菓子作り考
- 2013/02/26
子供の頃から何か作ったりしたいという衝動だけは溢れていて、
それは何も絵とか作品とかではなく、料理も好きだった。
細かな手芸やこつこつ描く漫画も大好きだったが、いかんせん飽きっぽいので続かない。
その点料理は、楽である。
準備に長くても何時間か。で、出来上がる。
そのお手軽感がいい。
必要にせまられてやる感じも好きだ。
食べてなくなってしまうところも、あっさりしていていい。
手芸は残る。みんなその為に作っているのだけど、過程が何より楽しい人間としては、出来上がったものに対して?と思う時がままある。
まあ、理想と現実ですかね。
で、最近なのだが、そのエネルギーの先が完全にお菓子作りに向いている。
まさかのお菓子。
これが楽しい。
1時間弱で、あらーこれ美味しいじゃないのってやつができあがる。
しかも行程は結構シビアなので、ストイックなふりをしたい私には最適なのだ。
ふり、と書いた。
そう、しょせん真似であり、ふりである。
結構手を抜き、それが結果として如実に現れる。
怖いよ、お菓子作り。
しかし、これが今私の一番気に入っているストレス解消法だ。すっとする。ぱあっと明るくなる。
今朝起きてすぐに「バナナと豆腐のマフィン」を焼いている。
これだけ書くとどんなに家庭的なクウネルな女なんだとツッコミを入れたくなるが、
そこにはもちろん日々の疲れや執着心や捨ててしまいたいことがたくさん練り込まれているので、
私の作るものは「怨念菓子」と言っても過言ではない。
でも、それでいいじゃないすか。
美味しいならば。
もしブランドを立ち上げるならば「on-nen」だ。
もやもやは小麦粉の中へ練り込んだ。
まあ、食べるから結局そのもやもやはまた体内に蓄積されてしまうのだが…
…今日もいい天気!(結局最後は力技なのだ)
で、できあがりました。
「豆腐とバナナのマフィンwith おから」
相当美味いです。
※※
私の大好きな末井昭さんのエッセイ「自殺」が更新されていた。
今回は「鬱と自殺」。
こんなに赤裸々に正直に書いていらっしゃるのに、ご本人が苦しんだことが「小さな嘘」であるという矛盾が胸に刺さる。
自分の人生を振り返り、考える。
末井さんの素直さに感服する。
苦しみも悦びも一度きり。
苦しみが少し長く続いても、結局は一度きり。
このエッセイには考えるきっかけをもらっている気がする。