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明日のアー「最高のアー」に出演します/10月

明日のアー「最高のアー」に出演します/10月

  • 10月 06, 2019

いつのまにか10月。

今日は6日、ようやく少し肌寒い。

昨日まで暑かった。

暑いより寒い方が好きだが、暑さはもうやって来ないのだと思うと寂しい。

でもあと何回かはあるね、暑味。

9月か…

さまざまなことがあった、と書くにはあまりにいろいろありすぎて、味気ないな。

 

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11月の本番に向けて稽古の日々が始まりました。

11月は明日のアーに出演します。

今年の春にテアトロコントに呼んでいただき、

今回は本公演に参加させていただくことになりました。

ボリューム満点のコント祭りになることでしょう。

ぜひ見に来てください。

 

 

テアトロコント special 明日のアー vol.5

『最高のアー 』

 

 

作・演出・出演:大北栄人(明日のアー主宰・最高記念室)

 

 

出演:

笠木泉(俳優・最高記念室)

桑原美穂(左右 Vo.Gt・最高記念室)

ナツノカモ(作家 [ 番組・コント・落語]・最高記念室)

7A(モデル・ラジオDJ・最高記念室 etc.)

花池洋輝(左右 Vo.Ba.最高記念室)

藤原浩一(デイリーポータルZ 編集部・最高記念室)

八木光太郎(俳優・GERO・最高記念室)

よシまるシン(イラストレーター・最高記念室)

ゲスト出演:石川浩司 (パスカルズ・ex たま・最高記念室)

音楽&演奏:左右

舞台美術:最高記念室

 

2019年11月3日(日)〜6日(水) 全6回

 

[公演スケジュール]

11月3日(日) 19:00 ★

11月4日(月・祝) 14:00 19:00★

11月5日(火) 14:00★ 19:30

11月6日(水) 19:30

※全自由席(148席)/券面記載の整理番号順に入場

※受付開始、当日券販売は開演の1時間前

※開場は開演の30分前

 

‪★…アフタートークあり(20分程度)‬

‪【アフタートーク開催決定】‬

3日(日) 19:00

石川浩司(パスカルズ・ex たま)×左右×大北栄人

4日(月・祝) 19:00

花池洋輝(左右Vo. Ba.)×吉田靖直(トリプルファイヤーVo.)

5日(火) 14:00

テニスコート×出演者

 

 

[チケット料金]

《ライブポケットで販売》

[一般]前売3,500円/当日4,000円

[U-25、学生]前売2,500円/当日2,800円

[高校生以下一律]1,000円

《イープラスでのみ限定販売》

[ユーロスペース会員]3,200円/3,500円

[明日のアー+テニスコートセット割] 6,200円

セット割引換券:前売6,200円 11月20日(水)〜24日(日)に開催されるテニスコート公演「出汁が出る出る」とのセット価格。各組み合わせ10セット限定販売です。事前決済で引換券を発券いただき、当日、受付で整理番号付きチケットと交換となります。

セット対象回 明日のアー公演11/4 19:00、11/5 14:00、11/5 19:30の回、テニスコート公演11/21 19:30、11/22 19:30の回の組み合わせ販売

※U-25:公演日当日に25歳以下の方対象

※ユーロスペース会員・U-25、学生・高校生以下の方は、当日要証明書提示をお願い致します。

※前売券は購入後の日時変更を承ります。(購入公演日前日まで、座席状況によりご希望に沿えない場合もございます)

 

 

[チケット販売]

《ライブポケット》

一般前売り券他はこちら

https://t.livepocket.jp/t/saikou

《イープラス》

ユーロスペース会員&セット割はこちら

https://eplus.jp/saikou/

セット券販売特別URL

https://eplus.jp/ah_tennis/

[場所]

渋谷・ユーロライブ (渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F)

http://eurolive.jp/

渋谷駅下車、Bunkamura前交差点左折

tel:03-6675-5681

[チケット変更・お問合せ]asunoah@gmail.com

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スタッフ:

舞台美術補佐:佐々木文美(快快/FAIFAI・最高記念室)

衣装:7A

衣装提供:sneeuw

舞台監督:伊藤新(ダミアン・最高記念室)

照明:葛生英之(Kiesselbach・最高記念室)

音響:片岡敬(最高記念室)

宣伝美術:よシまるシン(最高記念室)

制作:後藤かおり(最高記念室)

山村麻由美(最高記念室)

小西朝子(ユーロライブ)

主催:明日のアー

共催:ユーロライブ

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★最新情報はこちらから

WEB:https://asunoah.tumblr.com

Twitter:https://twitter.com/asunoah

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...

