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家出
- 12月 10, 2007
■微熱か、それ以外の不具合により体の調子がずれた。おとといあたりから背中が痛いのも面倒くさい。風邪引きたくないなあ。もう引いてるのだろうか。
■母から米とりんごが送られて来た。米は実家からいつも送ってくれるため買った事がない。助かっている。りんごは昔私たちが仙台市に住んでいたときの隣人Sさんが現在青森在住で、毎年段ボールで送ってくれるもの。割ってみたら、
こーんなに蜜が入っているりんごは久しぶりだった。ありがとう、今も母の大切な友人であり、私が幼稚園の時姉の机の中にしまってあった彼女の宝物であるただのセロファンを盗んで切り刻んだ為こっぴどく叱られそのショックから家出したときにかくまってくれたSさん。
■アデュー次回公演の企画書を書いた。制作面等、まだまだ考えなくちゃいけないことだらけだが、少しずつやっていく。まずは勉強、そして書きたい事や諸問題について解決の糸口をみつける。実際問題も心的にも不安要素だらけだが、それは仕方のない事だ。何をやったって不安要素だらけなんだから、生きるってことは。もうそんな不安なんて当然だという前提として認識している。まあ、その辺はいいや。せっかくだから出演者やスタッフとともにどんと苦しみたい。いい意味で。それにしても、書きたいことの取材をしているうちに何年か前に起きた非常に哀しいニュースを知ってしまう、と同時にきっと激しい報道があったはずなのに何故こんなに厳しい事実を今まで知らなかったのだろう(もしくは忘れてしまったのだろう)と、ショック。またもや自分を信用できないなあ。何でもわすれっちまうのかよ、わたしは。毎日ニュース観て、なんだかんだと感想を言ったりもっともらしい感情を持っているくせに。忘れてしまう。仕方のないことだと思いつつ、何だかね。
■自分を信用してはならないよと、ともう一人の私は言っています。でもそんなことを言う自分を信用したいだけなのかもしれませんな。面倒くさい。
...失踪者
- 12月 07, 2007
■友人のいせゆみこが出演する舞台「失踪者」を見に三軒茶屋のシアタートラムに行く。ちなみにこの舞台は以前「アメリカ」という名前で上演されたが今回改題されて再々演。三回とも観た。
■やっぱいせゆみこはダンスや動きが美しくて華がある。あと顔がオモシロ可愛い。愛嬌というか本人の本来持っている明るさが見えるシーンがいいなあ。遊園地再生事業団で共演したチェリーブロッサム柴田雄平くんも主人公「カール」役で出演していて、とても素敵でした。そして相変わらずでかかった。
■観劇帰りにいせと入ったタイ料理店「コンタイ」は、かなり旨かった。いせは「前より化粧が早くなったよー」と言っていた。遊園地の公演で私たちは楽屋の鏡が隣り合わせだったのだが、いせのメイクはとにかく時間がかかる。私15分、いせ1時間。それが今では「10分」だそうだ。超短縮!一体何が?
