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アクワリウム終了

  • 2008/03/03

「アクワリウム」終了しました。ご来場下さった皆様ありがとうございました。

今回私はたくさんの初めてを経験しました。熊本から来た「劇団0相」との出会いは、全く会ったことのない人たちとの作業。戸惑いもありましたが、皆さんの優しさ、作演出の河野さんの真摯な姿に励まされ何とか本番を迎えることが出来ました。本番中も今まで感じたことのない気持ちをふと感じたり、新しい感情が芽生えたり、反省したりと精神的にもかなりぶれていたのですが、それはそれで新鮮で楽しかった。大事なのはこの新しい感情を分析することかなと思ったりしています。

河野さんは稽古場でいつも全力で取り組んでいたようでした。常に自分の言葉と格闘していました。「(慣れないウィークリーマンションで)ちゃんと寝てるのかな」と心配になることもあったけど、何とか本番まで元気だったからほっとした。「アクワリウム」の本公演は今年の初夏に九州で。一体どんな舞台になるのか、楽しみです。

アドバイザーの宮沢さんともいろいろ話しをすることが出来ました。宮沢さんが演出する舞台に出演させてもらったことは何度もあるけど、ちょっと離れた位置から作品に関わるという作業はこれまた初めて。宮沢さんが稽古を見に来て戯曲や演出や俳優の芝居にアドバイスをしていき、次の日みんなの芝居が劇的に変わった瞬間を見ることができたのはちょっとした感動だった。稽古中に宮沢さんのお父様がお亡くなりになって非常に大変な時期にも関わらず、ご実家での告別式を終え東京に戻り、本番前の通し稽古を見て下さった。そして的確なアドバイスを発信してくれる。本当に、もう何というか、頭が下がる思いだ。プロの仕事を近くで見ることが出来て、私は本当に幸福だと感じる。

宮沢さんのお父様には何度かお会いしたことがある。初めてお会いしたのは確か12年前の遊園地再生事業団公演「蜜の流れる地」を、宮沢さんのご両親が見に来た時だったように思う。お父様が「(芝居の内容が)よくわからない」というような感想を言ったと宮沢さんが笑って私たち役者に話してくれたのではなかっただろうか。もう何年前か思い出せないけど「月の教室」という舞台を宮沢さんが静岡県袋井市で作った後に白水社でその戯曲が書籍化されることになり、巻末に収録される劇中歌CDの録音に参加した。その時白水社Wさんと一緒にご実家に泊めていただいたのだった。お父様は笑って挨拶をしてくれたように記憶しているが、何を話したのかは覚えていない。記憶の中では「何も喋らなかった/お父さんは何故か笑っていた」気がするのだが、どうだっただろうか。最後にご挨拶をしにいくことはできなかった。宮沢さんの話を聞くとかなり破天荒な人だったらしく、そのエピソードのあまりの面白さについ笑ってしまうことがあった。宮沢さんが日記に書いていたように、生前「死なない」と公言していたそうだ。しかし死はやってきた。でも、生きていたその姿はご家族の記憶の中にずっと生きていく。そしてとても優しい笑顔だったことが私の記憶にばっちり生きている。それも一つの「死ななさ」なんじゃないか。私の中にも「死んだけど死んでない人」、たくさんいる。彼や彼女は私の体の中にいてくれるとふと感じる時があるのだ。

「アクワリウム」には「片目の猫」が出て来て、それは今や我が家のカーテンクライマー・テーオも出会った時から片目(正確に言えば片目が飛び出していた)だったので、不思議な縁を感じました。この戯曲の奥にあるものは非常に恐ろしい現実で、水俣病という公害病が身近に存在する熊本在住の河野さんだからこそ書けるテーマなのだと思う。さて、テーオの目は何故飛び出していたのか?摘出手術をしてしまった今となっては全くわからないけど、テーオは特に気にしている様子もなく相変わらず家の中で暴れ回っています。暴れ過ぎ元気過ぎで食べ過ぎ。

