蓬莱屋!/負傷!/まほかるって!
- 2007/12/15
■食事会と称して上野広小路にあるとんかつ屋「蓬莱屋」に行く。宮沢さんの日記にも書いていただいたのだが、この数日は宮沢さんのリクエストである「とんかつ」を調べに調べた。完全に調べ魔の域、病のようにかたっぱしからリサーチした。せっかく行くのだから美味しいお店がいいし、とんかつ屋は調べてみればなるほど老舗が多く、趣のあるところが多い。結果、「上野とんかつ屋御三家」(とんかつ大好き鈴木将一朗情報)の一つ上野広小路の老舗「蓬莱屋」にしたのだった。「蓬莱屋」は今まで数々の文士が愛したお店で、中でも映画監督の小津安二郎が好んで通ったとのこと。「ひれかつ定食」を頂いた。さっぱりしていてとても美味しかった。
■基本揚げ物が苦手な私であるが、調べ過ぎたか、今とんかつに夢中。行ってみたい店がまだ何件もあるのです。
■蓬莱屋に出向く前に御徒町に早く到着したので一人でアメ横(正確には線路ガード下周辺)を散歩した。師走の金曜だから人は多かった。しかしその人種が渋谷や新宿と違い、私には心地よかった。常磐線育ちの気質が疼いたのかもしれない。小学生の時は常磐線の柏で、思春期を山手線の田端で過ごした私には上野近辺は思い出の地でもある。「買い物と言えばABAB」だった。安いんだよね、ABAB。ABABってなんだよ、と言う方にちょっと説明。上野と御徒町の間にある若者向けファッションビルである。ABABと書いて「アブアブ」と読む。土地柄、物悲しさが漂い、買い物に来ている若者も心なしか陰がある。今は知りませんが、少なくとも15年前はそんな感じでした。靴といえば「セントメリー・フジヤマ上野店」だったよね、常磐線のみんな。二木の菓子周辺も当時とあまり変わっていない。ちょっと危険な感じの人たちが街を闊歩している。吉池デパートに入ってみたがあまりの哀しさに笑いがこみ上げた。しかしそこにはおしゃれとはほど遠い現実の「生活」があった。たくさんのオモシロおばちゃんとオモシロおじちゃん達がしっかり生きている。
■12月9日は宮沢さんの誕生日だったので食事会メンバーと「古田敦也」DVDをプレゼント。宮沢さんと言えばやはり「ヤクルトスワローズ」である。DVDサブタイトルが「野球を愛する全ての人へ」。古田監督じゃなきゃ、こんなサブタイトルはつけられないのだろうなと思った。古田監督は偉大なのだ。CMで共演させてもらったしね!
■そしてみんなで皆でたくさんの話をした。僭越ながら「貞方スタイル」の説明もさせてもらった。その他くだらないこと真面目なこと、楽しかった。
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■「ハッスルタイム」にはしゃいでいたテーオに顔をひっかかれ負傷。テーオが失った左目の下に彼女の爪痕が二本くっきりと残っている。同じ場所に傷を負ったということだ。あまりの痛さに無口になった私の顔を、ハッスルタイムを中断し、黙ってじっと見ていた。
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■沼田まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち」、「猫鳴り」を読む。「彼女〜」はとんでもなく救いのない物語で、読みながら心の中の自分が七転八倒していた。何とかならないのか、何とかしてくれと思っても、小説の中に私の思いは届かない。当たり前だがその事実が歯痒い。しかしそう思いながら読書を進める事で自分の考えの先を知る事が出来る。読後感は本当に寂しいものだった。寝付けなかったよ。「猫鳴り」は傑作と名高いらしいので是非読んでみたかったのだ。二冊連読でわかったのは、この人の小説に出てくる登場人物に私はとにかくいらいらするのである。そのいらいらの元が近親憎悪のような感情とも違う何か。でもそのいらいらは決して不快なものではなかった。たぶん丁寧に書かれているからだと思った。「猫鳴り」は、私猫飼っているし、猫に関する記述は胸に来るのか、いつもより丁寧に読んだという貴重な時間になった。登場人物がトリップするのと同調して私も少し離れた場所に行けた。それにしても沼田まほかるとか誰ですか?ってことで少し調べたら、この人の経歴がちょっと面白い。「僧侶、主婦、会社経営を経て」57歳でデビューだって。おいおい、迫力ある新人だなあ!
2 Comments
まき
16th 12月 2007 - 2:22:33ちょっとー
うちのとんかつもわすれないでよー。
kasagi
21st 12月 2007 - 22:05:51まきさんこんばんは。
正直わすれてたよー!!
味も忘れちゃったから今度また食べたい!!