5/9 ナフル、18歳になる
- 2023/05/12
2023年5月9日、我が家の猫ナフルが18歳になりました。
ということは、保護猫ナフルと会ったのが18年前。
ちょっと待って、それって私が29歳だったということか!
やだ!
やだってこともないけどさ。
とまれこうまれ、私とナフルとの18年という時間は「事実」である。
いつの間にかの18年が蓄積していた。
そのことに安心する。
安堵する。
憶測でも、想像でもなんでもなく、ここにあるのは純然たる事実であるということに。
ここでも何度か書いているが、ナフルとはアラビア語で「川」という意味だ。
当時住んでいたのが川のほとりだったから、このような名前にした。
ナフルから遅れて数年後に、私たち夫婦は街で見かけた目玉の飛び出してる子猫を拾う。
ひとまず病院で眼球摘出をした。
そして、そのままうちで飼おうとなった。
テーオと名付けた。
映画「三匹荒野を行く」に登場する、勇敢な猫の名前が由来である。
今まで悠々自適生活していたナフルからしたら、テーオは脅威の存在だったかもしれない。
まあ、その辺はよくわからないけど(私はいつまで経っても猫の気持ちがわからない)、少なくともナフルはテーオの存在を歓迎しているようには見えなかった。
自分の領域にずかずか入ってくる無邪気なテーオとの生活にイライラしているようにも見えた。
そして、テーオがやってきてからややあってナフルは病に倒れる。
医者に「腸の壁が厚くなって命の危険もある」と診断された。
その原因がもしかしたらストレスからくるものかもしれないと思い至り、ようやく私たちは気が付く。
我々の決断はナフルに多大な負担を強いたのだと。
ナフルの気持ちなど、なにひとつ考えていなかったのかもしれないと。
やがて腸の壁は無事に薄くなり、退院。
それからここまで、ほとんど仲良くならずに両者は生活している。
毎日のように取っ組み合いの喧嘩をしては流血。
じゃれあってるのかなとも言えるが、ぶっちゃけそんな楽しそうにも見えない。
かといって、はっきり仲が悪いわけではないのですが、まあ、贔屓目に言っても、よくはない。
少なくともナフルは、ちょっとだけテーオのことが好きではなさそうなんです。
最近ナフルが夜鳴きをするようになった。
老化現象だと思う。
その声にいち早く反応し、ナフルの近くに歩み寄り寄り添うのはテーオだ。
猫の気持ちはわかりませんがねえ、テーオの行動は結構意地らしくて泣ける。
友達が泣いていたら「大丈夫?話聞くぐらいならできるよ」と助けにいくそれに見えるのだ。
しかしナフルは、テーオには特に反応せず。
中村伸郎「おれのことならほっといて」という感じ。
無視されるテーオは、取り残されぼんやりと佇み、やがてベットの下という暗闇に消えていく。
純然たる事実である生活は決して劇的でもなんでもなく、ただ暗闇に消えていくまでの時間と暗闇に座っている時間は等しく存在する。
そのことに私は感動もする。
ひとまず、ナフル、18歳おめでとう!ということで、誕生日プレゼントは好物のかにかまと「18歳かがやきサポート」という名のウエットフードにした。
2021年 今年もよろしくお願いします
- 2021/01/03
2021年が始まりました。
みんなにとっていい年になりますように。
世の中が少しでもよい方向に向かいますように。
皆のそれぞれの日々が少しでもよくなりますように。
災いに負けないで笑って生きていけますように。
まず私は冷え性を治していこう!
真剣に向き合おう。
寒くて仕方ねえ。
暖かくなったら、スヌーヌーの公演も頑張ります。
ナフルとテーオも頑張っています。
今年もどうぞよろしくお願いします。
笠木泉
みなさん!元気にしてますか!