8月が終わる/夏はクロールだ

  • 8月 30, 2019

8月も終わりに近づいている。

もう新学期が始まっているところもあるんですね、夏休みも終わり。

学校に行きたくない子、たくさんいるだろうな。

行ったり行かなかったりでなんとかやり過ごし、食欲の秋はもうすぐだよ!

そこまでひとまず、頑張ってほしい。

学校が辛かったら、超適当に過ごして欲しい。

行ったり行かなかったりで、適当に、適当に、相当適当に。

 

という私はあまり適当なタイプの子供ではなかった。

昔の事を思い出すと嫌になる。

夏はプールが嫌だった。全くのカナヅチである。必ず5mで足がつく。皆の前で先生に「そもそもカサギさんは泳ぐ気がないんだよね」と言われた事は忘れない。恥ずかしかった。

私はものすごい運動音痴で球技陸上体操ほぼ全ての競技が全くと言っていい程できなかったのだが、水泳は特に嫌で仕方なかった。泳げもしないのに全身水に濡れるのがバカバカしかった。クラスメイト全員で急いで着替えなければいけない事も嫌だった(あのテルテル坊主みたいなタオルの中で水着を脱ぎ着するのが窮屈で大変苦手だったのだ)。髪の毛が濡れると体が弱めな私は平気で風邪を引いてしまう。そんなこんなで何ひとつ楽しくなかった。

チャレンジはしてみる。5mまでは蹴伸びで何とかいけたが、その先の第一回目の息継ぎで毎回身体が沈んでしまう。そんな私に友達がこぞってアドバイスをしてくる。「浮いてない」「もっとまっすぐ」「足で蹴っていない」…わかってる、わかってる、でもできない!橘いずみ「永遠のパズル」状態。親切なんてうざったい。そんなことを思ってしまう自分も含め、何もかもが嫌だった。

夏が嫌いだ。でも、冬はマラソン大会があり、春はスポーツテスト、秋はクラス全員リレーがある最悪な運動会…季節ごとにメニューは違えど、それぞれ最高級に憂鬱だった。どの季節もだめ。何の能力もない私。皆から笑われ、エヘヘとおどける私。優しい友人たちに気を遣わせて、謝る私。母と日没まで練習しても一回も逆上がりができない私。私って一体…と自問自答の日々。

できないことがあるのはとても重かった。何かを恨んだりもした。

 

 

しかし43歳の夏、私はスポーツジムのプールに通っている。

高校3年生の時のプールの授業中、いつも通り5mしか浮かない私に向かって「ふざけてるの?」と言った先生がいた。そんな言葉にはもう慣れているはずなのに、私はその時だけはどうしてだか人目も憚らず大泣きして「ゼッテー見返してやる!」と叫び、泳げるようになってやる、と先生とクラスメイト全員の前で宣言してしまったのだ。何をしているのか、自分でもみっともないと思う。

かくして受験勉強そっちのけで区民プールに通う羽目になる。

小学校の時には友達のアドバイスに全く耳を傾けられなかった私だが、背に腹は代えられぬとクラスで一番運動神経の良い女友達数人に声をかけて、コーチを依頼。何度も溺れかける私の動きを見てもらい、分析をお願いした。

友達は皆しばらく考えていたように思う。そしてその中の一人に、

「息継ぎする時頭をそのままカメみたいに上げているから沈むんじゃないの?息継ぎの時に左耳をぴったり左腕につけてみて。横向く感じ」

と言われて、あ、はい、と、やってみた。

気がついたら25m泳いでいた。

そのたったひとつのアドバイスだけで、25m進めたのだ。

初めて25m先のプールサイドにタッチした私はもちろんオンオンと大泣きした。長かった。あっという間だけど、ものすごく長かったのだ。25mも長かったし、泳げない日々がものすごく長かった。泣きじゃくる私を見て友達は大爆笑していた。

 

今年の夏は何となくプールに通っている。

体力作りのためでもあるのだけど、うまく言えないけれど、私が初めて自分で獲得したクロールというのもが恋しくなった。

もしかするとクロールは私の心の拠り所、もしくは宝物かもしれない。

ちなみに平泳ぎはいまだにできない。さらに言えば、逆上がりや二重跳び、キャッチボール、バドミントン、卓球なども多分まだできない。できないことだらけ。いろいろなことが一生できないで終わりそうだ。そんなものだろうな。

そして今興味あるのはボルダリングなんだけど、まあ、絶対に、できないだろう。でもやってみたいなあ。そんなことを思うなんてどうしたんだろうなあと不思議でもある。

 

 

...

