結局そこか
- 2011/01/17
■去年本をあまり読まなかったので、今年は読もうと思うのだけど、買うのもなんだなということで今もっている本を再読している。恐ろしく覚えていないので問題ない。ただ松本清張は何を捲ってもすぐに内容を思い出してしまうのだった。まっちゃん、恐ろしい人・・・。
■たぶん小学生の時に買った星新一「これからの出来事」(新潮文庫)、大学生の時に買った尾崎翠「無風帯より」(ちくま文庫)、ブックオフで100円で買った山田太一「いつもの雑踏いつもの場所で」(新潮文庫)、福島で買った立川談志「談志楽屋噺」(文春文庫)、を読み終えました。どれも初めて読んだような気持ちでいっぱい!ありがとううちの本棚。ちなみに藤子不二雄A先生の「妻たおれ 夫オロオロ日記」は2ページ読んでやめました。
※※
■どうでもいい話ですが私は子どもの頃から新潮文庫が好きでした。今でも文字のフォントとか好きです。何か浮ついてない印象があって。太宰治の背表紙が「黒」で三島由紀夫が「オレンジ」とか、その辺りのセレクションもいいなあと思っている、イヤな子どもでした。
■フォントにはこだわりがあって、昔、「りぼん」は好きだけど「なかよし」は苦手で、「ジャンプ」は好きだけど「マガジン」になじめないという自分がいて子供心になんでだろうと思っていたのですが、ある時それはマンガの枠外に書かれた「お便り下さい」とかの文字の持つ雰囲気が違うからだと気がついたんです。「りぼん」「ジャンプ」(集英社)の使うフォントはクールな印象があり好きで、「なかよし」「マガジン」(講談社)の使うフォントがちょっと丸くて苦手だったということです。これに気がついた時自分で自分にびっくりしました。
■じゃあ「ちゃお」(小学館)はどうだったのか?と言われるとあまり読んだことがなかったのでわかりません。ただ「花とゆめ」(白泉社)と「プリンセス」(秋田書店)はただただ怖かったです。コミックスの背表紙のフォントがハンパなく怖かった。そしてラインナップは「パタリロ!」「紅い牙」「はみだしっ子」。暗いよ。プリンセスはやっぱ「王家の紋章」でしょう。あれ、怖いよね子どもには。表紙だけで泣きそうになってた。作者の「細川智栄子あんど芙〜みん」の「芙〜みん」部分が辛かった。どう理解していいかわかんなかった。あ「LaLa」はさわやか路線でしたよね。好感持っていました。とにかく白泉社の奥深い魅力に気がつくのは中学生あたりから、「CIPHER」がきっかけだと思います。そこから・・・。
■とあまりにマニアックな話になってしまいました。すみません。もうやめようこれ。
<追記>
すみません・・・こんなサイトを見つけました→コミックスのレーベルマークをあつめてみました
母、その他
- 2010/01/16
作/ジャン・フォン・デュッフェル
演出/上村聡
監修/宮沢章夫
2010年2月13日 15:00/19:00
ドイツ文化センターイベントホール
< 出演>
加藤直美
岸建太朗
今野裕一郎
鈴木将一朗
町田水城(はえぎわ)
三科喜代
山本大介
・・・
上村聡(遊園地再生事業団)
田中夢(遊園地再生事業団)
・・・
宮沢章夫[ト書き]
< 日時・会場・アクセス>
2010年2月13日[土]……15:00/19:00(※開場は開演の30分前)
ドイツ文化センター・イベントホール
〒107-0052 東京都港区赤坂7-5-56 ドイツ文化会館内
(地下鉄青山一丁目駅から徒歩5分・・・A4出口を出て青山通りを赤坂郵便局方面へ。高橋是清翁記念公園と草月会館のあいだの道を右折、150mほど進むとあります。)
< 料金>
前売・当日とも1,500円
< 予約方法>
メール、またはこちらの専用予約フォームのみでの受付となります。メールの場合、「お名前・ご希望の回・枚数・お電話番号」をお知らせください。料金は当日精算となります。
※※※
■1月30日に公開となる映画「ゴールデンスランバー」に出演させていただきました。原作は伊坂幸太郎さんの同名小説、「ゴールデンスランバー」。小説を読まれた方々から、なんの役ですか?と聞かれるのですが、そこはお楽しみにということであります。昨年は「パンドラの匣」、今年は「ゴールデンスランバー」と、私が幼少時を過ごした宮城県での撮影で、勝手に凱旋した気分でもありますものの、別に誰かが待っていてくれるわけではなく(今実家は福島県なもので)、心の中の小さな感動という話。
