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Posts by kasagi

お別れ

  • 2008/09/26

先輩に誘っていただき、深浦加奈子さんのお別れ会に参加する。

以前も日記に書いたが、共演したことのない私が参加するのはどうかとも思ったが、お誘いもあり、お別れというか感謝のような気持ちを伝えにいこうと思い出かけた。

とてもいい会だった。ご家族ご友人の言葉、亡くなられる何年か前から一緒に舞台を作られていた山内健司さんの言葉が胸に積み重なった。そして近しい方々皆さんの無念さを強く感じた。そして山内さんが編集されたという深浦さんの出演していた舞台映像のダイジェストが上映された。第三エロチカ時代の映像から始まり、悪人会議「ふくすけ」、遊園地再生事業団「ヒネミ」等々。「ああ、ヒネミすごく面白かったなあ」と当時客席で見ていた記憶が蘇る。映像の最後にはたくさんの出演舞台のカーテンコール部分が繋がれ、笑顔の深浦さんが何度も私たちに向かってお辞儀をするのだ。会場からは自然と拍手が生まれた。それは深浦さんに向けての拍手。役者として生きた深浦さんへの賛辞だと感じた。

私と同い年ぐらいの小劇場女優にとって深浦さんは憧れの女優さんだったのではないだろうか。勝手に目標にしていた。そんな人が急にいなくなってしまい、呆然とした。信じられなかったのが正直な気持ちで今でもやっぱり信じられない。

以前居酒屋で「ファンなんです」と言ったときの緊張を今でも覚えている。確か深浦さんは笑って「えー?本当?」と聞き返したのだった。献花の際、「ファンです。本当です。ありがとうございました。私も頑張ります」と胸の中で唱えた。胸の中で、たくさんの言葉と感情が生まれた。がん闘病は本当に大変だっただろうと推測するが、最後まで役者でありつづけた深浦さんは本当に素敵でかっこよくて眩しかった。生きることと役者でありつづけることは決して乖離しないんだ。

お別れ会に参加して、深浦さんと参加されていた皆さんから大きなものを頂いた。こうやって書いた自分の文章を改めて読むと語彙のなさからか書きたいことを書けていない気がして歯痒いというか切ないが、舞台に愛され舞台を愛した深浦加奈子さんとその彼女を愛したたくさんの人々の思いがつまった会があったということを記しておきたい。

「生還」

  • 2008/09/26

宮沢章夫さんから宅急便が届きました。

□開けたら・・・


どーん!!「生還」!!

大変なご病気だとわかった時ご本人には「大丈夫ですよ」なんて言葉をかけていたが実は心の中では気が気でなかった部分もあり、しかし今こうやって無事に「生還」まんじゅうを作られるまで快復したのだとほっとしている。お元気になられて、本当によかったです。

まんじゅうはぺろりと頂きました。さすが老舗、とらやの「生還」まんじゅう。美味かった。あ、特注だと思いますよ、念のため。普通にとらやの店頭に売っているわけじゃないと思います、念のため。

それでも

  • 2008/09/24

「それでもボクはやってない」を観た。2時間20分弱の作品、あっという間でした。

先日小田急線で全く同じような状況下に出くわし、その時私が電車の中で立っていた場所はまさに映画の中の唯野未歩子さんの場所だったのでした。私は痴漢容疑の男性と被害者の女子高生の近くでただ呆然とするだけでした。彼が果たして本当に女の子のスカートの中に手を入れたのか、私にはわからなかった。でも満員の電車の中で現に女子高生は涙を流し痴漢容疑の男は「おれじゃねえ」と否認し周りの男性は「いつもやってんじゃねえのかよ」「謝れよ」「オレは見たぞ」と口にしていたのです。

今現在の裁判所は本当がどこにあるのかを見つける場所ではなく何かに折り合いをつけるための場所だと描かれているように思いました。そして映画監督のメッセージとして、その曖昧さに反抗する姿勢も感じ取れました。上にも記したように自分のすぐ横で起きた痴漢事件の感触がまだ生々しく残っている私にとって、心の揺れる映画でありました。真実はどこにあるのかを第三者が判断するということの難しさ。