※※
■ちょっと不愉快なことがありまして、私は不愉快なことがあると髪の毛を切りたくなる性分なんデス。ぐああああ、髪、切りてえー!!!って自分で切るといつも失敗するのでぐっと我慢の子(死語)。
わたしの新宿
- 12月 06, 2007
■いやー最近寒いですねー。ところで、昔ビデオ屋でバイトしていた時の友達と飲んだ。「カサギさんと飲むなんて100年ぶりですね」と言われた。
■自分の青春が今はつぶれた新宿の小さなビデオ屋にぎゅうぎゅうにつまっていたことを思い出した。あの頃よくバイト仲間と新宿東口靖国通りの和民で朝まで飲んだ。私の人生で唯一の不良時代である。ってたいした不良じゃない。タバコ吸って朝まで飲んでバイトに行っては奥の事務所でパソコンゲームに興じアムウェイに入会した他のバイトくんを無視し芝居の話をしたり映画の話をしたり悩んたりしていた時期。バイト仲間と非常に仲がよかったのだと思う。いつも何人かで遊んでいた。大学生、だったのかな?20歳から24歳ぐらいまで断続的に働いていた。
■紀伊国屋書店の地下にあるたいして美味しくない定食屋Kにやたらと行った(まだある店なので匿名)。歌舞伎町の来々軒というラーメン屋にもずいぶん行ったがその店はもうない。その他「新華月」、「こぶた注意報」(とんでもない店名ですね)、TOPSビルの横にあるケンタッキーの地下にそば屋があって、そこにもずいぶん行ったなあ。名前忘れちゃったけど。あの頃靖国通りに全てがあった。言い過ぎです。思い出の一ページとしては何だかあまりカッコいい場所じゃないが、いつも靖国通りにいたので仕方ない。しかも自分には何だかお似合いな気がする、新宿靖国通りって。
■その場所場所でくだらない話しかしていなかったというとても大切なことを私はかなり忘れていた。まあそれは話しているうちに簡単に思い出せたけど、あの頃何をくだらないと思っていたかというその雰囲気というか空気がなかなか蘇ってこない。目の前の友人も私ももう大人になっちゃったんだなあ。まあ当然だし、それでいいのです。どんどん歳をとれば様々なことがどんどん面白くなるはずだから。彼は店に入って来た時は確か大学1年生だったが、もうすぐ30歳になるんですと言った。私はもうすぐ32です。友達はいい40歳になりたいものです、みたいなことを言った。40歳になってもまたこうやって新宿で飲もうと思う。
■ルキノ・ヴィスコンティ「若者のすべて」を観る。一カ所唐突なズームが面白かった。長い映画なので人間のクズ役にもたくさんの同情を感じる余裕を持てた。シモーネという名の男が最高にダメで、哀しかったなあ。これからダメな人のことを「シモーネ」って呼ぼう。こうやって人はダメになるけどそのダメなシモーネ自身を否定しないところがいいと思う。ダメさを憎んで人を憎まず。そしてシモーネの弟ロッコの品行方正で真っすぐな生き方が余計にシモーネを孤独にしていく様が面白い。女にまつわる不幸を執拗に追うカメラに映画監督の非情さを感じつつ、共感を決してすることはないであろう男の悲しみを感じ、また一瞬触れた気がした。ロッコを愛しシモーネをダメにした女ナディアは、腹が立つ程哀しい。むかつくな、不幸な女は!ニーノ・ロータの音楽、静かでとてもよかった。まるで彼らの人生に寄り添うように流れていた。
...「コンナオトナノオンナノコ」とドンづまり
- 12月 04, 2007
■映画「コンナオトナノオンナノコ」を観た。たまたまなのだが、冨永昌敬監督とチェルフィッチュの岡田利規さんのトークショーの日だった。映画のトークショーと言えば上映後にあのシーンの撮影はこんな感じだったとかをバラす形式が大半であろうと思うのですが、何故か今日は上映前にトーク。よってネタバレを避けて話す二人の苦労が見えて面白かった。どうやら上映後にトークをすると岡田さんの終電がなくなってしまうらしい。なるほど。岡田さんと冨永くんの二人は全く違うタイプの人間だと思うのだが、と、もちろんそれは作品の違いにも表れているし私は友人として冨永くんのことはよく知っているが岡田さんのことは何も知らないくせにあえて書くのだが、その異質さが功を奏して二人は非常に気が合いそうだなあと思ったのだった。