■出演者の方々があまりに豪華で、打ち上げ会場でもなるべくなるべく端にいた私。終始ほわーっとした気分でした。中でも大好きな役者さんがいて何とか話しかけてみようと思ったものの勇気が出ず嫌で地味な汗ばかりかいて、何もしていないのにただ疲れてしまう。ああ、「あの曲、大好きでした」って言いたかったな・・・・。といいつつ、くじ引き大会でちゃっかり「ディズニーランド招待券」を当ててしまいました。ちゃっかり人生。
※※※
■昨日は某ドラマの撮影で北関東へ。寒かった。かわいい男の子とコンビだったのですが、二人して鼻水流しながら頑張りました。彼に、「何歳なの?」と聞かれたので、「何歳だと思う?」と聞き返したら、「25歳か40歳のどっちか」と言われ、一体私はどういう存在なのか考えてしまいました。
■撮影中ずっと二人でいたのでほんの少しだけ母親の気持ちを味わえたような気がしています。私は一日署長みたいなもんで一日母親ですからいいとこどりですが、これ毎日だったら本当大変だよアンタ。だって殴って来たりするでしょ?フツーに。昔バイトで子守りをしたら、男子軍団にボコボコにされて凹んだ経験あるんで、トラウマにはなってますけど。まあ、私の周りの友人は最近皆お母さんになっておりますが、皆頑張ってるもんな。そんな姿を見たりいろいろあったりで、母とはなべて尊敬すべき存在であるのだと思うようになりました。自分の母も、やっぱりいろいろ大変だっただろうと思う訳です。ワルだった私を何とか育ててくれた訳だし。うそだけど。
■皆それぞれの育て方をして、日々失敗しつつもとにかく何とかやっていく。泣き言なんかいってられねえという、スポ根ヤンキー魂に準ずる母親魂というものがある気がします。西原理恵子「毎日かあさん」を読んでいても、まあきっとあの方はいろんな魂を持っていてそれぞれがかなり磨き上げられたものだと思うのですが、ああ、母親という存在は本当に大変だけどとても面白いだろうなと思います。そんな私にも少々母性があって、それは専ら猫へ注がれておりますが、猫たちは私のことを母とは思っておりませんね、たぶん。特にテーオは、「やたら触って来る面倒な人」だと思っているだろうね。なでると明らかに嫌な顔。
※※※
■「パンドラの匣」ニュース!川上未映子さんがキネマ旬報ベストテン新人女優賞を受賞されたそうです。わーすごい!おめでとうございます!芥川賞の次はキネ旬新人賞なんて、そんな人いる?
■パンドラの匣撮影中は皆でいろんな話をしたな。楽しかった。ちょっとした話の中に、主演の染谷将太くんや川上未映子さんのその美しさ(容姿だけではなく、ね)を垣間見れる瞬間が何度もあって、刺激的だった。あの2週間半の輝きは今後もなかなか経験できない、特別なものでありました。その輝きはもちろん産みの苦しみを伴ったものですが、私たちはこうやって「生かされている」のだなあと、ふと思ったのです。苦しみの先にある輝きによって生きている。まあ、そんな風に何事も腑に落として考える、理屈っぽい人間なのであります。申し訳ない。って誰に謝ってんだ。
パンドラ/シャーリー
- 2009/01/27
■映画「パンドラの匣」のアフレコが終わった。面白い作業だった。オールアフレコなんて本当に久しぶりだったのだ。
■アフレコであるからして、出来上がった映像を少し見させていただきました。自分が出演していて展開もわかっているはずなのについつい声をあげて笑ってしまった。
■アフレコ終了にて、私の仕事は終わりました。今回、人間非人間思想非思想含めた幸福な出会いのことを、今後の人生において大切にしようと心から思う。
■それにしても撮影中スタッフの皆に「トリオ」と呼ばれていた私、瀬戸夏実、原陽子の女優三人衆が介するのは久しぶりだったのだけど、会って5分で時間はあっという間に戻り、2ヶ月前の撮影中のようによくしゃべった。姦しいとはこのことだ。おしゃべりすると元気が出るなあ。私にとっては命の源だな、おしゃべりってやつは。
■なんつうか、周りの人は迷惑だろうね、そんなオンナ。
※※
■アフレコには「シャーリーの好色人生」の佐藤央監督が見学に来た。
■そうだ、「パンドラ」の前に「シャーリーの好色人生」&「シャーリーの転落人生」だ!二本立てだよ!全員集合!
