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「コンナオトナノオンナノコ」とドンづまり

  • 2007/12/04

映画「コンナオトナノオンナノコ」を観た。たまたまなのだが、冨永昌敬監督とチェルフィッチュの岡田利規さんのトークショーの日だった。映画のトークショーと言えば上映後にあのシーンの撮影はこんな感じだったとかをバラす形式が大半であろうと思うのですが、何故か今日は上映前にトーク。よってネタバレを避けて話す二人の苦労が見えて面白かった。どうやら上映後にトークをすると岡田さんの終電がなくなってしまうらしい。なるほど。岡田さんと冨永くんの二人は全く違うタイプの人間だと思うのだが、と、もちろんそれは作品の違いにも表れているし私は友人として冨永くんのことはよく知っているが岡田さんのことは何も知らないくせにあえて書くのだが、その異質さが功を奏して二人は非常に気が合いそうだなあと思ったのだった。

映画本編について。原作の安彦麻理絵さんのマンガはたぶんこういうことになっている。女の欲の先にあるドンづまり。どの作品にもそのドンづまり感があって、それを経験した事がある人なら確実に共感できるし経験した事のない人にはさっぱりわからないのだろう。私は前者である。昔からドンづまっていたし今もドンづまっている。オールウェイズ・ドンづまりですよ正直。しかし私は声を大にして言いたい、「君らみんな、そうだろ?結局ドンづまってるだろ?」と。つまってない女もいつかまたつまる。まわるまわるよ時代はまわる。勝ちは負け、負けは勝ち。そんなもんなのだ。私は女だからそのあたりの面倒臭さは知っている。そこを男の冨永昌敬はどう描くのだろうってところと、今までの冨永映画にある独特の空気と安彦さんのマンガの融合し加減が興味深き点。で、観ました。

主役の女の子2人ともやっぱりドンづまっていた。まさに崖っぷちだった。そこがまずはっきりしている。原因はもちろんそれぞれなんだけど、ドンづまりなことには変わりない女たちとはまさしく30代近辺を彷徨う私を含めた女たち全てのことを指している。映画はそんなしょうもない私たちを優しく包んでいるようだった。優しい映画なのだ。どんなに笑っていても暗黒、どんなにドンづまっていてもネアカ、そんな女性の真理が丁寧に描かれていてしかしやっぱりちょっとだけ冷たい。女に厳しい面もある。そりゃ世の中には男と女しかいないし、お互いがお互いを批判していたらキリないけどさ、お互いがお互いを監視していることは大切だと思うんです、わたしは。監視の目があってようやく女は自由になれる、ってフェミニストか?って感じになってしまった。女も男も大変なことには変わりないんだけどね、種類が違うね、多分。ま、男のことはよくわかりませんが。

あるシーンで、「ああ、このシーンは超有名映画『ネバーエンディングストーリー』へのオマージュだな、ここにメルヘンを持ってくるとは、さすがだな冨永くん」と思ったのですが、それは大いなる勘違いだったようだ(監督本人に確認済み)。しかしそんなふざけた勘違いをしたくなるような、優しさに溢れた、気持ちのよい映画だった。

それで、私は人の目で認識できる程に出演していたかというと、自己評価では50点。私はわたしだからわかるが、私がわたしでなかったらたぶんわからない。ダメじゃん。しかし、いいシーンで面白い役をやらせてもらって大満足なのです。

「コンナオトナノオンナノコ」は12月7日まで。池袋シネマロサでレイトショー上映です。お時間ある方は是非池袋まで足を運んで下さい。

冨永昌敬のブログ→「STJP Official Blog」(冨永監督の映画「シャーリーテンプルジャポン」の公式ブログです)

コンナオトナノオンナノコ

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