■映画本編について。原作の安彦麻理絵さんのマンガはたぶんこういうことになっている。女の欲の先にあるドンづまり。どの作品にもそのドンづまり感があって、それを経験した事がある人なら確実に共感できるし経験した事のない人にはさっぱりわからないのだろう。私は前者である。昔からドンづまっていたし今もドンづまっている。オールウェイズ・ドンづまりですよ正直。しかし私は声を大にして言いたい、「君らみんな、そうだろ?結局ドンづまってるだろ?」と。つまってない女もいつかまたつまる。まわるまわるよ時代はまわる。勝ちは負け、負けは勝ち。そんなもんなのだ。私は女だからそのあたりの面倒臭さは知っている。そこを男の冨永昌敬はどう描くのだろうってところと、今までの冨永映画にある独特の空気と安彦さんのマンガの融合し加減が興味深き点。で、観ました。
■主役の女の子2人ともやっぱりドンづまっていた。まさに崖っぷちだった。そこがまずはっきりしている。原因はもちろんそれぞれなんだけど、ドンづまりなことには変わりない女たちとはまさしく30代近辺を彷徨う私を含めた女たち全てのことを指している。映画はそんなしょうもない私たちを優しく包んでいるようだった。優しい映画なのだ。どんなに笑っていても暗黒、どんなにドンづまっていてもネアカ、そんな女性の真理が丁寧に描かれていてしかしやっぱりちょっとだけ冷たい。女に厳しい面もある。そりゃ世の中には男と女しかいないし、お互いがお互いを批判していたらキリないけどさ、お互いがお互いを監視していることは大切だと思うんです、わたしは。監視の目があってようやく女は自由になれる、ってフェミニストか?って感じになってしまった。女も男も大変なことには変わりないんだけどね、種類が違うね、多分。ま、男のことはよくわかりませんが。
■あるシーンで、「ああ、このシーンは超有名映画『ネバーエンディングストーリー』へのオマージュだな、ここにメルヘンを持ってくるとは、さすがだな冨永くん」と思ったのですが、それは大いなる勘違いだったようだ(監督本人に確認済み)。しかしそんなふざけた勘違いをしたくなるような、優しさに溢れた、気持ちのよい映画だった。
■それで、私は人の目で認識できる程に出演していたかというと、自己評価では50点。私はわたしだからわかるが、私がわたしでなかったらたぶんわからない。ダメじゃん。しかし、いいシーンで面白い役をやらせてもらって大満足なのです。
■「コンナオトナノオンナノコ」は12月7日まで。池袋シネマロサでレイトショー上映です。お時間ある方は是非池袋まで足を運んで下さい。
■冨永昌敬のブログ→「STJP Official Blog」(冨永監督の映画「シャーリーテンプルジャポン」の公式ブログです)
...ナフル記念日/恋愛時代
- 12月 03, 2007
■昨日は友人が遊びに来てくれたのでカレーを作った。肉なしで、ほうれんそうとカッテージチーズのカレーにしてみた。肉なしなのもなかなかいいです。たくさん食べても罪悪感がないからです。
■ナフルが友人の膝に抱かれる瞬間が二度ほどあってびっくり。ナフルは無類の怖がりで、昔だったら押し入れに隠れて出てこなかったのに。すごい。なかなか感動的な時間だった。テーオが来てから少し社会性が備わったのかもしれないですね。
■エドワード・ヤン「エドワード・ヤンの恋愛時代」の内容を全く覚えていなかったことは前回書いたが、思い出した感覚がある。前に映画館で観た時には「あんまり面白くなかった」と思ったのだが日が経つにつれて「やっぱりとても面白かった」と思った感覚を思い出したのだ。実は今回もまた同じ気持ちになったからだ。何が面白かったのか、それをうまく言い表せないのだが、何かにつけて思い出す。ツァイ・ミンリャン「楽日」は見終わった後すぐに「面白かった」と言えたのはきっと全てにおいてハッキリしていて力強い表現だったからで、簡単に言えばわかりやすかったのだ。セリフ、ないし。