■4月11日から池袋シネマロサにてレイトショーなのです。たくさんの人に見ていただくにはどうしたらいいか、アフレコ休憩中に佐藤監督&「パンドラ・トリオ」の四名で勝手に宣伝会議inこじゃれたカフェ。
■「瀬戸と笠木で手分けして、福島の大手新聞2紙に売り込み(二人とも福島県出身)」という案が出る。福島民友と福島民報のことです。まあ、福島で宣伝して果たしてどれだけの人が東京は池袋まで来てくれるか疑問でありますが・・・・。
■それにしてもカフェがこじゃれ過ぎていて、一周して何かちょっと変な感じになっていたのが気になった。水が入ったコップはモアイ像をかたどったもので、しかもゴム製。なんか、嫌だった。
■写真は何となく、我が家に来たころのナフル。毛がぽよんぽよんしてる。
浜通り/いわき
- 2008/07/24
■地震があった。もしやと思ったらやっぱり震源地は東北。しかも先日大きな地震があった岩手が震源地。
■私の実家は福島県いわき市。こういう時「福島県浜通り」と表示される部分に属する。浜通りは名のごとく福島県の海側という意味であり、非常に地震が多い。心配になる。
■過疎の進んだ街でもある。浜通りだけじゃなくて、東北全般に言えることなんだけど。お年寄りが小さな家で慎ましい生活をしている土地に大地震。天災は仕方ないとわかっていても辛い。
■全然関係ないんだけど先日たまたま見た五反田団の前田司郎さんの日記に「いわきに行く」という記述を発見してから前田さんのことが気になって仕方ない。どうやらいわきのどこかの学校でワークショップ的なことをしているらしくかなりの頻度でいわきに行っているらしい。さらに日記を読むと前田さんはどうやらいわきのことを気に入ってくれているようだ。ありがとう前田さん、って私前田さんとは一回仕事しただけなんだけど。覚えてない可能性大。まあ、覚えてなかったとしてもいい。今度もし会う機会があったら銘菓「ままどおる」をあげよう。「いきなりだけど、どうぞ」って。いわき好きの前田さんならきっと喜んでくれるはずだ。あとさらに脱線すると、前田さんのブログデザイン(そしてさらにこのテンプレートをチョイスしてる前田さん)は相当オモロい。
■ナフルは洗濯したタオルの上で寝るのが好きなようだ。
■毎日いろいろやることがあって忙しくしている。たまに過去を振り返り、「こんな日々を送っているがどうだろうか」と昔の自分に語りかけている。ちょっと気持ち悪いね、過去に話しかける女って。でも、まあ、気持ち悪いですよねえとしか言いようがない。語りかけたって何の返事もない、そんな無駄で非効率的な時間。無駄ばかりの人生かもしれない。でも、とにかく自分に恥じないように無駄なりに頑張ろうと思う。皆に感謝しながら、猫に感謝しながら、昔の自分に感謝しながら、今を生きるのである。そういえば「今を生きる」って映画あったね。つまんなかったってことしか覚えてないけど、今見たら意外によかったりして。映画ってそういうもんだよね。見る年齢によって印象が全然変わってくる。昔苦手だった「ベルリン・天使の詩」とか「ベルリン」とか、何故ベルリンばかりが?って疑問は置いておいて、見返してみようかしら。
駅弁/シャーリー
- 2008/05/05
□アデュー公演のチケットご予約はこちら!
