それでも
- 2008/09/24
■「それでもボクはやってない」を観た。2時間20分弱の作品、あっという間でした。
■先日小田急線で全く同じような状況下に出くわし、その時私が電車の中で立っていた場所はまさに映画の中の唯野未歩子さんの場所だったのでした。私は痴漢容疑の男性と被害者の女子高生の近くでただ呆然とするだけでした。彼が果たして本当に女の子のスカートの中に手を入れたのか、私にはわからなかった。でも満員の電車の中で現に女子高生は涙を流し痴漢容疑の男は「おれじゃねえ」と否認し周りの男性は「いつもやってんじゃねえのかよ」「謝れよ」「オレは見たぞ」と口にしていたのです。
■今現在の裁判所は本当がどこにあるのかを見つける場所ではなく何かに折り合いをつけるための場所だと描かれているように思いました。そして映画監督のメッセージとして、その曖昧さに反抗する姿勢も感じ取れました。上にも記したように自分のすぐ横で起きた痴漢事件の感触がまだ生々しく残っている私にとって、心の揺れる映画でありました。真実はどこにあるのかを第三者が判断するということの難しさ。
■重いテーマの中、本田博太郎さんの存在が可笑しかった。さすが。正名僕蔵さんもすごく素敵だった。