- 2020/04/11
連日のコロナ禍。我々を包んでいるこの深い重い気持ち。先が見えない。
そんな中、精一杯頑張ってくださっている医療従事者のみなさんに心から敬意を表します。みなさんのおかげでいま世界は何とかまわっているのだと思っています。本当にありがとうございます。
わたしは出演予定だった明日のアーが延期になり、7月に予定していたスヌーヌーの公演を延期しました。舞台の話。さあ、延期だ。また劇場に向かうため、お客様と出会うため、生きていくために頑張らなくちゃ。
政治に対しては腹が立つことばかりで、震えが止まらなくなる日もありますが、とにかく生きていこう。そう、手を携えて、皆で生きていかねばなりません。
みんなで生きていきたい。差別なく格差なくみんなで乗り切りたい。
西へ4
- 2019/06/26
<前回のあらすじ>
MさんSちゃん夫婦に導かれ、京都で美味しいお茶を飲む。
ーーー
二人とは四条通り沿いのApplestoreの前で別れ、次に会う友人との待ち合わせ場所である河原町交差点のマルイ前へ。約束の時間より少し早くついたので散策することに。リュックが重いものの、東側へ歩く。鴨川まで来た。川沿いにはたくさんのカップル、川床で食事する人たち。その光景を橋の上から眺める。急にここにいることが信じられなくなった。私は今なぜ鴨川を眺めているのか、よくわからない。マルイに戻り、会ったのは友人の牛尾千聖ちゃん。今年関西に越したので会いに来たというのが今回の旅の目的の一つ。目が会った瞬間、つい笑ってしまう。
牛尾さんが鴨川にほど近いおばんさい屋さんを予約していてくれた。こじんまりした素敵なお店だ。今回お店を探すにあたっての決めては「なにがなんでも生麩のある店」だったとのことで、それではと生麩田楽を注文する。確かに生麩は美味いよね。にちゃにちゃした食感がいい。相当好みの食べ物だ。こんなに素敵な食べ物が実はただのグルテンの塊だなんてなあ。グルテンフリーの人が間違って生麩を食べて落ち込みませんように。生麩はもちろん美味しかったし、その他出てきた料理全て美味しい。ビールを飲みながら二人で食べまくる。今日のように、そう、東京でも何かといえば二人でよく飲みに行った。我々の飲み会は結果としては焼鳥8、タイ料理2という数字。よくぞそんなにいろんな焼鳥屋にチャレンジするなというぐらい私たちは焼鳥だった。軟骨(牛尾さんナンバーワン焼鳥)や砂肝(笠木ナンバーワン焼鳥)を目の前にして、くだらない話に真面目な話に忙しかった。今日も忙しい。何せ久しぶりだからどうでもいい話のストックが溜まっているのだ。まあ、そんなに久しぶりじゃないかもしれないけどやっぱり久しぶりな気がするし、ここが京都というだけで何だか少し照れるという気持ちもあってかずいぶんと酔いも進む。
久しぶりの牛尾さん。おでこが光っている。
店を出て、今日は牛尾さんのご自宅に泊めてもらうことになっていた。家の玄関を開けると、牛尾さんの愛犬・ジダンがいきなり私に突進してきた。尻尾を振りまくって、大興奮。私によじ登ろうとし、幾度も幾度もジャンプをする。その後わーっと部屋を走り回って、また私によじ登ろうとするを繰り返す。その勢いに面食らう私。犬ってこんななの?もちろん性格もあるのでしょうが、パワーがすごい。ストレートに向かってくるその愛情にノックアウト。可愛いったらありゃしないなこりゃ。その後牛尾さんの旦那さんであるヤマちゃんと3人で飲む。さらにどうでもいい話、くだらない話に花が咲く。ギャーギャー騒ぐ私たちをちょっと困った顔をしつつも優しく見守るヤマちゃんであった。
ちなみに私の家の猫(ナフルとテーオ)は来客があるとベッドの下に隠れて一切出てこなくなってしまう臆病者だ。テーオに至っては10年以上一緒にいるのにまだ私に懐いていない気配すらある。毎日私の顔を見ては走って逃げてしまう。逆にストレート。愛情なし。どうなってんのよと思うけど、そんなところが可愛い。全然言うことも聞かないがそれが面白いのだ。もう懐いてくれなくともいい。ただただ自分の時間を生きてくれればいい。
