シティボーイズミックス終了しました
- 2013/05/12
シティボーイズミックスpresents「西瓜割の棒、あなたたちの春に、桜の下ではじめる準備を」。
全ての舞台が無事に終了いたしました。
ご来場下さった皆様、応援して下さった皆様、本当に本当にありがとうございました。
※
参加すると決まった日から北九州公演が終わり羽田空港に帰って来たその瞬間まで、
長い時間ずっとずっと緊張していた気がします。
最寄り駅へと行くリムジンバスの中で一息ついたとき、
「ああ、本当に終わってしまったのだ」
と実感すると同時に、どっと身体が重くなりました。
身体がびっくりしているというか。
まあ、出演が決まった時も人生で初めて「腰を抜かして立てない」という漫画みたいな経験をしたのですが。
身体って面白いなあ。
ほっとしたのか、終わってから少し体調も崩し(もう治りましたので大丈夫です)、
本番中はよほど気が張っていたのだろうと思います。
無事に、無事に終えることが出来てよかった。
※
稽古中は毎日が驚きの連続でした。
コントの経験がない自分が百戦錬磨の皆さんについていけるのか、不安でした。
そんな私に皆さんはたくさんの言葉をくれました。
演技のアドバイスや笑いについての話、時にくだらない話まで、優しく。
憧れの、かっこいいお父さん、お兄さんたち。
一人一人に、「私はどれだけ皆さんのことが好きか」ということを聞かせたかったですが、
迷惑なのでもちろんやめましたよ。
好き故に、びびる私。
まあ、でも、同じ舞台にあがる以上びびっていても緊張していても仕方ないのだ、と何度も自分に言い聞かせ。
どんな泥だらけになっても皆についていくと覚悟を決めて、本番に臨みました。
正直、初日は震えが止まりませんでした。
それから楽日まで、
自分が舞台袖でスタンバイをしている最中の、
小道具のCDを持つ手のひらの汗が自分でも引く程で、
ああ、緊張はいつまでも私にのしかかって来るのだと感じたものです。
※
そして、
日々進化する本番の舞台。
舞台袖でじっと見ていて、皆さんのコントが変化して行くことに驚き、そしてそれを見続けることができるという幸福。
それぞれの生き様を見ることが出来ると言う幸福。
ただただ、幸せでした。
そして、舞台上で、皆さんと目を合わせて呼吸を合わせて芝居をすることができる幸福。
喜んでくださるお客様。
途中から「ああ、終わって欲しくない」と思うようになりました。
でも、舞台は必ず終わりを迎えます。
それは、知っています。
だから、終わりの日まで平常心でいられるように、
ただひたすら気持ちを整え、身体を整え、自分をゼロにして、毎日舞台に上がることにしました。
それでも揺らぐのが人のキモチ。
全てが終わってしまうという事実、その瞬間は意外とすんなり受け止められます。
役者なので、経験上多少は慣れているからです。
でも、ふと、時間が経過した時に、空洞に気がつく。
空洞の大きさに、その存在の大きさが比例します。
※
(演出の)宮沢さんの舞台に出演するのは、本当に久しぶりでした。
遊園地再生事業団「トーキョー/不在/ハムレット」以来ですから8年ぶりでしょうか。
8年。
私にとってこの8年はとても長い時間でした。
いろいろなことがあり、
いろいろな変化があり、
そしていろいろな舞台に出させていただき、
ほんの少し経験も積んだでしょうか。
しかし、
自分でも驚いたのが、
この稽古中に、遊園地再生事業団「知覚の庭」の夢を見たことです。
19歳で宮沢さんの演出を受けました。
まだ大学生でした。
3ヶ月稽古し、30回通し稽古をした初舞台。
必死だったけど、とても幸せな経験でした。
それで演劇をやめてしまってもよかったぐらいの濃密な時間でした。
でも、私はその後「やめずにこのまま舞台に関わって生きていく」ことを選び、こんな感じで今に至るわけです。
※
今回あっという間に私はあの日々に戻りました。
原点を振り返る作業。
手探りと緊張。
そして芝居とは。
宮沢さんのダメ出しは私を原点に戻してくれる。
そんな感覚を受けました。
稽古場は共演の皆さんやスタッフの皆さんとチームでものを作って行く場所ですが、
徹底的に自分と向き合う場所でもあります。
自己肯定も自己否定も迷いも、そんな自分を遠くから眺めることもできる。
そんな自分を抱えて人前に立つということはとても怖いことだと、改めて感じることがありました。
そんな時に、宮沢さんが言った言葉。
何と言って下さったのかは、まあ、内緒なんですが。
本当に大切なことはとてもシンプルなことであるということを、またこの「稽古場」という場所で再確認できた。
それがとても嬉しかったし、ありがたかったです。
私にとって宮沢さんは、人生でたった一人の師匠です。
※※※
北九州、小倉はとてもいい土地でした。
九州はほぼ初めての私。
一人で散歩する時間ができたので、商店街に入り、「北九州うどん」の「資さんうどん」を食べ、市場を歩く。
どこかのんびりした時間に、心が落ち着きました。
街を流れる川もよかった。
そして、「松本清張記念館」も行きましたよ。
まっちゃんファンとしては、念願の、ええ、念願のです。
一時期松本清張の小説(時代小説除く)読みふけっている時期がありまして、
1日1冊ペースで、がつがつこなし過ぎて、短編なんかはもうストーリーと題名がごっちゃになってしまっているぐらいです。
記念館に飾られた生原稿や書斎を見るに、ああここであの美しい言葉が文章がと胸が熱くなりました。
また時間があったら、ゆっくり行きたいなあ、小倉。
※
最後に、
ASH&Dのみなさん、舞台スタッフのみなさんに、稽古場で舞台裏で日々本当に助けて頂きました。
おかげで怪我せず大きな失敗もせず転びもせず何とか舞台を続けることができました。
感謝しかありません。
本当にありがとうございました。
そして、
大竹さん、きたろうさん、斉木さん、中村さん、いとうさん、戌井さん。
宮沢さん。
本当にありがとうございました。
そしてそして、
たくさんのお客様に、感謝します。
メールを下さった方、応援して下さった皆様、ありがとうございました。
※※
では、私ははえぎわの稽古に。
次ははえぎわですよ。