重いテーマの中、本田博太郎さんの存在が可笑しかった。さすが。正名僕蔵さんもすごく素敵だった。

水戸短編映像祭の司会をしてきた

  • 2008/09/17

第12回水戸短編映像祭に行ってきました。初日13日は「シャーリーの好色人生」「シャーリーの転落人生」を見ました。「好色人生」は舞台での大先輩、小田豊さんが最高に素敵でした。憧れの中川安奈さんも出演!めくるめくシャーリー絵巻。そして映画はそのまま「転落人生」に続きます。二本立て。どでかいスクリーンに自分の顔がドアップで映り続けるのはさすがにいかがなものかと思いもしましたが、映画は非常に面白かったです。共演者である女優の瀬戸夏実ちゃんと笑いをこらえながら見ました。今度は仙台の映画祭で上映されるらしいですよ。

二日目は時間があったので一人で水戸市内を散策し、気の向くままに大洗まで行ってまいりました。水戸から大洗鹿島線(1両のみ!)で大洗駅、大洗駅からレンタサイクルを借りて大洗港でフェリーを見るといういきあたりばったりに決めたコースです。

大洗鹿島線、電車も駅もすべてがローカル色100%。かっこよかったです。しかしレンタサイクルがなあ・・・借りたはいいのだけど車輪が小さくて全然前に進まないので、おそろしく疲れました。坂を登り汗をかきながら「私、見知らぬこの街で一体何を・・・」とも思いましたが、海で食べたソフトクリームは格別。フェリーはでかいが、ももパンパン。

夕方から水戸短編映像祭に戻り、ホフディランライブを鑑賞しました。「欲望」とか「スマイル」とか、昔よく聴いた曲のオンパレードですごく楽しかった。「欲望」はまだ縦長サイズのCDシングル持ってます。大学生の頃に買ったのかな。懐かしい。ワタナベイベーさんもユウヒさんもあまり昔と変わってないなあ(顔も服装も)。

3日目、コンペティション部門。今年のノミネート作品は10本。

司会は今までで一番緊張しなかった。もう一人の司会者である柳沢茂樹氏とずいぶん楽しめた気がする。作品が上映されている間私たちは舞台裏の楽屋にずっと待機しているのですが、その間はあらかじめ見て来たノミネート作品について感想を述べ合ったり、くだらない話をしたり、「WBCの監督は実際のところ誰がいいのか」と議論しあったりと充実の時間であった。

グランプリは今泉力哉監督の「微温(ぬるま)」、準グランプリは大森研一監督の「アタシの鍵は」、加藤行宏監督の「機械人間、11号」に決定しました。三本とも力作!おめでとうございます!

コンペ終了後、ノミネート監督さんや出演者の方々、そして今回の審査員であった中村義洋監督とクロージングパーティでお話しする。若い人たちからも今映画界の第一線で大活躍されている中村さんからもたくさんのお話を聞かせていただき非常に勉強になったのだった。

家で事前に見た10本の自主映画。見ながら自分に「映画とは」と問うたり、「演技とは」と問うたり、クオリティの高さに感心したり、「高すぎやしないか」と心配したり、分析したり、自分が大学時代に経験した映画製作の苦労を思い出したり、ただただ笑ったり、腹が立ったり、この時間自体が勉強であり豊かだなあと思う。私は得をしている。

水戸、三泊。水戸のことはだいたいわかったつもりだ。嘘だけど。あ、水戸芸術館で開催されている「ジュリアン・オピー展」も見たんだった。シンプルだけど複雑に遊んでいる感じ。すごく面白かった。LED作品が中庭に展示されているが、その歩く人間の姿はいくら見ていても飽きないなあと思ったのでした。

摩訶不思議

  • 2008/09/10

先週田中智章監督とゆかいな仲間達でちょっとした乾杯。映画の話でえんえん4時間。皆映画をよく見ているなあと感心しました。「TOKYO!」のレオス・カラックス作品はどうだったのかとか、「ダーク・ナイト」へのそれぞれの思いとか、「ポニョ」はどこが素晴らしかったかな、あの某映画が最高につまらなかったなどそれぞれがぐだぐだ話し、話しているその人自身の姿をじっくり見られるのも含め、そんな時間を久しぶりに過ごしたなあという感じがして、面白かった。ちなみに「ポニョ」、私は波の上を走っているシーン(ポニョが「まことちゃん」にしか見えないシーン)が圧倒的に面白かったです。宮崎駿作品は大人になってから全て見ましたがどの映画にもいくつか存在する「理屈不要」シーンがいいなあと思う。理屈抜きであの海の上を走る構図は圧倒的でした。「魔女の宅急便」のオープニングでキキが空を飛ぶ瞬間とか、よくわかんないけど泣けるという原始的な感動に震えるという感じ。あとポニョの妹もよかった。ダイナミックでした。