夜、私の寝る布団に入ってくるジダン。私の体にぴったりくっついて寝てしまった。人懐っこすぎる…。ショック…。
ジダン。犬は黒目が大きいなあ。
私の寝床にガンガン入ってくるジダン。この後すぐに私の横腹にくっついて寝てしまった。
朝、牛尾さんの家の庭で梅の実を収穫する。ずいぶん熟れているのもあったが、まだまだ若いのもあるし何かできそう。「あははー、カサギさんがうちで梅収穫してるの面白いなあ」と笑って見ている牛尾さんだが、私は今日帰るのだから梅仕事をするのは君だ。梅ジュースの作り方を適当に教える。その後関西でしかやっていないバラエティー番組(円広志さん司会、出演者未知やすえさん他。番組名は帰宅後調べ「よ〜いドン!」と知る)を見ながら、レポーターで出演されていた石田靖さんについての個人的見解を話す。無駄に真剣な意見を述べてしまった。
一宿一飯。昔博徒の間で旅の途中で泊めてもらったり食事を振る舞われたりして世話になると、生涯の恩義とする仁義があったらしい。一宿一飯だ。梅を収穫したことでは収まらない。勝手にやったことだし。牛尾さんにもヤマちゃんにもMさんにもSちゃんにもいつか恩返しができますように。まずは牛尾さんが東京に来た際の焼鳥屋は私がいい店探しときます。そして家をあとにする。手を振る。またね。またジダンにも会いに来よう。
そして私は京都駅へ。今日は京都でも大阪でもどこでも、ふらっとホテルに泊まってゆっくり街を散策しようと思っていたのだ。しかしいろいろあり帰ることにした。奈良の旅で大満足したし。それに今回はあまり何も決めない自由な旅をしたかったので、やっぱり帰ろうかなと決めるのもなんだか自由でいい。実は朝起きたら足の指の皮がべろんと剥がれていたのだ。旅はそろそろ終わりなのだと悟る。しかしこの靴、本当にやってくれたね。GUに心からの感謝。
河原町まで出向きチケットショップで新横浜までの新幹線乗車券を購入、正規の金額より500円程度安くなった。よし。そしてもう一度河原町近辺、京都市役所、丸太町などを歩く。足は痛いが構うものか。さよなら私の京都、というセンチメンタルな気持ちで街を目に焼き付ける。どの喫茶店にも入らず、ただただ歩いた。バスも乗らず、歩いた。考えごとをしながら、ひたすら歩いた。月曜日の京都は輝いている。路地には人っ子ひとりいない。猫もいない。その道に小さな希望を見出す。大げさだけど、泣けて来た。友達は元気だった。友達に会いに来ただけの、ただの散歩のような旅はもう終わりだ。人は、会える時に会わないと。だからよかった。来てよかった。
私の旅の最後のミステイクは、事前に食べログで調べておいた「京都駅内の辻利の抹茶ソフトクリーム」を食べ損ねたことだ。楽しみにしていたのに時間配分を間違え行けなくなってしまった。泣く泣く断念。大のソフトクリーム好きの私がこの旅で食べたのがマクドナルドのソフトツイストだけだなんて、ちょっともうなんなの私。新幹線構内のお土産屋で漬物をいくつか試食し、阿闍梨餅を買って旅は本当に終了です。
家に到着し、雨の匂いが充満したニューバランスを洗う。これはカビているかもぞしれないという不穏な重みがある。「スニーカーを捨てるよ」という私に牛尾さん、「勿体無いから捨てなくてよい。ウタマロでゴシゴシ洗えば大丈夫。それでダメならオキシクリーン」とカジエモンのようなアドバイスをくれた。オキシクリーンを買いに行かねばらならない。
梅、結構ある。次の日「梅ジュース作りに着手した」と連絡をもらった。成功を祈る。
牛尾さんの絵。可愛面白い。
5月になっていた/テアトロコント・明日のアーに出演します
- 2019/05/11
5月になっていたという驚き。
いろいろ書き残したい日々があっという間に過ぎていく。
だめだ!書き残そう自分のために。
映画は何をみたか、本は何を読んだか、ちょっとでも書いておかないと(忘れてしまう)。
というわけで「運び屋」は映画館で見た。
小説も図書館に通って少しずつ読んでいるけど、
最近面白かったのは「十年後のこと」というアンソロジー。
総勢35人老若男女の作家著名人が「十年後」というテーマで掌篇小説を書いている。
個性の丸出し!