8月も半ば

  • 8月 11, 2019

7月の日記が書き終わらないまま、もう8月だった。知ってた。

7月も8月もいろいろなことがあったな(と書かなかった日々のことはもう書けないとあきらめる)、しかしこの数日はとにかく暑い。アイスを食べて何とかしのいでいるが、これは内臓によくない、と知っている。それでも食べずにはいられない、ダメな私だ。飴とアイス。そればかり。ダメだなあ、本当に。しっかりしなければ。

睡眠障害。よく眠れない日は継続中。こんなに寝ないでも元気なのは変なので、昼間目を開けたまま眠っているのかも。歩きながら寝ることもあるように思う。

たまに時間があると録画しているドラマを見る。山田太一脚本「想い出づくり。」は古手川祐子さん、田中裕子さん、森昌子さんがそれぞれ美しい。そして登場する男性がどいつもこいつもヒドくて辛くなる。目を覆いたくなる程、ヒドい。ドイヒーですよ、こいつら。これから彼らはどんな形で優しさや愛や、生き様を見せてくれるのだろう、そんなことを考えながら見ている。

イギリスのテレビ番組で、選抜された一般の方がお菓子作りを競う「ブリティッシュベイクオフ」。最近はこの番組が面白くて、楽しみにしている。「プロジェクト・ランウェイ」が終わってしまって私はいったいどうすれば・・・と思っていた矢先に、この番組。文字通り老若男女が与えられたテーマに沿ってお菓子を作るというだけのごくごくシンプルな番組なのだが、すごくいい。穏やかで、素敵な番組だ。私もおかし作りが好きだから、出来上がるまでの過程に(成功か?失敗か?膨らむのか?こげるのか?みたいなところ)に非常にワクワクする。しかし私は困ったことに作るのは好きだけど、できあがったお菓子にそんなに興味がないのだ。できてしまえば、もう他人。だから、作ったら友人にプレゼントする。私には何事にもそういうところがある。

今日は友達の命日だ。元気でいるだろうか。

...
7月の日記4 ミクニヤナイハラプロジェクト「日々」

7月の日記4 ミクニヤナイハラプロジェクト「日々」

  • 7月 26, 2019

7月14日 日曜日

朝、雨。

横浜駅へ。高速バスに乗る。

ミクニヤナイハラプロジェクトのパフォーマンス「日々」を観るため市原の湖畔美術館へ。

バスは海を渡り、千葉県へ。子供の頃千葉に住んでいたが、千葉はとても広いということです。私が住んでいたのは柏市、東葛飾エリア、こちらの方には馴染みがない(なので、「東葛スポーツ」という名前にはとてもシンパシーを感じている、関係ないけど)。

美術館は湖畔にあった。そりゃそうだ。緑が深い。森の繁りに勢いがあって気持ちがいい。霧雨の中、美術館の芝生をふむ。

美術館の敷地の中にあるピザレストランは繁盛していた。ここでコーヒーでも飲もうと思ったが、1時間程度待つとのこと。名物だというジェラートをテイクアウトして外で食べる。寒い、けれど、最高に美味しい。あと2個ぐらい食べられそうな美味しさだった。

パフォーマンス「日々」は、美術館の企画展「更級日記考 女性たちの、想像の部屋」の中のもの。橋本和加子さんと八木光太郎さん、どちらも魅力的で面白かった。可愛いし二人とも。キュートっていうのかなあ!

そして書かれた言葉が近い。ミクニさんの言葉は自分の体の中にしみこむ。歩いて、考えて、東京から離れて、すごくなんだか豊かな時間だった。

バスで東京へ。千葉から東京に行く便はほぼ満員だった。

夜、横浜。

 

この、ビスケットも美味しいかった。また食べたいなあ。

...

7月の日記3 

  • 7月 17, 2019

7月9日火曜日

 

選挙が近づいているので、公約などを読む。なるほど。ネットが普及して、公約などがわかりやすく自分の手に届くようになった。今回はどの政党を応援するのか、この人たちのことは全く信用していないぞ、この人個人をなんとかしたいなど、たくさんの要素を総合して1票を投じなければな。政見放送も見る。これは毎回いろいろな意味で味わい深いものもあるけども、それも含めてなかなか見応えがあるのでたくさんの人に見てほしい。そして共有したい。選挙は欠かさない。両親の教えでもある。子どもの頃から「選挙は何が何でもいくように」と言われてきたので、行くことが当たり前になっている。

公約、だまされてはならないよ。たくさんの弱き者、私も含め、たくさんの小さな者のため、そして子供達のために考えなくては。

街を歩くと、目は盗まれた自転車を探している。ないね。

ヨガに行く。ヨガのポーズの名前はやっぱり面白いなあ。山のポーズって、全然動かない。ただ立っているだけなのだけど、先生や雑誌曰く、それが1番難しいとのこと。

 

7月10日水曜日

 

とある報道を読む。裁判の記録である。どうしても許せない。怒りが湧き上がってくる。これをなかったことにしてはならない、と自分の中で怒鳴っている。許せないのだ、どうしても。許せない。落ち着こう、落ち着いてきちんと情報を取り入れよう。でも、どうしても、やっぱり許せない。

