3月20日あれから12年
- 2007/03/22
■今日は地下鉄サリン事件から12年。あの日のことは忘れない。一生忘れたくない。何故なら私はあの日地下鉄に乗るつもりだった。千代田線にのるはずだった。家で所用を済ませ、出かけようとしている時にあの報道が始まった。あの日のテレビから流れる映像は本当に怖くてまさかこれが実際に自分が住む場所で起きていることとは思えなかった。
■今日思ったのは「オウムの魅力」についてである。人がオウム真理教に入る理由についてである。それは多くの人が他の新興宗教に入る理由とちょっとだけ違っていたのではないか。修行という行為への憧れみたいなものについて考える。
■12年、いろんなことがあったなあ。
■昼間宮沢さんとお会いした時にそんな話をした。その他「アデュー」の話やどうでもいい話など、8割私が話をしていた。宮沢さんの元に会いにいった(オーディションを受けにいった)のが12年前。私は19歳だった。
■そんなこんなで考えながら組み立てた、段ボール素材の猫。すごく精巧に出来ていて綺麗だ。しかし、うちのナフ夫がすぐに噛んでしまわないかと心配で・・・。
■西原理恵子の元夫、鴨志田譲さんが亡くなったそうだ。42歳、腎臓がん。西原理恵子のマンガを読むと彼はかなりのダメ男で、でも憎めない存在で、アル中が原因で離婚した二人は、昨年また家族として復縁していたそうだ。子供が二人、42歳か。何だか私も哀しい気分になる。家族の形はいろいろある。人もいろいろだ。型にはめられない。ただ、人は成長することが出来る。変化することは出来る。私も成長出来るように頑張るしかない。気がついたことだが、私は苦しんでいる人が好きだ。苦しんでいることを隠そうとする人は好きだ。面白い。達観した人にはあまり興味がない。確立した人は面白くない。じゃあ、私は一体どうなんだ、君は一体どうなんだ、と自分に問いかけたまま眠くなる。
■総じて自分の心の狭さと自分の古さと歪みに、まだまだ先がある気がして来たぞ。面白い。
公演が無事に終わった
- 2007/03/20
■アデュー公演が無事に終わりました。ご来場下さった皆様、本当にありがとうございました!
■まず、事件だ。宮沢章夫さんが見に来てくれて日記に感想を書いてくれた。まず、見に来たことに驚いた。そして感想には結構厳しいことが書いてある。しかし私自身は実はとても嬉しかった。まさか感想を書いてくれるとは思っていなかったのだ。私にとって、宮沢さんに演出した舞台の感想を書いてもらったこと、そのこと自体がもうものすごいことである。「本当に?」と思う人もいるかもしれない。「謙遜だ」と思う人もいるかもしれない。しかし正直言って本気で書いてもらえると思っていなかったんだすよ。だからダメ出しが嬉しくて仕方ない。しかも書いてあること全てその通り。私は昔から麻雀をやっている人を見るのが大好きなので今回の舞台で麻雀をしている女の子達をチャーミングに書けたらとは思っていたが詰めが甘かった。麻雀は難しいのだ。付け焼き刃では出来ないゲームである。むしろ麻雀の出来ない女達にすればよかったのだ。というか、麻雀など大して出来ない女達が何故が集う「夢の雀荘」という想定があって、その点の書き方が全く出来ていない。稽古中にその話をした際に高山玲子が「じゃあ、雀荘にファルコン(映画「ネバーエンディングストーリー」に出てくるおばけ?)でも飛んでたらいいね!」と言ったのだが、今思えばそういうことだったのかもしれない。違うか。稽古不足は正直否めない。私の責任だ。役者さんともっともっと稽古したかった。と、そういう部分は宮沢さんのご指摘通りであり、そのことにいちいち嬉しく思った。そしてあの超高級和菓子を差し入れて下さった。・・・・ただただ、美味かったよ・・・・。泣けるよ・・・。
■舞台が終わったあとに皆で歓談している場で、舞台を見に来てくれた井苅智一さんが何気なくそのお菓子をぺろりと一口で食べてしまったのを見て宮沢さんは震える程驚いていた。
■そしてnibrollの矢内原美邦さんもブログに感想を書いてくれた。正直嬉しかった。あと「芝居をしている笠木さんが好き」と書いてくれたことなんだけど、これにもまた驚いた。私は自己評価の低い人間である。個性も技術もない自分の何がいいのかさっぱりわからない(美邦さんのブログを読むとこれまた「私はダンスが苦手」とか「自分のダンスが下手だ」とか書いてあってそれには素直に驚くのだがそれはもっとレベルの高い話である)。役者さんで自分の魅力をわかっている人がうらやましい。しかし、今回初めて演出をしてみて思ったことは「演出家は役者を愛してしまう」ということだ。演出の目を持ってみると、役者一人一人の個性が浮き出て見える。例えばですが、今回出演してくれた高山玲子の魅力と渡辺道子の魅力は全く違うが私にとってはどちらも魅力的だ。美邦さんが演出家の目で私を見てくれた時、そういう風に思ってもらえる瞬間があったのなら幸福だ。何故なら私は矢内原美邦という人が大好きでたまらないからだ。あのエネルギー、生きているスピード、表現する力、顔、ダンス、全部好きだ。普段の素顔も大好き。なので、感想書いてくれて嬉しかったです。ありがとうございました。