□引き続き公演のお手伝いをして下さる方も募集中です!本番中のお手伝い、稽古場のお手伝い等ご都合に合わせてで結構です。どうぞお気軽にメール下さい。
※※
■明日なんです、いつもぎりぎりの告知。明日の夜9時からTBS系列で放映される「駅弁刑事2」というドラマにちょこっと出演しています。小林稔侍さん扮する駅弁刑事、・・・もうこれネーミングが素晴らしいですね。さあ、物語に駅弁がどう絡んでくるのか、絡んでこないのか、乞うご期待であります。
■そんなわけで冨永昌敬監督の「シャーリーテンプルジャポン part4」の撮影のため某F山を望むS岡県で一泊合宿。撮影は非常に面白く大変で、ほんと頑張らなあきまへんわ、わてほんまによう言わんわ、と、役者カサギ気持ちを引き締めました。撮影終了後は合宿ならではな感じの飲み会にずるずる発展し久しぶりに大爆笑連発。笑いましたね、よじれる程に。冨永昌敬監督をはじめ、冨永映画でおなじみの役者さんである杉山彦々氏や福津屋兼造氏、スタッフの月永雄太氏、鈴木龍一郎氏共にみーんな大学時代からの友人なもので、つい話も若かりし頃のどうでもいい武勇伝や救いようのない思い出話に終始し、それこそ「箸が転んでも」状態になってしまったわけです。あの頃話していたことも全てくだらなかったけど、今現在も全てくだらない話しかしてないと思うなあ。成長していないというわけでもないが、個々は大きく変わってはいないようです。
■あと、初めて知ったんだけど、S岡県ではけっこう皆「イルカ」を食べるんだそうで、驚いた。この話はS岡県出身の宮沢さんにもリサーチしてみたいと思う。
■撮影はまだ続きますが、私と共演者の瀬戸夏実さんは共に先に帰京。東京での撮影を迎える日まで、私はまだまだ非常に面白く大変な作業は続きます。瀬戸夏実さんには先日の顔合わせで初めてお会いしたのですが、非常に慎ましやかでかわいい人だなと印象を持ちました。一緒に撮影に入ってみたらあらビックリ、慎ましやかさと同時に迫力も持ち合わせていて、あと言うことなすことすごく面白い。仲良くなりたい人、ここに発見。同じ福島県出身ですが、私は浜通りで彼女は中通りです。福島県民以外何のことかはわからないと思いますが、浜通りと中通りには東京都北区と千葉県柏市ぐらいの隔たりがあると思って下さい。あ、例えが中途半端でわかりずらいっすね、逆に。
■ロケ地は本当にいいところだった。空気もいい匂い、緑は青青としていたなあ。ハードスケジュールな日々の中小さな旅行気分も味わえたし、何だか何かに誰かに全体に感謝したい気分。朝、一人でゆっくり散歩も出来た。贅沢な時間だった。また明日から稽古と台本と、そしてもう1つの稽古が始まるのです。F士山に向かって「今月どうぞ頑張りますので、何とか倒れないようにお願いします」と頭を下げた。体は倒れても心は倒れまへんでわて。体も出来る限り倒れまへんで、わて。
ヘイト船長とラヴ航海士
- 2008/04/05
■今日は働いた後、渋谷で鈴木慶一LIVE!わーいくぞー!ってことで高山玲子さんと。
■大人でかっこよくてセクシーで勇ましい、本当に楽しいライブだった。慶一さんの発するエネルギーに圧倒。そしてプロデューサーでもある曽我部恵一さんが歌った、慶一さんの1976年(ちなみに私が出生した年でもあります)に誕生した名曲「スカンピン」は体が震えました。実は鈴木慶一×曽我部恵一、この組み合わせは私にとってあまりに特別であります。慶一さんとは遊園地再生事業団での共演がきっかけで仲良くしていただき、それから私は「ムーンライダーズ」のあまりのかっこよさに胸をかき乱されることとなったのでした。そして曽我部恵一さんは何といっても「サニーデイサービス」です。確かに私の青春のある瞬間を彩ってくれた音楽でした。私が断然惚れたのは曽我部さんの甘い声と言葉。とにかく心地よかった。アルバムを毎日毎日何度も繰り返し聴いたものです。