昨日の夕食後気管が狭まった感触がひどく、思い切って食物アレルギー検査をしに病院へ。先生に「昨日は何を食べましたか?」と聞かれ、「あれとあれとあれと…」と答えたところ、「やばいものばかりですね」と言われた。アレルゲンの可能性が高いものばっかり食べてるってことか。

結果は1週間後とのこと。ずっとやってみたかったのだ。楽しみだな。

夜とあるミーティングに参加。

 

7月11日木曜日

 

雨がそぼ降る中、神宮球場へ。数ヶ月前から楽しみにしていたイベント、ヤクルトスワローズの記念試合ドリームマッチへ。往年の選手、スターたちが集った。なんとガイエルもいた。若松監督の若さ、野村監督の雄姿やぼやき、そしてその横に寄り添う古田さんにもグッときたけど、それ以上のやたら大きなものに包まれてしまって終始涙の観戦となった。

神宮球場はほぼ満員。たくさんのファン。ペナントレースとは違う、ぽかんと空に浮いたようなのんびりとした一日。皆幸せそうだ。私は何を見ているのかな。選手かな、ファンの顔かな、それともこの世界かな。

私たちは日々の中拠り所を求める。探し、見つけ、語り、落ち着き、離れたくなくなる。時間を止めたくなる。でもわかっている。いつもここから進まなければいけないのだと考える。

自転車を買わなくてはなと調べ始める。先に進もう。

 

7月13日土曜日

 

朝知らない携帯の番号から電話がある。

「警察署のものですが、自転車の盗難届出されてますよね?」

見つかった。驚いた。乗り捨ててありました。隣町の高架下近く。取りに行く。家からは歩いて20分程度のところ、自転車は路地に乗り捨てられていた。その路地にある家の方が「邪魔だったから」と警察に通報してくださって見つかったとのことで、お礼をいう。「見つかってよかったねえ」と優しく声をかけてくださった。いい方だ。捨てる神あれば拾う神ありだ。そしてあのスーパーボランティアの方に顔がどことなく似ている。ありがとうございました。

そのあと警官さんが「科捜研の女」よろしく自転車の指紋を採取したり、訂正印を含め10箇所以上書類にハンコを押したり、といろいろあった。家で仕事をするはずだったが、自転車がらみでバタバタした1日だった。しかし、私の元に自転車は帰ってきた。よかった。ただただよかった。

盗まれて、すぐに見つかるなんて日頃の行いがよかったのだろうか?と思った瞬間、そもそも盗難にあっているのだから行いがよかったわけでは決してないなと思い返す。すぐそうやって自分を正当化する!自分にめっぽう甘いのだ、私は。

 

 

 

 

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7月の日記2 「プラータナー」のこと/自転車

7月の日記2 「プラータナー」のこと/自転車

  • 7月 07, 2019

 

 

7月5日 金曜日

「プラータナー:憑依のポートレート」を観に池袋の東京芸術劇場へ。

この舞台についてtwitterなどでは様々な感想や舞台写真が掲載されていたのだが、それは基本何も見ないようにする。感想を先に知るのが何だか勿体無い気がしちゃって。貧乏性なのかな。自分の目でまずは見てみたい。上演時間が4時間ということ、演出がチェルフィッチュの岡田(利規)さんだということ、俳優が全員タイの方だということぐらいは知っていたのでそれでいいやと。「知らな過ぎだろ!」とも思いつつ、でもちょっと乱暴な、そういう気分だったのだ。

追加公演ということで、朝11時からの上演。早起きのわたしにはありがたい時間設定。舞台休憩がそのままランチの時間になるのだろうということでコンビニでバナナを買っていく。バナナ持参の劇場入りとは、まるで自分が舞台に出演するときのようだ。

4時間を堪能する。観終わって思ったのは、すごくよかった、観ると決めて本当によかったということ、そして、この諸手を挙げて感動とかではない浮遊する気持ちの置き場のなさ、だった。うまく言葉にできない、誰とも共有できない、自分が正しいのか間違っているのかわからないけど、ちゃんと自分の言葉や感覚で判断しよう、ぼんやりした頭と身体でそう思った。帰り道もずっと考えていた。まずタイの俳優さんがとても魅力的だった。身体も、声も、映画も、動きも、全てに釘付けだった。みんな可愛い。チャーミング。ずっと観ていたい。そして岡田さんの演出はものすごくかっこよかった。岡田さんの目が私たち観客の目になって、同じものを観ている瞬間がずっと続いている気がした。岡田=わたし。それは今まで感じたことなかった感覚な気がした。その同化とはまた別に、急に岡田さんの目がレンズとなり、そこに描かれている世界は異国の映画となっていた。いきなりピョーンと飛躍していくのが、感覚的ですごく面白くて興奮する。岡田さんってどうなってるのかな、頭の中。稽古を見てみたい、そしてどんな風にこの世界が構築されたのか目撃したい。それは藤谷香子さんの衣装もcontact Gonzoの塚原悠也さんの振付もすごくよくて、なんというか、語彙なくて恥ずかしいんだけど、全体通してめちゃくちゃよかったのだ!でも、わたしはそのことに全然喜べない自分に気がついてもいて、それが何なのかと考えていた。