アヤナちゃん

熊本大学生、自分のことを「自分」という男前のアヤナちゃんは、稽古中に一度熊本に帰り大学の実習を受けてまた東京に戻ってくるという超ハードスケジュールをこなしました!えらいよアンタ。おつかれさまでした。別れ際「かさぎさん、会えなくなるの寂しいですよ。熊本に来て下さいよ。」って言ってくれた。いつか行きたいなあ。

おにぎり/河野さん/アドバイザー

  • 2008/02/27

「アクワリウム」の稽古が進んでいる。

毎日劇団0相の皆さんとご一緒している。0相の皆さんは何がすごいって、朝みんなで分担してお弁当を全員分作ってくるところ。しかも私にまで美味しい手作りご飯をふるまってくれるところ。慣れない東京のウィークリーマンション生活の中で、きちんと米を炊いておにぎりにして、おかずまで全員分作って持ってくる。今回のメンバーは全員で8人だからおにぎりの数も結構なもんだぜ。そして私のことも「おにぎり食べます数」にカウントしてくれているその優しさ・・・。泣けるぜ、0相。熊本、最高。

稽古は、少しずつ進んでいて、私自身もようやく声の出し方や呼吸などを考えられるようになって来た。

戯曲は、読み込む程に「この戯曲は河野みちゆきさんにしか書けないものだ」と実感する。何故そう思うのか、それはこの本が戯曲に込められたものの「重さ」だけにとどまらないものになっているからだ。いつもは熊本で活動している河野さんとお会いしてからまだ何日も経っていないので、本人の人となりとかまでは実はよくわからないけれど、でも、「この人が自分自身の体で書いている」というごく当たり前だけどとても重要なことを日々強く感じるのだ。

この本を、東京に住む人間に読んでほしいと強く願う。まあ、リーディング公演に来てほしいのは、もちのろんなわけだけど。

昨日はアドバイザーの宮沢さんが稽古を観に来ていろいろアドバイスをして下さった。アドバイザーのアドバイスは的確であった。今日の稽古は私も含め皆生き生きしている感じがしたのだった。

ナフル

舞台出演の告知/今日を生きよう

  • 2008/02/09

告知です。

※※※

東京国際芸術祭 リージョナルシアター リーディング公演部門
熊本/劇団0相「アクワリウム」

作/演出 河野みちゆき
アドバイザー 宮沢章夫

東京芸術劇場小ホール
3月1日 13:00/3月2日 17:00

に出演します。

※※※
宮沢さんの「富士日記2.1」にも書かれていますが、河野さんの書く戯曲に宮沢さんがアドバイスするという形で、今現在戯曲制作が進められているそうです。私はまだ戯曲を読んでいませんが、とても面白い作品になりそうだと1月30日の宮沢さんの日記からも窺い知ることが出来ます。「劇団0相」は熊本の劇団ということで、私にとっては新しい出会いに。ちなみに私の九州体験、日帰りで福岡に行ったのみ、正味5時弱。稽古が今から非常に楽しみです。

チケット購入はこちらから。あ、ちなみに田中夢が出演する「着座するコブ」もこの東京国際芸術祭の中で上演されるんですね。「静物たちの遊泳」が今年の岸田戯曲賞最終候補に選ばれた山岡徳貴子さんの舞台、そしてブログを読むと何やらセーラー服を着るらしい田中夢(お前は三坂知絵子か)さん、もろもろ楽しみでありんす。

※※※
NHK芸術劇場「海と日傘」を観た。昨年上演された劇場あうるすぽっとのこけら落とし公演。「三択の女王」竹下景子さんと「ヤス」平田満さん。「死」がすごく近くにある時期の話。静謐でありながら、とても残酷な戯曲だと思いました。思いつつ、涙が止まらんかったです。

思えば私の人生にも「死」が近くにあった時期が何度もありこれからも何度となく訪れるはずだし、そして最期には「死」と共に自分も死んで行くのです。それは事実。その事実の重さにたまに愕然とすることはあるけど、愕然としたところで逃れられないのだから、いつ死んでもいいようにエンジョイしたいものです。大きな意味でエンジョイを。自分サイズのエンジョイを。いろいろあるけどエンジョイを。濁ったままでエンジョイを。これが松田正隆戯曲を体験した後の感想かと思うと自分で自分にどうかしてるよ?と声をかけたくなるが、舞台も小説でも映画でも何でも、感想はその日の体調や考え方や出会った日やそれこそ1日の雰囲気や天候にだって左右されるものだから、これはこれでいいとしよう。

「何にも知らないふりして、今日を生きよう」って、これはサニーデイサービスの「今日を生きよう」って曲です。

蓬莱屋!/負傷!/まほかるって!