思想ももちろんそれぞれあるけれど、こう、何か理屈抜きで面白いというものに出会いたいと日々思っていますが、そういう点で昨日中上健次「化粧」を読んで、「ぶわわわわー!!!」と鳥肌が立つ瞬間がありました。語彙が足りなくて全然自分にも説明がつかないこの鳥肌は、きっと瞬く星だらけの夜空やどこまでも透き通っている海や、いきなり襲ってくるスコールのような雨に対峙した時の感覚に近いのかもしれません。

※※

某アニメのアフレコ。最終的には歌まで唄う。プロの声優さん達の底力を見た!詳細は追って。

某ドラマの撮影。専門職に従事している役。衣装で用意された白い制服を着ると何故かすこし気分が上がる。ふと三坂さんのことを思い出した。撮影はとても充実した時間だった。ロケバスの中から東京を眺める。重なる首都高速に、ビルまたビルビル。皇居周りは緑緑緑。見るもの全てが偏っているがそれはそれでバランスをとりつつ。本当に摩訶不思議な街だなあ、東京は。

とあるレッスンを受けている。ゼロからのスタート。まず音符が読めない。昔は読めたのに。マイナスからのスタート。

相撲問題ですよ。露鵬、白露山の人相の悪さが気になって気になって・・・。

夢/機関銃/ご飯

  • 2008/09/04

おさななじみからプレゼントをもらった。掃除機。非常にかっこいい、それでいて高性能。感謝。これで掃除好きになるかならないかは神のみぞ知る。

その友人の本日の日記があまりにくだらなくて、笑った。元気になりました。そんな彼女が昨日見た夢は「いづみちゃんと一緒にものすごく美味しいお昼ご飯を食べる(何を食べているかは不明)」というものだったらしい。人の夢に出演できるのって嬉しいのは私だけでしょうか?ほっとするっていうか。

NHK「SONGS」で薬師丸ひろ子が「WOMAN」「メインテーマ」「あなたを・もっと・しりたくて」等歌っていました。昔より今の薬師丸ひろ子の方が何倍も可愛いし素敵だなあと思いながら名曲を堪能。幸せな時間だった。松本隆の凄さを改めて感じ入りました。女も男もウジウジしている、そこが胸を打つ。

今は、新しい家で、少しずつ自分の呼吸を整えておる時間なんだと気がつく。読書しつつ、ご飯作りつつ、自転車乗りつつ、その中で今自分の中に感じるずれを少しでも修正できれば。ゆっくりやれよゆっくりなと自分に言い聞かせつつ、やっぱり焦る時があり、もう染み付いた性格を捨てる訳にもいかず、そんなこんなでうまくつき合っていくしかないのでしょう。そうだ、今日は役者仕事の参考にとDVDを見たんだった。少しずつ。

ツケ

  • 2008/09/03

この何ヶ月かなんだかんだと忙しくしていたツケが一気に来る。すごく疲れてるんだ、きっと。気持ちを休めてもいいだろうかと誰にでもなく話しかけている。気持ちがね、自分のペースを取りもどそうとしても、追いつかない。ダメな状態。しっかりしなければいかんです。

来週末はいよいよ水戸短編映像祭!私はまたもやコンペティション部門の司会をさせていただきます。今日最終候補作のDVDが水戸から送られてまいりました。少しずつ、じっくり見させていただきます。そして映画祭初日には冨永昌敬監督の最新作「シャーリーの転落人生」が上映されますよ。先日ちょっと見させていただいたんですけどね、これは大変面白い作品になっております。私は何だかもう大変な役をやっております。是非是非北関東在住の皆様。見てください。

福田首相が辞めましたね。完全に疲れてますね、あの方。自虐的だし。それにしても次は麻生さんなんでしょうか。なんだかなあ。

ナフルの近況/家政婦状態/身の毛

  • 2008/09/01






ナフル(黒白)は、今まではだいたい苦みばしった顔でこちらを見ているだけ、声をかけるとしっぽは振るがそれ以上の反応は基本的になし、マタタビの袋とかにかま味の猫用おやつを提示したときのみ狂ったように走ってくる、って感じだったんだけど、最近ちょいとした変化が見られる。