それはようやく自分の中で言葉になりつつあって、それはやっぱりどうしたってウティット・ヘーマムーンさんの書いた「プラータナー」という原作の存在だ。この原作小説に書かれているものがあまりにきつい。もう本当に苦しかった。それは何も主人公の内面描写や性描写がきついということでは全然なくて、書かれた言葉の先にある、結果的に追い詰められる「生」について、わたし自身が対峙しなくてはいけないという現実に。そこをすっ飛ばしてこの作品を「わー素晴らしい!」とか軽々しく言えねえよって思ったのだ。タイという国の政治情勢、苦しむ若者の性、消えてしまう命、生きづらい、とにかく生きづらい、そんないろんな要素が複雑に絡み合っているこの舞台。わたしはタイの国が抱えている問題を何も知らない。しかしここに存在する全ての瞬間を自分のこととして、置換して考えてしまう。この国で(タイで→日本)で、弱い存在である私たちはどうやって生きていけばいいのだろう。世の中から絶対になくならない闇についてわたしはどのような考えを表明すべきなのかだろう。それは別に他人へ表明するということではなく自分自身の生きるための意思としてどう考えればいいのかと、突きつけられる。だから、この舞台と向き合うのが怖いのだ。小説、怖くて読めない…。きっと身体も心も持って行かれてしまうにきまっている。それが耐えられるのか。「傑作です!」って晴れやかに言えるのか、自分が心配なんだ。別に言えなくていいのか?でも自分のくせとして、やっぱり観たものに何かしらの決着をつけたいのかも。

後半、ある若者の死が描かれる。その物語が悲しくてずっと寂しい。書いている今も泣きそう。死なないで欲しかった。物語(フィクション)に対して、そんな馬鹿げた感想あるかね?でもね、無責任なこと思ったんだけど、わたし以外の観客の多くの人が同じ気持ちになったんじゃないかな。「死なないで欲しかった」と。だからといって「物語の中で人が死ぬのに辟易している」という意味では全然なくて、「彼」が死んでしまうことが、本当に残念だと思ったのだ。で、その寂しさ、心持ちがずっと続いている。死が近い、わたしにもあなたにもって感じ。こんな悲しい死は舞台上ではなく日常にあるのだと、自分は他の誰れ彼と同じように寄辺ない存在だと、皆気がついているのかもしれないな。

考えながら、帰宅。時間が経って、少しずつ冷静に考えられるようになる。隣駅で途中下車して買い物をする。夕食はたこを食べる。アピチャッポンに続いてのタイ。全然違うものだけど、寄り添ってもいる。世界が広がり、思考が進み、遠くにあったものを身近に感じる。

どちらもよかったな。観てよかったな。やっぱり小説、読んでみよう。

メモのつもりだったが長くなってしまった。読み返し、全然うまいこと書けていないと思う。仕方ない。

 

7月6日 土曜日

自転車を盗まれる!ショック!自転車屋の孫なのに(関係ないけど)。

 

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7月の日記1

7月の日記1

  • 7月 05, 2019

最近、ふと日々のことをごっそり忘れてしまう。気がつくと全然覚えていない。何をしていたのか何を食べたのか、忘れてしまう。

 

7月1日

横浜のここのみ鍼灸院へ。ここでセンセイに鍼をブスブス打たれている時、私は気持ちよくてほぼパーセントの勢いで眠ってしまう。ゴールデンスランバー。夜、映画「ひまわり」を30分位見て眠ってしまった。面白くなかったわけでは全然ないので、続きはまた見る。

 

7月2日

録画してあるドラマの「高原へいらっしゃい」(1976年/田宮二郎主演)第11回を観る。田宮二郎扮する面川が自分に課した規律を破り堕ちて行くシーンを見て、もうとても落ち込んでしまった。面川!頼むから踏ん張ってくれ!と心の中で応援していたのに、目の前で裏切られた…いや別にいいんだよな裏切られても、ドラマだから…と思いつつも、なかなか気持ちが戻ってこない。

 