■高山さんは今現在映画を撮影中らしく私はわたしで頭の中台本のことでいっぱいいっぱいだったのですが、いい感じに影響を受けて大満足し、帰りに幸楽苑(本社:福島県 旧名:「ラーメン会津っぽ」)の280円ラーメンを食べて帰って参りました。280円なのにそんじょそこらのラーメンよりうまいよ。
■言葉と音楽と人生の融合。枯れた照明、命を感じる歌詞。服、顔、笑顔。声、叫び声。総じて鈴木慶一さんは、本当にかっこいいと思う。あんな大人になれたらいいのになあ、とライブを見ながら一瞬そんなことを考えた。
女子高生/「アクワリウム」スタート
- 2008/02/25
■23日昼、東京国際演劇祭リージョナルシアター「着座するコブ」を観劇する。コブ、とカタカナで表記するとまるでコブサラダのようだとかなり本気でそう思ったが当然この舞台はコブサラダの話ではなかった。
遊園地再生事業団の田中夢ちゃんが出演していた。夢は高校生役。女子高生の制服のスカートは短いのだ。それが現在を示している気がした。何より現在の証というか。決して過去の話ではないのだな、と彼女の揺れるスカートのひだを見ながら考えていました。ちなみに私が高校生だった頃、もう15年以上も前の話ですが、街ゆく女子高生のスカートはそんなに短くなかったのです。私自身はといえば、制服のない都立高校に通っていたため、私服の生活だった。今思えば女子高生時代に女子高生ではなかった気がする。
終演後同じ回を観た小田豊さんと鈴木将一朗とコーヒーを飲む。大先輩・小田さんの話はとても興味深く面白かった。自分がこの先舞台に関わって行く上での様々な意思を次の段階に持って行くきっかけのひとつになったと思う。
■夜、参加する東京国際芸術祭リーディング部門の顔合わせ。今回は私が出演させていただく熊本の「劇団0相」と、札幌の劇団「WATER33-39」のメンバーが池袋の東京芸術劇場リハーサル室に一斉に集まった。わー、圧倒。今回一緒に出演することになった加賀田浩二さんは現在は東京に在住だが福岡の劇団「飛ぶ劇場」に所属しているので純粋な東京組はワタシのみ。わー、東京背負えねえ、と緊張する。しかし私のブログを読んで下さった0相主宰の河野みちゆきさんが「かさぎさんは東京出身じゃないんですよね?」と。ああ、そうだねその通りねいいこと言うね!昨日まで福島県にいましたっけ私。誰に頼まれたわけでもなく勝手に東京背負った時間は一瞬で済みました。ともあれ普段は物理的に遠くてなかなか出会えない人たちと出会えたことがとても嬉しい。稽古が楽しみ。
顔合わせの後、東京芸術劇場にほど近いお店で懇親会。出演者の柳原綾那ちゃんは大学一年生。アボカドを生まれて初めて食べて一言、「気持ち悪い・・」と言ったのが面白かった。後ろに映っているのは飛ぶ劇場の加賀田さん。
★「アクワリウム」は3月1日2日の2公演のみです。チケットのご予約ははカサギに直接メールしていただいても結構です。折り返しご返信いたします。→aplacetodie@hotmail.comまでお待ちしています。是非みなさん観に来て下さい。
ナフル、生死をさまよう(長文)
- 2007/11/12
11月7日
ナフルの様子がおかしい。急に嘔吐、下痢。急いで動物病院に連れて行く。先生に「何か誤飲していませんか?」「ごはんを変えましたか?」等々聞かれる。誤飲していてもたぶん気がつかない。思い当たるものもない。ごはんは変えていない。「あの・・・最近新しい猫が家に来まして・・・その猫の体をよくなめていました」とおそるおそる言ってみた。私の中で「もしかして」という思いがあった。
先生は「新しい猫が野良猫ということで、たくさんのウィルスや菌を持っているかもしれません。さらにストレスという可能性も考えられます」という。
そうだよね、と思った。診察台の上でナフルはぐったりしていた。私の責任で病気にしてしまったかもしれない。とにかく脱水症状を起こしているとのことなので皮下注射をして様子を見ることに。原因がわからないため急に容態が変化したらすぐに連れてくるようにと言われて、事の重大さに驚く。