■boku-makuhariの岩崎くんも何だか照れるような感想を書いて下さった。その他酷評を下さった皆さん、面白かったと言って下さった皆さん、どちらも非常に嬉しかったです。拙い作品に足を運んでいただき本当に感謝しております。
■この戯曲(と呼べるかはわからんが)は、かなりぎりぎりの感じが自分でもしている。多くの人に言われたことは、「非常に笠木さんらしい」「笠木さんそのものだ」と言うことで、その感想には正直驚いた。そうでもない、そんなでもないと思っている自分がどこかにいるのだ。しかし、やはり、今回は初めてということもあり、初めに考えたのは「自分の書けないことは書かない」ということだ(それで宮沢さんの麻雀の指摘は痛かった。書けないくせに書くんじゃない!と自分に喝を入れた)。それで女の人を書こうと思った。私は女という性にあまり魅力を感じていなかった時期がある。そういう部分も含めて女性であると最近思うのだが、とにかく今回は私なりの「女の子が頑張っている話」しか書きたくなかった。それで、上記の感想をいただき、それは結局自分のことを書いているに過ぎないのだと思った。自分の中の女性を引っ張り出して来て役者に表現していただいたのだ。それは作品としてアリかナシかといわれたらまだわからないが、筆をとればすぐに暗くなるような自分の中の「ナイーブ」を軽くし、「希望」を描きたいと思う自分に気がついた。それが今現在の私の出来る表現だと考えたのだ。
■しかし私はまだまだ先が長い人生の中にいる。人生の中にいるということを書きたかった。しかしまだまだ書けない。
■もっと勉強しようと思う。
■初作品に非常に嬉しいアンケートをいただいた。「また是非見たい」とか「また書いて欲しい」とか、いちいち胴上げしたいぐらい嬉しい。勝手に直筆サインをして送りつけてやりたい(迷惑)。「もっとこうして欲しい」など厳しいアンケートを読むとあっという間に地に叩き付けられる。
■イラストを描いて下さった宮先さんがわざわざ京都から見に来てくれた。初めてお会いした。絵から受ける印象通りの人で、嬉しくなった。もし、鬼みたいな容姿の人だったらどうしようと思っていたのだがご自身の描かれるイラストの雰囲気を持ったとても優しそうな方だった。またいつか一緒にお仕事したいなあ。ありがとうございました。
■そんなわけで私は猛省をしつつ、次の舞台は何と「劇団、本谷有希子」である。先日久しぶりに本谷さんとお話しした。とにかく、かっこよかったのだ。驚いた。以前(と言っても出会ったのはもう8年ぐらい前だと思うのだけど)の印象は可愛い人。今はかっこいい大人。で、トップページにもあるが、宣伝写真がすごいことになっていた。・・・・体力をつけねば。
ねむれない
- 2007/03/16
■明日仕込みなので朝早い。だのに眠れない。緊張もあるが物理的にやることがおわらず。トラブルもありつつ、いつもの手の甲メモ帳大活躍中である。矢野さん曰く手のひらに書くと消えてしまうが甲なら消えない。「ぎんこう」「カメラ」「ハンガー」「アンケート」と書いてある。
来い
- 2007/03/12
■大変なことになって来た。本番前とはこんなにめまぐるしいものなのか!頭がおいつかないぞ、がんばれ!てなわけでもうすぐなんです。
■皆が私に聞いてくる。当たり前だけど。皆が私を見ている。当たり前だけど。皆が私のセリフ変更を待っている。当たり前だけど。皆が私の変更に耳を傾けてくれる。あなたたちの葬式は必ず出席しますという気になった。皆に支えられて・・・笠木泉です。
■今までの100倍は頑張ります。
たかやまこ
- 2007/03/10
■さあ、正念場だ。口内炎が二つ出来た。来週の今日はもう本番か。すごいなあ。
■稽古場では皆マッサージに行きたいという話で盛り上がっている。ので私がおすすめの低料金マッサージを教えてあげた(得意げに)。そしたら「もっと安いところいっぱいあるよ、それは高いよ」とたかこに言われてしまう。あ、たかこって高山玲子のことね。しゅんとする私。
■たかこから教わることがとても多い。いろんな意味で。毎日毎日。演出していて面白いし。今更だけど、この人面白い人なんだろうな。
■アデューのチケット予約はこちらまで!初日が少し埋まってきました。席数が本当に少ないから、早めにご予約下さい!
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