7月3日

タイの映画監督アピチャッポンの演劇作品「フィーバー・ルーム」を観に池袋へ。

見ている最中脳内がいくつか分かれている感覚になりなかなか集中できない。でも例え集中しなくても、舞台のことを真剣に考えなくても、(当たり前だけど)誰にも怒られないような気持ち、おおらかな優しさをずっと感じていて、それは映画作品にも通じるというか…アピチャッポンさん本人の懐の深さかも!とか勝手に解釈する。映像部分、上下スクリーンに映し出されたただの道。海上の船から撮影しているであろう道の映像がよかったなあと思ったのは、その道がいわきの江名というところの風景にとてもよく似ていたからである。あの映像の姿、すごくよかったなあ。

7月5日

食事をしながら「高原へいらっしゃい」第12回を観る。前田吟さんがずっと怒鳴っているシーンがあり、見ていてすごく落ち込んだ。単純に怒鳴っている人を見るのが苦手なのかもな。前回今回と私は落ち込んでばかりだが、すごく面白いドラマだ。若き池波志乃さんが本当に可愛い。「おばやん」と呼ばれている北林谷栄さんもすごく素敵だ。テーマソングは小室等さんで作詞が谷川俊太郎さん、演奏がムーンライダーズ。1976年、私の生まれた年である。

ベランダのゴーヤを初収穫し、ゴーヤチャンプルーを作った。

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長い文章を書いてみて

  • 6月 28, 2019

「西へ」と題した長文を書き終えた。

急にどうしたのかというぐらいの分量を書いてしまった。何かしら書かないとこのまま何も書けなくなるのではないかという危機感もあったし、どんどん忘れていってしまう日々の記録の意味も込めて書いてみることにした。始まってみると楽しかった。書くことが好きだなと久しぶりに思えたのでよかった。一番好きなことかもしれない。

またぼちぼちここに駄文を載せていこうと思う。

 

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西へ4

西へ4

  • 6月 26, 2019

<前回のあらすじ>

MさんSちゃん夫婦に導かれ、京都で美味しいお茶を飲む。

 

ーーー

二人とは四条通り沿いのApplestoreの前で別れ、次に会う友人との待ち合わせ場所である河原町交差点のマルイ前へ。約束の時間より少し早くついたので散策することに。リュックが重いものの、東側へ歩く。鴨川まで来た。川沿いにはたくさんのカップル、川床で食事する人たち。その光景を橋の上から眺める。急にここにいることが信じられなくなった。私は今なぜ鴨川を眺めているのか、よくわからない。マルイに戻り、会ったのは友人の牛尾千聖ちゃん。今年関西に越したので会いに来たというのが今回の旅の目的の一つ。目が会った瞬間、つい笑ってしまう。

牛尾さんが鴨川にほど近いおばんさい屋さんを予約していてくれた。こじんまりした素敵なお店だ。今回お店を探すにあたっての決めては「なにがなんでも生麩のある店」だったとのことで、それではと生麩田楽を注文する。確かに生麩は美味いよね。にちゃにちゃした食感がいい。相当好みの食べ物だ。こんなに素敵な食べ物が実はただのグルテンの塊だなんてなあ。グルテンフリーの人が間違って生麩を食べて落ち込みませんように。生麩はもちろん美味しかったし、その他出てきた料理全て美味しい。ビールを飲みながら二人で食べまくる。今日のように、そう、東京でも何かといえば二人でよく飲みに行った。我々の飲み会は結果としては焼鳥8、タイ料理2という数字。よくぞそんなにいろんな焼鳥屋にチャレンジするなというぐらい私たちは焼鳥だった。軟骨(牛尾さんナンバーワン焼鳥)や砂肝(笠木ナンバーワン焼鳥)を目の前にして、くだらない話に真面目な話に忙しかった。今日も忙しい。何せ久しぶりだからどうでもいい話のストックが溜まっているのだ。まあ、そんなに久しぶりじゃないかもしれないけどやっぱり久しぶりな気がするし、ここが京都というだけで何だか少し照れるという気持ちもあってかずいぶんと酔いも進む。

久しぶりの牛尾さん。おでこが光っている。

 

店を出て、今日は牛尾さんのご自宅に泊めてもらうことになっていた。家の玄関を開けると、牛尾さんの愛犬・ジダンがいきなり私に突進してきた。尻尾を振りまくって、大興奮。私によじ登ろうとし、幾度も幾度もジャンプをする。その後わーっと部屋を走り回って、また私によじ登ろうとするを繰り返す。その勢いに面食らう私。犬ってこんななの?もちろん性格もあるのでしょうが、パワーがすごい。ストレートに向かってくるその愛情にノックアウト。可愛いったらありゃしないなこりゃ。その後牛尾さんの旦那さんであるヤマちゃんと3人で飲む。さらにどうでもいい話、くだらない話に花が咲く。ギャーギャー騒ぐ私たちをちょっと困った顔をしつつも優しく見守るヤマちゃんであった。