帰り道、ナフルが入ったゲージを持って世田谷通りを歩いたのだけど、涙が出た。歩きながら友人に電話。明日我が家に来てくれるはずだったのだけど、ナフルの件を話しキャンセルする。いろいろ励ましてもらう。
11月8日
今日病院は休診日なので家でナフルの様子を観察する。朝、起きてすぐに吐いた。下痢もしている。ナフルはそれから押し入れに入ってしまった。猫は自分の体調が悪いと身を隠すという。そんな雰囲気だった。たまに押し入れから出てはくるが、ぐったりしているように見え、焦る。ネットで猫の病気について調べると「猫パルボウィルス」の症状と似ている気がして、気持ちが凹む。どの記事にも、「猫パルボウィルスに感染し発症するとあっという間に命の危険にさらされる」というような内容が書いてある。
ネット上で知り合った動物看護士の方と情報のやり取りをする。正確な知識に励まされる。
夜、ナフルはずっと眠っている。やはり具合が悪いのだろう。
テーオが来てから2週間、ナフルは初日こそ「シャー」という声を出して威嚇したが、2日目以降は比較的穏やかな様子だった。テーオと接触した時にも甲斐甲斐しく体をなめてあげたりしていたのだ。微笑ましいなあと思っていたのだが、それが甘かったのか。そのなめている体毛に何らかの菌があってそれがテーオからナフルに感染したのではないかと考える。私の考えなしな行動が、ナフルを追い込んでしまったと落ち込んだ。
夜中まで眠れず、ずっと猫の看病とネットで猫の病気の知識を学ぶ。何て便利なんだ、インターネットってやつは、と思うけど、死に至るということばかりが書いてあって落ち込むこと落ち込むこと。
朝一度しか吐いていないのでその点はほっとしたが、下痢は依然として。便を病院に持って行くため摂取する。
11月9日
朝一番、ナフルを病院に連れて行く。
先生に「嘔吐は止まったが、下痢は治っていない」などと昨日の様子を説明。先生はナフルの体を触りながら、首を傾げている。私は「あの・・・猫パルボウィルスではないでしょうか」とおそるおそる聞いた。聞くのが怖かったがとにかく今は原因を確かめ治療しなければという思いがあった。先生は猫パルボは子猫か老猫が感染する可能性が高いが、ナフルは成猫だし三種ワクチンをしているから大丈夫なのではないかと。安心。とりあえず血液検査レントゲン等。熱は下がっていない。結果を待つ。
血液検査の結果では特に具合が悪いところは見当たらないがレントゲンでは腸の壁が厚くなっていることがわかった。厚いから何なのかと言われたら私には結局よくわからなかったのだけど、先生の説明を要約すると、急性腸炎の可能性があり、このままだと極度の脱水症状になり命の危険な状態になるので今日一日点滴させてはどうか」ということで、私はそれでナフルがよくなるならと賛成。
家に帰り、テーオにごはんをあげる。テーオはものすごい食欲だ。目の傷の方もずいぶんよくなってきたように思う。これでナフルが元気になってくれたらと祈る。
夜、ナフルを迎えに行く。しかし先生は「嘔吐と下痢はおさまっているがまだ脱水状態。その上ごはんを口にしないので『脂肪肝』になっている」と言い入院を提案してきた。脂肪肝というのはこういうことだ。猫はごはんを何日も食べないと肝臓に脂肪がたまってきてしまい、さらにその症状が進むと肝機能傷害、肝硬変を起こすため、とにかくごはんは少しずつでも食べさせた方がいいらしい。ナフルは食欲がないのだろう(当たり前だけど)。2日間ほとんどごはんを食べていなかった。これ以上病気にさせるわけにはいかない。24時間点滴が出来るのでそれで症状がよくなればと思い入院を決断。
11月10日
