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ナフル、病院へ行く

  • 2007/08/04

朝起きたらナフルの左目が腫れ上がっていた。何故だかはわからない。昨日の夜は普通だったはずだから、夜中にどこかにぶつかったのだろうかと考えたが何せ相手は猫だから問いかけても返事はない。そのまま私は仕事に出かけた。

仕事中も気になる。終業後急いで家路についた。玄関の扉を開けたら、ナフルはいつもならそこにいて私を出迎えてくれるはずなのだが(というか、私が玄関を開けた隙を狙って脱走を企てるために出迎えという偽りの行動に出ている)、いない。「ナフル!」と大きな声で呼んでみたら、奥の部屋から「どたっ」という音がした。これはナフルが押し入れの上段から飛び降りる音である。彼は押し入れの奥深くの闇を好んでいていつもそこで寝ているのだから、ああ、寝てたんだなと私はほっとしたのもつかの間、ナフルが玄関に向かって歩いて来たその左目は、もう開いてすらいなかった!朝よりも腫れ上がりお岩さんのようになっている。「ナフル!どうした?痛い?」と問いかけても返事は返ってこない。ニャーニャーとも言ってくれない。何を言っているかはわからんが何かを言っているという普段の状態よりもずっと無口で、心なしかしょんぼりしているように見えるし、とにかく急性の病気だったら大変なことになると、私は動物病院行きを決めた。

ここからが戦いだった。まずナフルは猫用のキャリーケースに入ろうとしない。入れようとすると私の腕を引っ掻いて暴れて走り去る。これに入ったらどこかに連れて行かれる、だまされねえぞ、とすぐに察知。勘のいい猫だ。何度やっても同じ。部屋の中が暑いことも手伝って私は汗ダラダラで猫と格闘、し、負け。キャリーはあきらめて、大きなビニールバックに、さりげなく入れることに成功する。上部のファスナーを閉めた瞬間バッグの中で「ギャー(たぶんだまされた!とかここからだせこのヤローとか言ってる)」と叫ぶナフル。「ごめんね、ごめんね、大丈夫だよ、病院行くよ」と話しかける私。お金や地図を持って家を出ようとし、玄関を開けたその瞬間、バッグの中から断末魔が!そして彼はそのまま失禁してしまいました。バッグの繊維をすり抜けて私の足につたうものは確かにあったけど、でも私はどうしてもこいつを病院に連れて行かねばならんのだよ。もらされようと、何だろうと。

そこからも七転八倒して病院へようやく辿りつく。診断は「急性結膜炎」だって。目に何らかの刺激があってそれを気にしてひたすら掻いてしまったのではないかと先生は仰っていた。先生にいろいろ説明をしてもらって、私自身少し安心した。ナフル、病院では震えっぱなし。先生に笑われる。「あの、すみません、怖いとまたもらしちゃうかもしれないんですけど・・・」と言ったら、「気が小さくて可愛いですね」と思いっきりお世辞で返された。

私はお尻に注射され小さくなっているナフルを見て、ちょっと泣きそうになった。失禁して、オレは行きたくないんだと私にアピールしたナフル。しかし彼は日頃しょっちゅう脱走を企てているのだから、外に行きたくないわけではなくてただ単に病院に連れていかねばと焦っている私が怖かったのだ。何て臆病でずるい猫なんだろうか、キミは。そして何て気が強い猫なんだ。似ているなあ、私に。いつしか似てしまったのだろうか。泣ける。

この写真は病院に行った次の日に撮影。随分よくなりました。今は目薬を差して、自宅療養中。完全復活まであと5日ぐらい。病院にはもう一度連れていかねばならないのだが、それでまた失禁したら、私はますますナフルが可愛く思えるだろう。私は失禁まではしないけどね、ナフルの気持ちがわからないでもないのだ。

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2 Comments

    agari

    4th 8月 2007 - 2:23:00

    ウチのを病院に連れて行ったときには、油断してるスキにやや大きめの洗濯ネットにくるんで、それをさらにバッグにいれた。
    あとやっぱり失禁はするね。

    kasagi

    5th 8月 2007 - 1:13:51

    agariさん、こんにちは。
    大きめの洗濯ネット、いいらしいね。本にも書いてありました。購入しておきます。
    失禁する猫多いみたいだね。ナフルだけじゃないんだ。よかった。

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