ちなみに私の家の猫(ナフルとテーオ)は来客があるとベッドの下に隠れて一切出てこなくなってしまう臆病者だ。テーオに至っては10年以上一緒にいるのにまだ私に懐いていない気配すらある。毎日私の顔を見ては走って逃げてしまう。逆にストレート。愛情なし。どうなってんのよと思うけど、そんなところが可愛い。全然言うことも聞かないがそれが面白いのだ。もう懐いてくれなくともいい。ただただ自分の時間を生きてくれればいい。

夜、私の寝る布団に入ってくるジダン。私の体にぴったりくっついて寝てしまった。人懐っこすぎる…。ショック…。

 

ジダン。犬は黒目が大きいなあ。

私の寝床にガンガン入ってくるジダン。この後すぐに私の横腹にくっついて寝てしまった。

 

朝、牛尾さんの家の庭で梅の実を収穫する。ずいぶん熟れているのもあったが、まだまだ若いのもあるし何かできそう。「あははー、カサギさんがうちで梅収穫してるの面白いなあ」と笑って見ている牛尾さんだが、私は今日帰るのだから梅仕事をするのは君だ。梅ジュースの作り方を適当に教える。その後関西でしかやっていないバラエティー番組(円広志さん司会、出演者未知やすえさん他。番組名は帰宅後調べ「よ〜いドン!」と知る)を見ながら、レポーターで出演されていた石田靖さんについての個人的見解を話す。無駄に真剣な意見を述べてしまった。

一宿一飯。昔博徒の間で旅の途中で泊めてもらったり食事を振る舞われたりして世話になると、生涯の恩義とする仁義があったらしい。一宿一飯だ。梅を収穫したことでは収まらない。勝手にやったことだし。牛尾さんにもヤマちゃんにもMさんにもSちゃんにもいつか恩返しができますように。まずは牛尾さんが東京に来た際の焼鳥屋は私がいい店探しときます。そして家をあとにする。手を振る。またね。またジダンにも会いに来よう。

そして私は京都駅へ。今日は京都でも大阪でもどこでも、ふらっとホテルに泊まってゆっくり街を散策しようと思っていたのだ。しかしいろいろあり帰ることにした。奈良の旅で大満足したし。それに今回はあまり何も決めない自由な旅をしたかったので、やっぱり帰ろうかなと決めるのもなんだか自由でいい。実は朝起きたら足の指の皮がべろんと剥がれていたのだ。旅はそろそろ終わりなのだと悟る。しかしこの靴、本当にやってくれたね。GUに心からの感謝。

河原町まで出向きチケットショップで新横浜までの新幹線乗車券を購入、正規の金額より500円程度安くなった。よし。そしてもう一度河原町近辺、京都市役所、丸太町などを歩く。足は痛いが構うものか。さよなら私の京都、というセンチメンタルな気持ちで街を目に焼き付ける。どの喫茶店にも入らず、ただただ歩いた。バスも乗らず、歩いた。考えごとをしながら、ひたすら歩いた。月曜日の京都は輝いている。路地には人っ子ひとりいない。猫もいない。その道に小さな希望を見出す。大げさだけど、泣けて来た。友達は元気だった。友達に会いに来ただけの、ただの散歩のような旅はもう終わりだ。人は、会える時に会わないと。だからよかった。来てよかった。

私の旅の最後のミステイクは、事前に食べログで調べておいた「京都駅内の辻利の抹茶ソフトクリーム」を食べ損ねたことだ。楽しみにしていたのに時間配分を間違え行けなくなってしまった。泣く泣く断念。大のソフトクリーム好きの私がこの旅で食べたのがマクドナルドのソフトツイストだけだなんて、ちょっともうなんなの私。新幹線構内のお土産屋で漬物をいくつか試食し、阿闍梨餅を買って旅は本当に終了です。

家に到着し、雨の匂いが充満したニューバランスを洗う。これはカビているかもぞしれないという不穏な重みがある。「スニーカーを捨てるよ」という私に牛尾さん、「勿体無いから捨てなくてよい。ウタマロでゴシゴシ洗えば大丈夫。それでダメならオキシクリーン」とカジエモンのようなアドバイスをくれた。オキシクリーンを買いに行かねばらならない。

梅、結構ある。次の日「梅ジュース作りに着手した」と連絡をもらった。成功を祈る。

牛尾さんの絵。可愛面白い。

...
西へ3

西へ3

  • 6月 23, 2019

<前回までのあらすじ>

友人に会う旅の2日目、前半は奈良。優しき友人夫婦(Sちゃん、旦那さんはMさんと名称の記載を統一することにした)に導かれ、奈良を満喫する。特に気に入ったのは心やさしきシカと東大寺の金剛力士像だった。