■「恋愛時代」はそれとは違う、何だろう、じわりじわりと、とかなんとかぐだぐだ言っておいて、そんなこと言っておいて全て忘れちゃうくせにね。それにしても原題は「独立時代」で邦題は「エドワード・ヤンの恋愛時代」。映画を見終えて、ストーリーを考えると「独立時代のままでいいのになあ」と思いました。だって独立していく人間たちの話なんだから。恋愛は二の次だったと思うよ。
...寝ては行けない場所
- 11月 27, 2007
■寒くなって来て気分はいい。反比例して体調はよくない。しかし、朝仕事に行く時に玄関を開ける、その一瞬の寒さは何ともいえないな。寒いと呼吸が面倒くさいとか肌が乾燥するとかいろいろむかつくことはあるが(それ以前に「お前、体調いい時あるのかよ!」と自分にツッコミ)、それを差し引いても、気持ちよい。
■江國香織「間宮兄弟」を読み終えた。映画を見てから小説を読んだので、読んでいる最中、映画のシーンをいちいち思い出しては「このシーンは小説の方がいいなあ」とか「このキャスティングはやはり正解だな」とか、いつもの読書よりも2倍楽しんだ気がする。この小説をあの映画にした森田芳光監督はやっぱりすごいなあ。そして私は昔から江國香織の良き読者ではないのだが、今回は彼女の小説から発せられるエネルギーに拍手を送りたくなった。やっぱすごいなあと感心したのだ。やっぱりすごいなあ、ばっかりでお恥ずかしいです。字足らずです。
■映画ではドランクドラゴンの塚地武雅が演じていた間宮兄弟の弟、徹信にシンパシーを感じた。当然だが映画よりも小説は説明的だ。(それは小説の持つ特性だと思うから、それはそれでいい)だから徹信のいかにも次男らしい性格の細かい説明描写に映画よりも強く同調しうんうんと頷きながら読めた。私も次女だから彼の気持ちが理解できるんだろうな、きっと。映画では理解できなかった彼の心情も、小説の説明で理解でき、別に理解できないままでも構わないのだけど(それが映画の特性っていうか、私にとって面白い映画にはたいてい簡単に理解できない部分があるのだけど、それが感覚的にちょっとでも「わかった!」と思える瞬間を感じる事が出来るもの)、でも言葉で理解できてよかったなあと今回は素直にそう思いました。
■週末は友達や家族と会い、楽しい時間を過ごした。横浜、阿佐ヶ谷、奥沢、すべての場所で美味しい肉や魚や野菜を食べ、少しだけ酒を飲んだ。
※※
■病気続きのナフルは、今結膜炎である。ぼーんと目が腫れている。理由はたぶん「テーオに蹴られて腫れた」から。最近は夜の0時をまわるとお互いを追いかけ合う「ハッスルタイム」がスタートする。追いついたら噛み合ったり蹴り合ったり・・・。何が君らをそんなに駆り立てるのか。断末魔の叫びとともに二匹の獣が部屋を縦横無尽に駆け巡る。我が家は二階だが、一階は測量事務所になっていて夜は不在。本当によかった。それにしても早く彼らを「ノー病気」にしてやりてえなあ。
猫人生/シャット/コンナオトナノオンナノコ
- 11月 24, 2007
■二人はずいぶん落ち着いて来たようです。
■しかしまだ気になる事がいくつか。まずナフルの声がかれた。テーオと取っ組み合いの喧嘩をしている際に「ぐわーお!!!」という雄叫びをあげていたら枯れてしまったらしい。かわいい高い声だったナフルは今酒焼けしたおばさんのようになってしまった。様子見。
■そしてこれは前から気になっている事、テーオのくしゃみと鼻水。拾ったときからひどかった。くしゃみをすると鼻水が飛沫をあげる程。ナフルにうつってしまうのかなあと心配していたのだけど、目の手術をして下さった先生が「これは慢性の鼻炎でしょう」と言っていたので安心していた。でも今回ナフルの声がかれたこともあり、もしかしたら悪性の風邪かもしれないので、よし!と一念発起して二人同時に病院に連れて行く事にした。
■まずナフルをゲージ入れたら中で気が狂ったように暴れる。先週嘔吐した時に病院に連れて行ったときはゲージに入れても全く騒がなかったのでやはりあの時は相当体がしんどかったのではないか。「もうどうでもしてくれ」というようなあきらめが感じられた。今回は「出せこのやろー!!」とお怒りの様子だが、逆に嬉しい。
■で、我が家にはゲージ一個。仕方なくテーオを無印の小さなショルダーバッグに詰め込む。ファスナーがついているから逃げないだろうと思って。おとなしく入ってくれた。