どの作品もすごく面白かった。
演劇人だからというわけではないけど(あるのかもしれないけれども)、
岡田利規さんと戌井昭人さんの小説はめっぽう面白かったなー。
アンソロジーはたくさんの作家を一気に味わうことができていいですね。
この先長編を読んでみたい作家を探しているということもあります。
放っておくと誰を読んでいいのかわからなくなってしまい、
結果的に実績の松本清張をチョイスしてしまう自分がいるので…
その他、大江健三郎×古井由吉対談「文学の淵を渡る」を読みました。
その中に出てくる牧野信一という作家。
私は不勉強で全く知りませんでした。
二人がべた褒めしている「西瓜喰う人」という小説をぜひ読んでみたいと思っています。
他、植本一子さんの「家族最後の日」、町家良平さん「青が破れる」など。
※
ナフル、先日14歳になりました!
やっぱり少し歳をとったかなあ。
でも、まあ、老猫なりに元気。
このまま病気せずのんびり生活して欲しいです。
※
私が参加するのは「明日のアー」。
作・演出は大北栄人さん。
共演するのは高木珠里さんと中島愛子さんです。
コントに出演するのはシティボーイズ以来です。
久しぶりだなあ。
さて、台本をいただき稽古が始まりました。
あれやこれやと考えながら、でもとても楽しいです。
今回高木さんと共演できると知りまずは超絶ワクワクしていましたが、
稽古が始まってからこのワクワクは実体を持った本物であったな!と感じています。
20代前半に出会った時から、ずっと面白い高木さん。
今回ももちろん面白い。
だから、
舞台上で同じ空気を吸ってお芝居できるのが嬉しいなあと稽古帰りにひとり思う私。
ありがとう、明日のアーさん。
ただね…
一緒に舞台にいると「ジュリを思いっきり堪能する欲」が満たされないことも判明!
ジュリ欲を満たすには客じゃなくちゃいけないのか…悩ましい…
今回初めてお会いした中島愛子さんもこれまたものすごく面白い!
「アイコを正面からずっと見ていたい欲」も発令中。
私、出演しないで演出席の横に座っていようかな。
でも、実はもう一つ欲がありまして。
それは「演出の大北さんのダメ出しが面白くてずっと見ていたい欲」。
これは私が稽古場の舞台に立って演出席と向かい合っていないと正面から見ることができないわけです。
役者の特権とでもいいましょうか、これは。
そんなわけで私も出演します。
そんなわけだからじゃないけど。
私も楽しんでどんどん面白くしていきたいと思います。
お時間ある方、ぜひお越しください。
お待ちしております。
チケット予約はこちらからできますー。
備考欄に笠木さんと書いていただければよいようです。
たくさんのご来場お待ちしております。
『テアトロコント vol.36』
5月24日(金)19:30 25日(土)14:00 開演
会場:ユーロライブ
(渋谷の映画館、ユーロスペースの2階です)
出演:明日のアー、ワワフラミンゴ(両日)、GAG、ゾフィー(24日)パーパー、ザ・マミィ(25日)
明日のアー
作・演出: 大北栄人
出演: 高木珠里、笠木泉、中島愛子
3/22 お隣さんのリフォーム
- 2019/03/23
お隣さんのリフォームが始まった。
覚悟はしていたがものすごくうるさい。
対抗してスピッツをかけているが、全然太刀打ちできない。
ナフルとテーオは、明らかに挙動不審。
「鬼畜」に寄っ掛かり、眠るナフル。
3/21 イチローさんの引退
- 2019/03/23
3/21
イチローが引退。
記者会見を見た。
どの新聞もテレビ局も「イチロー節」と銘打ったが必要だろうか、その言葉。
私は彼の放ったどの言葉も素敵だな感動だなと思っていたのですが、
とりわけ感動したのは、
愛犬・一弓(イッキュウ)のこと。
以下、インタビューの言葉。
「(奥様の話をされた後に)それと一弓ですね。一弓というのはご存知ない方もいらっしゃると思いますけど、我が家の愛犬ですね。柴犬です。現在17歳と何カ月かな。7カ月かな。今年で18歳になろうかという柴犬なんですけど、さすがにおじいちゃんになってきて、毎日フラフラなんですけど、懸命に生きているんですよね。その姿を見ていたら、それは俺がんばらなきゃなと。これはジョークとかではなくて、本当にそう思いました。」
引退記者会見で一番近い場所にいる家族へ最大限の賛辞を送るイチローさんが純粋でかっこいいと思った。
真のスターだ。
そう思った。
ナフルとテーオの生きる姿に、日々励まされている。
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