<モスクワの海・延期記>2021年1月 前半
- 2021/01/17
2021年1月
4日
誕生日。
誕生日は年に一度、無条件に「自分、よかったね」と言える日である。そして産んでくれた母に、家族に大いに感謝する日だと思っている。45歳になれた。幸福だ。ありがとう。友人からメールがくる。ありがとう、ありがとう、とテンション高いまま母親に「ありがとう」とメールしたら、「あ、忘れてたわけじゃないのよ。朝から忙しくて……」と返信が。なんだか悪いことをした。
誕生日なのでソフトクリームを食べる。
新型コロナウィルスの感染拡大が続く。
緊急事態宣言が発令されて、稽古場が使えなくなった。
家で「モスクワの海」の戯曲を読んでみた。
これは冬の話だ。
描き直したいなと思って、メモする。
演出も、もう少し、シャープにしたい。
12月のスヌーヌーの演劇公演を延期中止にした時に、「暖かくなったらやろう」と4人で話し合ったのだけど、これは3月になっても4月になっても厳しいのではないかと思い悩む。
医療現場の映像を見ていると、そう思う。
終息に向かうまで、ここに留まること、これが今唯一私ができることなのではないか。
いや、自分たちは自分のたちのやりたいと思ったことを感染拡大防止策を徹底してやるべきではないか。
マインドAが、思い悩む。
前に進んでない気がするけど、別に進まなくてもいいんだけど、進めないけど、とにかく自分を保って、進めるようになったら進む、それしかないのではないか。
ふと、他の人と比べてしまう。
すると、マインドBがやってきて、
「それは、ダメである」
「ダメ、絶対」
と私に言うのだ。
禁忌事項である。
わかりましたか?
そうでした!失礼しました!
それにしても、
自分の正直な声を聞くって、嫌だし難しいことだなと改めて思う。
政治家の発言を見るたび聞くたびに、血圧が下がるような気がする。
手が冷えるのだ。
8日
健康診断を受ける。
昨年の6月に予約したら「半年待ちです」と言われおののいたのも今日。
明日は必ずやってきていた、ということだ。
検診を受けたお祝いにソフトクリームを食べる。
11日
一昨年に参加させてもらった「明日のアー/最高のアー」の映像をみんなで見るという会に出る。
全員ZOOMで参加。
ZOOMとはいえ、皆の顔が見れて嬉しい。
映像を見ながら「コロナ以前のコントなんだなー」と考えていた。
相当密な舞台である。
舞台袖も狭くて、超密。
今思えば、楽しかったなあ。
左右と石川浩司さんの演奏もとってもかっこよかった。
しかし、大北さんの台本は現在を予言してたかのようだ。
ウイルスのコントがあるではないか!
オチはウイルスとは全く違うところに着地するんだけど…
私は反省材料多し。
声が安定していないなとか、もっとここはやれたな、とか気になることが多かった。
ただ一点、私が足を大股に開いて四股を踏んでいるような瞬間があり、
衣装のスカートの美しいドレープと相まって、
非常にふざけた愉快な絵に見えた。
そういえば、稽古中あのポーズをやる時は自分の心も愉快だった。
あれが自分的に面白かったから、いいか(一昨年の反省だし)。
もう一つ、映像を見ていて、「これは今年直そう!」と決意したことがある。
明日のアーを見て、決心がついた。
今年の目標が決まる。