「ナフル!」と声をかけ(この時点ではまだ苦みばしった顔でこちらをじっと見ているだけ)、私が「こっちにおいで」と手のひらをひょいひょい動かすと「ニャ」だか「ギャ」だか短い返事をして、ひょいひょい私の元に来るようになった。

「なにか美味しいものをくれる」と思って来ても私の手のひらには何もない。毎回だまされるバカ猫。しかしナフルは怒らず私の膝の上に乗って眠る。だましてすまない。長生きしてくれ、ナフル。

テーオ(トラ柄)は、相変わらず私が近づくだけで逃げます。

ドアの向こうから部屋の中にいる私を眺めていることが多いテーオ。片目のためか、こちらからは彼女の右半身しか見えない状態なんです。左目はないので当然のごとく右目で見るしかなく、よってだいたい体の左半分は隠れています。いつも「家政婦は見た!」状態。

「家政婦は見た!」で思い出したんだけど、昨日松っちゃん(松本清張先生)の「熱い空気」を読了しました。この小説はテレビドラマ「家政婦は見た!」の原作なんですね。市原悦子さんが演じている家政婦の性格があまりに悪くてびっくりした・・・。どうやらドラマになった時点でキャラクター設定が変化したらしいのですが、あの私たちのよく知るある意味「ドジだけど正義の味方」的な家政婦はどこにも存在しませんでした。まあ、小説の悪女ぶりはある意味痛快で面白かったです。ラスト5行の残酷さはさすが。本を閉じながら「身の毛のよだつとはこのこと」と感動しました。でも、考えてみるとこの小説誰も死んでない。素晴らしい。

体重計/悪夢/前

  • 2008/08/29

27日、久しぶりの晴れ間。宮沢さんのお見舞いに行く。笑うとまだ胸が痛むようだが術後は順調のようでほっとした。傷は痛々しいが、手術のおかげでこれから健康体になるのだか傷もありがたいものに見える。笑うと傷口が痛むのはわかっているはずだが、ついくだらない話で盛り上がり自ら痛みを誘発していた。まあ、私も悪いです。ゆっくりといろいろな話をする。寂しい話も。

何度かお見舞いに行っているが、ここ最近は私が帰る時「じゃあ、計ったらどうだ」と宮沢さんは必ず面会室にある体重計を指差す。私も毎回「それだけはほんともうちょっと無理なんで」と行って病院を後にする。

28日、某ドラマの撮影。朝早かったので休憩中にイスに座ったまま仮眠をとったら「突如顎がガクーンと外れる」夢を見た。しかも治ったと思ったらまたすぐ外れる、その繰り返し。さらにそこに「金縛り」の感覚がプラスされさながら超・悪夢。そして一番たちが悪いのは、あの「夢だが現実だかわからん感じ」。現実だと思って夢に対処しぐったりしてしまう、あの感じです。もう、本当に外れてると思ったからね、怖かった。疲れてるのかな。

仕事が楽しい。ずっとこの仕事をしていられるようにしたい。へこたれずにいい仕事をしたい。この数日、そのことばかりを考えている。いい舞台とは何か、いい仕事は何か。来年の活動に繋がって行くように考えを止めないように。とにかく前にと思う。

角田光代「八日目の蝉」読了。面白かったのですが「(好きな男の)子供が欲しい」という感情の書き方にちょっと違和感を感じるんだけど、どうなんだろ。皆女性は共感を持ってこの本を読み終えるのだろうか?

大好きな女優さん

  • 2008/08/27

深浦加奈子さんが亡くなられた。びっくりした。大好きな女優さんなので、いつか共演させていただきたいとずっと思っていたし、第一まだお若いではないか。何てことだろう。一度お会いした時の豪快な笑顔とおしゃべりが思い出される。

何だか寂しい。とても寂しい。大好きだったのです。心からご冥福をお祈りします。

※※

いろいろな人の力を勝手に借りて、私なりに精一杯生き切れるように頑張ろうと思った。生きている人亡くなってしまった人どちらがどうとか差はない。生きている人亡くなってしまった人の全ての信頼する人たちから力をお借りして。

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