朝病院に電話してナフルの様子を聞く。熱が下がっていないが少し元気になっているようだと仰っていた。熱心な女医さんで、どうやら夜中もナフルの様子を見て下さっている様。ありがたかった。午後、福島へ。上野からスーパーひたち号にのっていわき駅へ。電車の中で一時間ほど眠ったが、眠りの中で右肺が痛いと思っている自分がいる。目が覚めると別に痛くも痒くもなかった。叔父さんのお通夜。福島は想像以上に寒かった。お葬式に行くと毎回親戚の果てしない数に圧倒される。顔は知っているがもう誰が誰だがわからない。叔父さんの遺影は少し若く思え、後から聞いたら10年以上も前の写真だった。旅行先でゆかたを着て写っていた写真だが、合成でスーツを着せ、それを遺影にしたのこと。不自然さは全く感じられない。すごいなあ。久しぶりにあったいとこと話をする。いとこの娘さんは吹奏楽部でサックスを吹いていて全国大会まで行ったりしているらしい。私も小学校の時に吹奏楽部でサックスを吹いていたので、なんだか嬉しい。
ナフルのことを考える。早く治ってほしいし、原因も知りたい。しかし猫はしゃべってくれない。本当のところなんてきっと最後までわからないのかもしれない。疲れていたのか、実家の布団が自分に合っているのか横になってすぐに寝てしまった。
11月11日
告別式。神道の葬式なので「神葬祭」というらしい。私の実家では神道の葬式が多い気がする(ちなみに我が家は曹洞宗だが、私自身は無宗教)。祭りってところがいいなあと思う。
葬式というものはそういうものだとわかっているが、やはり今回も若手(わたしのこと)には様々な仕事があり、あちらこちら働きあちらこちらと話しをする。これぞ田舎の親戚付き合いだと感じる。どの家でもそうだとは思うが、田舎の親戚には「オモシロ」な人が何人もいるのだが、今回も期待を裏切らない活躍をしてくれたのは個人的に嬉しかった。あと、みんな訛りすぎ。いいけどね、面白いから。お墓に行き、納骨。亡くなった叔父さんのことを考える。元気だった最愛の叔母さんが突然亡くなってから5年。つらく寂しい日々だったろう。
帰京の途につく。ナフルが今日退院できるか心配だった。全て近い人にお願いして福島に来てしまったため頭の中はああでもないこうでもないとしっちゃかめっちゃかだが、今は病院の先生を信頼してお任せするしかない。
家に帰るとナフルは退院していた。昨日よりもずいぶん元気に見える。私の顔を見ると床に寝転んで「歓迎」の意を表してくれた(歓迎かどうかはしらないけど)。
先生の話によると、「とにかくごはんを食べさせて肝臓の機能をあげること、薬をきちんと飲ませること」だそうだ。入院中先生も尽力してくださったようで、あれやこれやと検査をしてくれたようだが、これといってはっきりとした原因が見つからなかったとのこと。テーオの菌が移ったというのも考えにくいそうだ(この意見には正直ほっとした)。しかし原因不明だからこそこれから注意深く見て行かなければならないだろう。とにかく生死をさまようという状態からは脱する事ができたのだ!よかった!
もしかしたらこういうことなのではないかと考える。
ナフルはテーオをかわいがろうとしていた。一生懸命テーオをなめ、心配もしていたのだ。しかしはずみでテーオの傷口を噛んでしまったことでまず第一のショックをうける。傷口からは血が溢れてきた。私は騒ぐだけ騒いで、深夜の救急病院に出かけてしまった。ナフルは一人暗い家で待たねばならなかった。その騒ぎに第2のショックを受けたと考えられないだろうか。孤独な時間の中、ナフルは自分を責めたのではなかろうか。
猫はストレスに弱い動物で、ナフルはそういう猫だろう。ナイーブで、優しい猫なのだ。
だから飼い主である私の責任なんだと思った。ナフルもテーオも引きうけ共に暮らして行くと決めたのだ。ナフルの住みやすいように、テーオの目が治るように、最大限努力しなければ、そして成功させなければ。ナフルは私の辛かった時期を、人生を支えてくれた猫だ。こんなに早く死なせるわけにはいかない。がんばるよ、私は。徹底的にがんばると腹をくくる。何度くくっても足りないものだ、腹ってやつは。
今回、友人をはじめネットでのおつきあいをしてくださった方、メールを下さった方にアドバイスをもらったり励ましてもらって何とか乗り切る事ができた。ありがとうございました。本当感謝しています。
帰宅/観劇
- 2007/08/14