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午後は、京都へ。近鉄電車の特急に乗る。奈良から乗った電車にはなぜか知人の俳優が乗っていた。二度見した。やっぱりそうだ、あの人だ。知り合いだけど、声をかけずにそのまま京都へ。旅先で突然話しかけられるの、嫌だろうなと思っての判断。

京都駅に到着し、地下鉄に乗る。烏丸御池駅で乗り換え、京都市役所前。Mさんがまたもやナビをしてくれて、一保堂茶舗の本店、喫茶室へ。寺町通りを歩きながら、あれこの道、この建物見覚えがあるな…と思っていたら、わあっと記憶が蘇ってきた。一保堂の向かいにある耳鼻科、そこはミクニヤナイハラプロジェクト『前向き!タイモン』京都公演の時に声が枯れそうになって駆け込んだ耳鼻科だった。私はほんの少しの不調を見つけたら旅先でもどんどん病院に赴きドーピングをして本番の舞台に臨む。知らぬ土地だろうとグイグイ薬をもらいに行く。『タイモン』の時は、京都在住の友達に聞いてここの耳鼻科に走り込んだのだと思い出した。その節はありがとうございました。

一保堂の喫茶室で私はほうじ茶、Sちゃんは抹茶の濃いお茶、Mさんは新茶を選ぶ。お店の方がお茶の美味しい入れ方を教えてくれるのだか「ここから45秒で…そして1分待って…」と結構タイトスケジュール。これはコトだ。私とMさんは促されるままにお湯を入れたり入れなかったりして、そして完成した茶を飲む。「う、う、うまい!」今まで飲んでいたほうじ茶は何だったのかというぐらい美味い。もちろん茶葉もいいのでしょうけれども、これが入れ方のストイックさから生み出される美味さなのかと驚く。Mさんに至っては、「もう、これは、出汁!」と言っていた。お茶ではない。出汁。Sちゃんの注文した濃茶は海苔のような粘度で、これももはやお茶ではない。ペーストだ。お茶だけど。私たちの考えているお茶とは一体何なのか。

あまりの美味さに感動してこれから会うもう一人の友人にほうじ茶の土産を買う。

店を出て、途中雨が降り出す。昨日の悪夢がトラウマとなり蘇る。心の中は穏やかではなかったが平静を装いつつ、錦市場へ移動。かの有名な包丁の店「有次」に行ってみたかったのだ。憧れの包丁。包丁にお金をかけてみたい。そんな贅沢なことできない。そこにお金をかけるのは素敵なことだ。でもできない。見るだけならいいよね。と、口にしたらただただ面倒臭いだけのやり取りを自分自身に収めながらの錦市場はとにかくものすごい混んでいた。混んでいるのに歩きながら何かを食べている人が多くて驚く。皆器用だよ。私だったらこぼしたりつまずいで人の服を汚したりと、そんな未来はお見通しなのでもちろん食べないやらない。元来買い食いは大好きだ。いつも外で歩きながら何かを食べていたいぐらい好き。でも人のいないところでしか食べてはならないぞと心に決めている。私が大のソフトクリーム好きと知るSちゃんは「食べたくなったらいつでも(私たち夫婦に気兼ねなく)ソフトクリーム食べてね」と私の単独行動をさりげなくアシストしてくれた。しかし、我慢だ。

有次にたどり着く。美しい包丁が並んでいてドキドキする。かっこいいなあ。しかし鉄製の包丁は油断するとすぐに錆びてしまうとのことで私のようにずぼら者が持ってならないと判断し購入は控える。少しほっとした自分がいた。そこでMさんオススメの魚の骨抜きを買うことにした。Mさん曰く、ピンセット型の骨抜きには関東型と関西型があり、自分はやはり関西型の方が使いやすいとのこと。形に違いがあるなんて全く知らなかった。

図にしてみた。

持ってみると、確かに使いやすそうな気がする。Mさんの言葉に背中を押されて関西型を購入。これはいよいよなめろうを作る時が来たなと思った。人生初なめろう。やった。楽しみ。

ここで二人とはお別れ。ありがとうSちゃんMさん。二人は漬物とだし巻き卵を買って、家に帰って行った。

ここで告白する。Mさんは私の濡れそぼったニューバランスが入った重たいリュックサックをずっと背負ってくれていたのだ!そのおかげで私はひょいひょいと身軽に動くことができた。奈良京都旅をナビゲートしてくれたり、柿の葉寿司のわがままを聞いてくれたり、たくさんの知識をくれたりとMさんにはもう本気で頭が上がらない。いつか恩返ししたい。このブログを読んでいないと思うけど、Mさん本当にありがとう。

 

 

まだまだつづく

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