どうすればよいのかと考える。ありちゃんの身体に任せつつ、セリフ変えつつなので、混乱させているだろう。でも、大丈夫!(三井住友銀行のコマーシャルのイメージ)
稽古場にチラシイラストを描いてくださったタムナデ姉妹(タムナデ姉妹とは/タムナデ姉さんとタムナデ妹子さんの姉妹創作ユニット)のお姉さんが来てくれる。依頼していたとあるブツのプランを持ってきてくれた。
いろいろ話して、タムナデ姉さんの案でお願いすることにした。
姉さん案はかなり大変なはずだ。負担もあるだろう。だから別プランにしていただきたいですと、正直な意見も言わせていただいた。
でも話をしているうちに、この創作は、私一人のものではなく、私達のものであるのだと気がついた。
私達はそれぞれがそれぞれの役割の中でいいものを作りたいと考えているのだ。だから台本も読んでくださって、考えてくれて、こういうものを作りたいと言ってれた、まず、その喜びと共に、共同創作として、そのひとつひとつを実現させていく。
それが演出の仕事なのだと思った。
姉さん、よろしくお願い致します!
ありちゃんとも様々なプランについて話をして、タムナデ姉さんと衣装の話をして、稽古を終える。
雨が降っていて寒かった。
雨は嫌だなあ。
何か食べた、けど、忘れた。何食べたっけ…
もっと考えよう。
演出のためのノート 006 5/21
- 2018/05/23
5/21
稽古。昼間は別行動、私は別の仕事に行き、ありちゃんは自主稽古となる。
夕方、ずっと悩んできた舞台効果についての打ち合わせ。
心を決める。
当日の技術スタッフは私一人なので、
機械等の操作関係はできる限りシンプルにが目標だが、
稽古を見ているうちにどうしてもやりたいことが出てきた。
それを省く方が冒険なのか、織り込むことが無謀なのか、それがずっとわからなかった。
手数が増えるのは私のリスクが高まるだけなのかもしれない。
でも、迷った挙句、やってみることに。
失敗したら、まあ、仕方ない(ありちゃんには悪いけど)。
ともかく、操作など、不安要素が増えた。
全ては私の問題だ。
できるのか?
でも、うまくいけばとてもいいことになると思う。
打ち合わせで、その確信を持つ。
稽古場へ。1、2、3と呼ばれる、いわゆる前半の稽古。
後半に比べて、どうも書けていない気がする。
なんか、意気込んでいる気がするのだ。
書く人にとっては当たり前のことかもしれないが、
1から6、初めから終わりにかけて書いていくわけで、
1は、やっぱり緊張しているのだ。
まあ、そうでもない人もいるか。
パーツに分けて、あとで組み合わせる方式の人とか。
私は、初めから、オープニングから書く。
で、読み返した時に、
「やっぱ、1を書き直そう」となると、
全体のバランスが大きく崩れる気がして、
結果全体的に「書き直そう」となってしまう。
それもなんだかなあ、と思い、
で、放置してあったのではないか。
もう少し、楽にしたらどうかと自分に問う。
思い切ってメスを入れる時期が来た。
バランスよりも、もっと重要なことがあるのではないか。
それは、感覚でしかないのだけど。
感覚に確信が持てるか、そこで決断しようと思う。
ありちゃんの芝居で、私の本がよく見えるシーンがあって、
毎回とにかく大爆笑してしまう。
なんだろう、
これは世界の拡張だと感じる。
この大爆笑はもしかすると演出家である私だけのものなんだけど(稽古場で笑いが起きても本番ではどのお客様も笑わないことはよくあることだし、私自身は俳優としてはその落差をあまり気にしていない方だと思う)
それでもいい、
この笑いを独り占めできたことがまず大きな喜びだし、私はラッキー。
そして、見に来てくださったみなさんに、大爆笑ではなく、さざ波のようにこの芝居を作りあげることが私の仕事なのだ。
ありちゃんは、毎日、私にそれを気つかせてくれる。
頼もしい、そしてかっこいい。
演出のためのノート005 5/19
- 2018/05/20
5/18
稽古。後半部分を進めていく。
こつこつ、とにかく形にしていき、来週計画している通し稽古につなげたい。
そこで気がついたものを見逃さないようにできるか否か。
台本を読む。
食欲はあるが、いつ食べていいのかわからない。
もっと食べなければ。
5/20
稽古。
舞台で使う道具を持って、稽古場へ。
本番が近くなると荷物が増え、
どんどん力持ちになっていく。
今日はたくさんの人が稽古場にきてくれた。
6、と呼ばれるシーンの稽古。
ラストシーンに向かうところ。
とてもとても緊張してしまい、
稽古中ずっとつばの広い帽子をとらないままで(帽子かぶったままでしたね、とありちゃんに言われて気がついた)、
椅子に座らず、たぶん落ち着きがなかった。
とにかく、進めよう。
そう思って、たくさんしゃべりながら、考えた。
考えてもたどり着かないことがあり、
ちょっと保留にして、ラストシーンを作る。
私が矢印になれればなあ、と考える。
ありちゃんを窮屈にしないようにしたい。
長い時間稽古を見てくれて、
そして皆さんがいろいろヒントをくれた。
その言葉が嬉しかったし、
ああ、2人でこつこつやっているけど、
本当にたくさんの方の力を私はもらっているのだなと思った。
勇気を持たねば。
そして強い気持ちで進もう。
稽古後、皆でタイ料理を食べる。
脱力感と、多幸感、そして演出の不安で、つい飲み過ぎ、
帰り道どんな感じで帰ったか覚えていない。
最近飲みすぎるとついいろんな人にメールしてしまうようで、怖い。
朝目が覚めたら、やっぱりメールしていた。
しかも、
どうやら帰り道アイスクリームを食べていた(カバンからゴミが出てきた)。
覚えていない。
酔うと、誰かと対話したくなるのだろうか。
ありがたいヒントをいただいた。
試してみよう。
もっともっと試そう。
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