柴田くんはやはり大きかった
- 2007/04/08
■チェリーブロッサムハイスクールの公演を見るため大塚に。遊園地再生事業団で共演した柴田雄平くんが演出、岩崎正寛くんが出演している。
■今回が二回目の公演で、前回も見た後にいろいろ考えたのだけど、今回も考えました。様々なことについてです。私が演出をした舞台が終わってから初めての小劇場と言われる劇場での観劇だったということもあるのですが、本のこと、演出のこと、役者さんのこと、様々なことを芝居を見ながらいろいろ考えました。岩崎くんの「間」の取り方の絶妙さ加減について、柴田くんが激痩せしていることについて。小さな違和感の発生。音楽。映像。役者さん。江尻くんという知り合いがどうやら遅刻して客席に遅れて入って来たことで集中が切れて気がぶれたことも含め、演劇について。考えて、結果今日はすがすがしい気持ちになりました。前回も同じことを思った。すがすがしさ。だからこれはこの劇団の持つ特性になっていくのではないかと思うのだけど、どうだろうか、柴田くん?読んでいるかわからないのに語りかける、この勇気、自分を誉めてあげたい。冗談はさておき、劇団を立ち上げ公演を打つということがどれだけの労力がいることか私も少なからず知っている。技術的に何が簡単で何が難しいことなのか、1番労力を使うことは何なのか、決断はいつ下すのか、考えると甚だ面倒なことだろうと思う。それでもなお作っているという事実を私はきちんと見ることができた気がする。こんなことを考えるなんて大きなお世話なのかもしれないしえらそうに思われるかもしれないけど、演出修行中の身として思う所はたくさんあったのだ。真面目で、不誠実さがない。やりたいことを誠実に考えて形にするという作業を怠っていない。そういう点で私は激やせしている柴田くんを俄然支持。柴田に一票。私も柴田くんに負けないように出来ることを頑張ろうと思った。もっと痩せようと。
■ともあれ、茨城弁が皆上手だ。ネイティブの柴田くんは別としても、皆さんきちんと稽古されたのだなあ。難しいんですよ、茨城とか栃木とか。あまり訛り過ぎてもちょっと離れてしまうし。しかし、葬式のシーンなどはまるで実家に帰っているような気になって感動した。って私は福島だけど。
■今回のお芝居のベースになっている話の一つに「つくば万博」がある。私もつくば万博にはかなりの思い入れがある。福島→仙台→千葉県柏市とジプシーのように引っ越しを繰り返していた時期に「つくば万博」がありまして、柏市から車で1時間もかからなかったのと親の過多な愛によって、私はなんと7回も行ったんですよ!つくば万博に!それなのにいつ行ってもどこのパビリオンも長蛇の列。気の短い父は行列に並ぶことを最も苦手とする部類の人間なのでほとんど何も観ることが出来ず、思い出は「コスタリカ館」に人がいなくてほっとしたがかなりつまらなかったことと「コスモ星丸」のキーホルダーを何個か買ってもらったこと。一個でいいだろって話です。
■岩崎くんは、またもや「悪い男」を演じていた。悪いなあ。悪いよ。同世代であんなワル演じている人を知らないよ、わたしは。そういうところが好きだなあと思って見てた。もっともっと悪くなる方向で!そして前回に続き荒川修二さんと渡部ラムさんが気になっている。何かを誰かを見て「ひっかかる」というところがすごく貴重なことだ。「ドアをノックするのは誰だ?」ということなんだが、歳を重ねるとドアノックの音を聞き漏らしてしまう場合があることに最近気がついた。誰だ?ということよりも、私自身が耳の穴をかっぽじいていなくちゃいけん。