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西へ

  • 2019/06/19

失意のどん底、これが噂のエスパドリーユ。

こんな写真しか撮れない自分にどん底。

 

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ちょっとした区切りがついたこともあり、思い立って関西に行ってみる。何も決めずに、友人に会いに行くだけの旅である。

まずは幼なじみの住む大阪へ。

ぷらっとこだまに乗る。隣に座る男性2人組はどうやらこれから大阪で共通の友人の結婚式に出るらしい。私が新横浜で乗車した時にはすでに酔っ払っていた。東京から飲んでいたのだろう。楽しそうに話をしている。「◯◯、離婚したらしいよ」「マジでえー??」「++ちゃん、外国いるらしいよ」「マジでえー??ってかさ、△△、今日来れないらしいよ」「マジかよ!」と、会話にマジ率が非常に高い。昔誰かが「相づちは否定より肯定の方がいい」と言っていたことを思い出した。マジ?はどっちだろう。否定でも肯定でもないが、「ウソでしょ?」よりいいかなあ。確かに否定より肯定がいい。私も何かにつけて、そうでありたい。うるさい2人組だったが、静岡あたりでぱたっと寝てしまった。一瞬でも「この人誰かに似ている」と考えるのは私のクセのようなもので、この二人は「クマムシ」という二人組っぽい。「クマムシ」さんのことは何も知らないが、イメージで。

旅のお供に横光利一の「春は馬車に乗って」を持ってきたが、何となく読む気が起こらない。

こだまには車内販売がないと知らなかった。別に車内販売で何かを購入して食べようとは思っていなかったのだが、ないと言われると少し寂しい。あったら何を食べていただろう。スジャータのアイスクリームだろうか。まあ、それしかないな。ないから食べられないと思うと、頭の中はスジャータのことばかり。スジャータスジャータとあの唄が頭を占拠する。くだらない時間に耐える。

新大阪に着いたのはもう午後で、私はとんでもなく腹が空いていたので構内のマクドナルドでソフトツイストを食べる。落ち着く…自分らしさ…納得の腹ごしらえをして、友人との待ち合わせ場所、なんばに向かう。御堂筋線。

なんばで降りる。無事に友人と落ち合い、なんとなく散歩する。なんばグランド花月だ。幼なじみのSちゃんがまだ大阪に住む前、もっと言えば彼女が高校を卒業後家族全員でエジプトに移住する前、確かもう一人の幼なじみのAちゃんと3人でここに来た。青春18きっぷで東京から1日かけて大阪に卒業旅行に来たのだ。その時、ここに来た。いや、その時は来ていない。記憶が混濁している。Sちゃんが大阪に移住してすぐに私一人で遊びに行った時にこの場所に来たのか…二人とも記憶が曖昧だ。ただはっきりと覚えているのは、その時の出演者。「雨上がり決死隊」「まるむし商店」「ちゃらんぽらん」、名前覚えてないけどマジシャン(うしろでアシスタントの女性がずっと踊っていたのでよく覚えている)、そして「中田カウス・ボタン」。今日の出演者と書かれた札を見ると、「まるむし商店」と「中田カウス」と。…同じか!めまい、いい意味で。ボタンさんは体調を崩しているのだっけ。元気になってほしいな。

その後千日前を通り歩いて天王寺へ。途中スコールに見舞われる。スニーカーががっつり濡れてしまって風邪を引きそうに。慌てて天王寺のGUで靴を購入。エスパドリーユっていうのかな、平べったい靴。1,300円の安い靴だ。すぐにダメになるだろう。どうせ買うならちゃんとした靴を買ったほうがいいに決まっているのだが精神的にダメージを受けていて、まるでいい靴を買う余裕がない。ぐったりしていた。突発的なことに対処できる余裕がないのだなと思い知る。

Sちゃんの旦那さんと3人で、居酒屋へ。2人がよく通っているお店だという。Sちゃんはとても几帳面というか、そうだなあ、どんな言葉で形容したらいいか難しいところなのだけど、確実に真面目な人で、食べたものをきちんと写真に撮って毎日「猫庭」というブログにアップしている。毎日欠かさずだ。本当にすごいと思う。私は目の前に出された料理は何でもすぐに食べてしまう。食べ終えた皿を見て「ああ、また食べちゃったよ、だめだなあ」と自分を責めるだけだ。責めなくてもいいかどうかはまた別の話だが、そういうところがある。

彼女は小学生の頃から欠かさず日記を書いている。いいなあかっこいいなあと、彼女の真似をして何度も書こうとしたけれど私は全然続かない。まるで正反対。そして私はこの毎日続く「猫庭」の大ファンなのです。

そのブログによく登場するお店だったので、私もなんだか初めてきた感じがしない。どれもこれも美味しくて、ビールが進む。旦那さんと二人で瓶ビールをグイグイ飲む。旦那さんは確かアルコール度数の高い酒が好きだったよなと思って聞いてみると、強い酒を飲んで酩酊してはコトなので自粛、ということだった。私も同じです。最近ワインを飲んで生まれて初めて記憶をすっぽり失ったので、ワインは人生の禁止項目に入れました。同席していた家族によると調子よくベラベラ喋っていたらしいが、ワイン後のことは全くもって覚えていないのだ。そんな自分が怖くて仕方ない。

まあ、そもそも私は酒など強くない。ただビールが好きなのは、好きなようだ。自信をもって、ビール党と言える。何が好きって、それはわからない。何故なのだろう、変な味なのに。

居酒屋ではSちゃんオススメの鮎の塩焼きや、旦那さんオススメの鱧を食べる。鱧は多分人生初ではなかろうか。全てが美味しい。カウンターだけの小さなお店。板前さんは一人、コツコツ料理を作っている。静かで優しい雰囲気を纏った店で、繁盛している。清潔感があり、近所に住む方達に愛されているとわかる。靴が濡れて取り乱して自分にがっかりしたことなんてもうどうだってよくなった。Sちゃん夫婦とこのお店のおかげだ。

「私は魚が好きだな」とわざわざ口に出して言うと、Sちゃんは困った顔で「私も〜」と言った。「川魚好きなんだよね〜」だそうだ。

本日は二人の家に泊めてもらう。大阪に来たらいつも泊めてもらっているのだが、今回は二人が引っ越しをして初めての訪問。以前住んでいたおうちもよかったけれど、今のおうちは空間が広くて居心地がいいなあ。ものが少ないなあ。私も家の片付けしなくちゃなあとか考えながら、自分で買ってきた手土産の豆菓子を食べる。図々しい。

明日3人で奈良に行ってみることに。私は高校の修学旅行以来で正直ほとんど覚えていない奈良。奈良に申し訳ないぐらい何も覚えていないのだ。

今回時間があったら行ってみたいなと思っていたのでとても嬉しい。

 

つづく

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