■福島に帰った。東京よりはほんの少し涼しかった気もするが気のせいかもしれない。
■偶然ペルセウス流星群の日にあたった。星の綺麗な空だったので、道路に寝転んで流れ星を眺めた。20個は見たな。車にひかれる前に切り上げたが、本当はずっとアスファルトの上に寝転んでいたかった。だって星を見るために道路に寝転ろぶなんて発想、贅沢で幸福の極みじゃないか、なんて、ただのド田舎なんで車が通らないだけなんです。
■次の日お墓参りをして、実家の近くの海水浴場をちらっとひやかして東京に。私はこの土地で育ったわけではないのですが、孫全員に厳しかったけど何故か私にだけは甘かった祖父や派手好きで明るいだった祖母と共に過ごした面白かった時間のことを思い出すし、私は小さい頃から今現在まで引っ越しを繰り返していて一切故郷がないのだから、やっぱりここが私の実家なんだな、実家ってことにしようと初めて思った。
※※
■さかのぼって、はえぎわ「バター」を見る。下北沢スズナリ。先日劇団、本谷有希子で共演したノゾエ征爾くんが作演出しているのです。久しぶりにはえぎわを鑑賞したのですが、以前よりずっと面白かった!ノゾエくんが書きたいことが伝わってくる。結局そこがとても重要なんじゃないかと思うし、伝わってこないものに関して私はどう感想を持っていいのかわからない。そういう意味においてすごく面白い舞台でした。仕掛けとか、役者さんとか、笑えてくだらなくて魅力的だったなあ。私の大好きなカオティック・コスモスさんも相変わらず不思議な声で、めずらしい役者さんだよなあ。そしてノゾエくんがメガネをかけて顎を突き出しながら喋るその姿は「働くおっさん劇場」の野見さんにしか見えない。本当に、野見さんにしかみえなかった(客席で見ていた猫のホテルのいけだしんさんや佐藤真弓さんも同じことを言っていた、自信を持って言える、似ていた。本人は全く意識していなかったそうで、他のお客さんに指摘されて初めて気がついたそうだ)。瞬間、野見さんが降りてくる。それはある意味神様が降りて来た舞台なんだね。
■ちょっとだけ飲み会に参加して、本谷さんの舞台で演出部にいた戸田美江ちゃんとか制作の湯川麦子ちゃんや、ミス・ビール、吉本菜穂子ちゃんと久しぶりに話が出来て嬉しかった。思ったのは、本谷さんの舞台に関わるスタッフさんは皆性格がよくて明るくて話していてとても楽しい。本谷レギュラー女優・吉本菜穂子も危険な程の大酒飲みではありますがとても素敵でかわいい女の子だなあ。
■次の日、ベターポーヅ最終公演「4人の美容師見習い」を観に、下北沢OFFOFFシアターに行く。最終公演だなんて言わないで欲しいなあと思いながら、10年前に初めて見たのは渋谷ジアンジアンだったかなとかその時の衝撃とか、スズナリで見たエロティックなダンスとか、早稲田大学の学生会館で見たファッションショーのように歩く綺麗な女優達とか、猿飛佐助さんの不思議な佇まいとか、渡辺道子ちゃんを舞台で見るといつも笑ってしまう自分とか、松浦和香子ちゃんが夢みたいに可愛い笑顔を見せる時とか、加藤直美ちゃんの髪型が鋭くて他の女優さんとは違いナイフみたいに尖っているぜとほくそ笑んだこととか、いろんなことを思い出しながらの観劇だった。私、ずいぶん見たなあ、ベターポーヅ。好きなんだな。オールツーステップスクールには加藤直美ちゃんに客演していただいたし、アデューには渡辺道子ちゃんに客演していただいた。松浦和香子ちゃんとは映画や本谷さんの舞台で共演できた。ベタポの舞台と役者さんはいつも私の憧れだった。私の心にないユーモアとメルヘンとくだらなさがいつも舞台にあって、楽しかったなあ。また見たくなるな、必ず。で、今回は直美ちゃんが出演していなくて残念ではあったけど、ラスト公演を堪能しました。しつこいほどに、ベターポーヅは異色なんだと再認識しました。素晴らしい!
※※
長嶋有「ジャージの二人」読了。感想はまた明日にしようと思う。
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