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忘れないために

  • 2007/03/27

家で小津安二郎「秋刀魚の味」を見る。

加東大介と笠智衆、岸田今日子の「軍艦マーチ」のシーンがとても面白かった。三人とも可愛い。このシーンはずっとずっとずっと忘れない気がする。そして「ひょうたん」こと東野英二郎とその娘役である杉村春子がお父さんの泥酔した姿を見て涙を流すシーンは、とても美しかった。小津最後の作品だと言う。秋刀魚が全く出て来ない。時折、町や家が映像に挟まれる。小さな団地の映像は私の郷愁を誘う。私は子供の頃から団地を点々としていたからだ。小さな鉄筋の社宅には哀愁が漂う。

脱力感に苛まれる。自分に全く自信がなくなった時、眠るか読書をする。今日は松本清張の「空白の意匠」や「遺筆」など短編(またかよ)。それから西原理恵子「ちくろ幼稚園」を読んだ。再読。

あと読みたかった三崎亜紀「となり町戦争」を購入。

明日は図書館に行って面白そうな本を借りてこうと思う。その前にアルバイトの面接。

もちろんいろいろ言われて、ゆっくり考えています。哀しくなるような感想にも耳を澄ませています。ところで、小説を書いてみたらいいのではないかととある人からメールを頂き、演劇より向いているのでは?という文面だったのですが、嬉しくもあり、頑張れるか、また新しき目標にもなりうるので、嬉しかったです。そして何故か映画監督の方には「この芝居は映画にした方がいいよ」と言われたのです。しかも二人に。へー。映画を作る自信はないんだけど、演劇を作る自信もないから、同じようなモチベーションで創作出来るといいのだが。

どうしても心が休まらない。頭の中が嵐のようだ。頭が疲れているんだ。それはわかっているのに。休めない。桜でも見に行き、何時間でもその木の下で座っていようか。そしていつか「秋刀魚の味」の加東大介が軍艦マーチを歌うあのシーンを演じたい。加東大介になりたい。佐田啓二は無理。ちょっと気持ちが悪いしね。

やっぱり風呂

きたみ

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2 Comments

    agari

    27th 3月 2007 - 23:08:58

    植木さんがなくなったのは残念でならない。
    が、スターが亡くなる度に思い出すのは
    「スターが出産されたと聞かない。このままではスターが絶滅してしまう」
    とか言う内容の星新一氏の言葉。

    kasagi

    28th 3月 2007 - 2:31:49

    agariさん、こんばんは。

    私も残念です。150歳ぐらいまで生きていて欲しかった。
    輝きのあるスターがいなくなってしまうのは、本当に淋しいね。

    星新一もある意味スターでした、小学生時代の。

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