■病院ではテーオの病気の可能性を告げられ、それは野良猫として過酷な状況で生きて来たテーオにしては当然持っているウイルスの話。少しずつだが治療することにした。
■猫を育てるのには当然だけどお金も根気も気力も明るさも必要だな。帰り道タクシーを待ちながらクラブのママのような声を上げて鳴くナフルに話しかけた。「我が家に来て幸福かい?」そんなん、知らんわ。一生わからんな。・・・そんな漠然としたしかも難しい質問すんなや。はいそうですよね、どうも失礼致しました。
■さー、がんばるぞー。受難のテーオとナフルと。
※※※
■ずいぶん前に撮影したCMがオンエアされているようです。ジョンソンアンドジョンソンの「シャット流せるブラシ」。遊園地再生事業団やペンギンプルペイルパイルズで共演した山本大介くんと夫婦です。
■そういや冨永昌敬監督の新作映画が絶賛上映中なのだった!「コンナオトナノオンナノコ」。イケブクロシネマロサニテレイトショージョウエイチュウ!と全部カタカナで書いてしまいました。実は私もエキストラとしてちょいと撮影に参加。わかるかなー?わかんねえだろうなー!って感じで出演しております。漫画家の魚喃キリコさんや安彦麻理絵さん(原作者)や大久保ニューさんや、役者の木村文ちゃん(撮影当時は妊婦で、今は出産し立派なお母ちゃん!)や、冨永撮影隊のリューちゃんやオオガワラ先輩とみんなでわいわい楽しく撮影。魚喃さんと私はコスプレしています。試写を見逃したので、まだ見ていない。楽しみだなあ。
■図書館に行って、「へんないきもの」という本を借りた。UMA的なカタチをしたへんないきものたちに「うぎゃー!!」と叫びながらも楽しい楽しい。異形の神秘とでもいうか、常識の崩壊というか。ウミウシ系は危険なカタチやあり得ない習性のものが多いようだ。海の中なんて、まだまだ発見されていないおぞましいかたちのいきものもいるのだろうな。そんなことを考えると、楽しくて仕方がないのである!
...クワイエット
- 11月 20, 2007
■松尾スズキ「クワイエットルームにようこそ」を読む。映画ではなく小説を読んだ。順序よく行こうと思って、小説から。ぽんと膝を打つ。腑に落ちた。
■この小説に出てくる全ての人の生き方ををせせら笑うことは私にはできません。しゃれにならんけど、別にしゃれになりたくて闇雲に走っている訳ではない人たちだし、皆いい奴だし。皆って精神病院に入院している患者と面倒な患者を看護するナースさんのことね。まあ、いい奴だからってやっていいことと悪いことがあるだろうという常識的な考えはひとまず置いておいて、皆頑張っててえらい。
■私は、頑張りも尽き果てギャグにもならない自分に出会った時、自問自答する。あんたはそんな状況どうするの?きちんと向きあえるの?って言ったら、無理!無理です!もうダメっす!逃げさせてください!ってことになる。そして自問を放棄し、誰かに聞き始める。「逃げても怒らない?やっぱどうせ怒るんでしょ?」と。誰に聞いてるんだか。で、誰だがわからない存在に怒られるのが怖くて逃げない振りをしている。そして今までの思考は自分の中にいる他人や自分の中にいる自分に怒られたくないための言い訳。結果、言い訳を考えて脳内で逃げているのだ。人間は(って大きな括りにしちゃったけど)そんなみっともない自分をなかったことにしたい夜だって腐るほどあるだろう、って思う。言い訳したくないとか嘘つきたくないとか、皆当たり前のように言うけれど、そりゃそうなんだけど。私はそんな正論からはみ出してしまったことが何度もある。
■この小説は絶対に怒らない。誰にも説教していない。そこがすごいな、松尾さん。説教しないでくれて本当にありがとうございますと言いたい。松尾さん、これからも面白い小説と大爆笑エッセイとインタセイ(インタビューとエッセイを掛け合わせた文章のこと。松尾さんが作った言葉)、楽しみにしていますので、体調だけは気をつけて下さいね、と下北沢あたりでばったり会ったら言ってみようと思う。
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