書けない
- 2008/04/19
■書いているのに進まない。そんなもんなのかな。焦ってるけど、ここは焦らない方がいいと自分に言い聞かせている。
■あのですね、アルバイトに行く出勤電車の中でのことなんですが。ちょっと文章が乱れる可能性がありますが、すみません。
満員の中、私の横にいた女子高生が突然声を上げて泣き出しました。そしたら私の後ろにいた40代の男性が「こいつ、ちかんだぞ!」と、女子高生の後ろにいた30代前後の男性の腕をつかみ叫んだんです。
「みなさん、こいつちかんですよ」と大きな声で。
「ちげえよ」「いや、お前だ」「だからちがうって」「お前しかいないだろ」
って、満員なのでそんな会話が耳元でなされるわけで車内緊迫状態になっていて、私はとりあえず女子高生に「大丈夫?」と聞いてみましたが大泣きしていて今にも崩れてしまいそうな状態でした。その腕を掴まれた男は「オレじゃネエよ」「ふざけんなよ」って反論してるんですが、周りの男性が何人も「お前だ」「おれは見てた」「認めろ」「警察呼ぶぞ」って口々に言ってるから静観している周りの人たちの目も「たぶんこの人だな」って感じになりつつあり、でも私は30代の結婚指輪をした男が痴漢行為をするなんてあまりに馬鹿げた失敗だと思うので「もしかしたら誤解では」と俄に信じがたかったのです。
しかし疑われた彼は突然左手で女子高生の顔にかかった長い髪をのれんのように持ち上げ、泣いた顔を見ながら優しい感じで「ごめんね・・大丈夫?ごめんね」と言ったのです。
私は急にものすごく頭に来ました。ぶんなぐってやろうかと思う程腹が立ちました。ごめんね、って何だよ。そして何でお前はこの子の髪の毛にそんな簡単に触るんだ。そんな簡単なものか?と。
まあだからといって殴る訳にもいかず、私は男と女子高生の間に入り彼がもう二度と彼女に触らないよう壁になるしかなかった。情けないですが何も言ってやることも出来なかった。
下北沢駅で彼は何人かの男に腕を掴まれながら駅員に連れて行かれました。
駅で女子高生に「触られたの?大丈夫?」と聞いたら、ここには書けない程のひどいことをされたようで私も絶句でした。
2日前のあの事件が心に静かにこびりついて離れません。痴漢の気持ちは私には全くもって理解できないので考えても重くなるだけなんですが・・・彼の家族とか、へらへらした笑顔とか、「ちげえよ」という声とか、着ていた高そうなスーツとか、女子高生の髪を触った指の結婚指輪とか、周りの男性の「慣れてるなコイツ」って声とか、耳を覆いたくなる言葉とか、どうにもこうにも。
いろんな暴力があるでしょうね、世の中には。正当化すべきではないですが、暴力にそれぞれ何らかの理由があることもわかりますが、とにかく大きな意味で暴力的なるものが蔓延してます。でも、「暴力反対」って皆わかっている。知っている。知っているのに、蔓延していています。それはもう現代の人間が認めざるを得ない事実であり、今後もそれは変わらないかもしれないという悲観的思想もなくはない。
紛争や暴動やテロのニュースをテレビで新聞で確認し憂慮しながら隣人に何らかの暴力を発する。小田急線で町田から乗車した男が登戸か乗車した女の子に暴力を振るう。私は世界のどこかで殺し合いが起こってることと小田急線の痴漢が何故か(というよりむしろ必然的に)一本の線で繋がる気がした。世界のどこかが急に身近になったのね、変な話なんですが。
基本的に人間の頭は、理解していることをさも知らなかったかのように処理することができるんでしょうね。そうやっていろいろ理由をつけて負に流れる。例えば今回のように暴力に直結しがちな欲望を持つ人間について「愚かだなあ」と思うだけじゃダメだなと、思う先まで思わないといけないって考え始めました。
私は全面的に性悪説支持ってほどでもないし思想的に常に中途半端な人間なんですが、もっと想像しないとどんどん人間は暗闇に引っ張られていく可能性があるって本気で思いました。善であってほしいけれどそう思えない瞬間が多い。何かそんなこんなで非常に腹がたった話。
・・・さ、台本書くか・・・。