  • 2007/12/15

食事会と称して上野広小路にあるとんかつ屋「蓬莱屋」に行く。宮沢さんの日記にも書いていただいたのだが、この数日は宮沢さんのリクエストである「とんかつ」を調べに調べた。完全に調べ魔の域、病のようにかたっぱしからリサーチした。せっかく行くのだから美味しいお店がいいし、とんかつ屋は調べてみればなるほど老舗が多く、趣のあるところが多い。結果、「上野とんかつ屋御三家」(とんかつ大好き鈴木将一朗情報)の一つ上野広小路の老舗「蓬莱屋」にしたのだった。「蓬莱屋」は今まで数々の文士が愛したお店で、中でも映画監督の小津安二郎が好んで通ったとのこと。「ひれかつ定食」を頂いた。さっぱりしていてとても美味しかった。

基本揚げ物が苦手な私であるが、調べ過ぎたか、今とんかつに夢中。行ってみたい店がまだ何件もあるのです。

蓬莱屋に出向く前に御徒町に早く到着したので一人でアメ横(正確には線路ガード下周辺)を散歩した。師走の金曜だから人は多かった。しかしその人種が渋谷や新宿と違い、私には心地よかった。常磐線育ちの気質が疼いたのかもしれない。小学生の時は常磐線の柏で、思春期を山手線の田端で過ごした私には上野近辺は思い出の地でもある。「買い物と言えばABAB」だった。安いんだよね、ABAB。ABABってなんだよ、と言う方にちょっと説明。上野と御徒町の間にある若者向けファッションビルである。ABABと書いて「アブアブ」と読む。土地柄、物悲しさが漂い、買い物に来ている若者も心なしか陰がある。今は知りませんが、少なくとも15年前はそんな感じでした。靴といえば「セントメリー・フジヤマ上野店」だったよね、常磐線のみんな。二木の菓子周辺も当時とあまり変わっていない。ちょっと危険な感じの人たちが街を闊歩している。吉池デパートに入ってみたがあまりの哀しさに笑いがこみ上げた。しかしそこにはおしゃれとはほど遠い現実の「生活」があった。たくさんのオモシロおばちゃんとオモシロおじちゃん達がしっかり生きている。

12月9日は宮沢さんの誕生日だったので食事会メンバーと「古田敦也」DVDをプレゼント。宮沢さんと言えばやはり「ヤクルトスワローズ」である。DVDサブタイトルが「野球を愛する全ての人へ」。古田監督じゃなきゃ、こんなサブタイトルはつけられないのだろうなと思った。古田監督は偉大なのだ。CMで共演させてもらったしね!

そしてみんなで皆でたくさんの話をした。僭越ながら「貞方スタイル」の説明もさせてもらった。その他くだらないこと真面目なこと、楽しかった。

※※

「ハッスルタイム」にはしゃいでいたテーオに顔をひっかかれ負傷。テーオが失った左目の下に彼女の爪痕が二本くっきりと残っている。同じ場所に傷を負ったということだ。あまりの痛さに無口になった私の顔を、ハッスルタイムを中断し、黙ってじっと見ていた。

ナフテオ

※※
沼田まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち」、「猫鳴り」を読む。「彼女〜」はとんでもなく救いのない物語で、読みながら心の中の自分が七転八倒していた。何とかならないのか、何とかしてくれと思っても、小説の中に私の思いは届かない。当たり前だがその事実が歯痒い。しかしそう思いながら読書を進める事で自分の考えの先を知る事が出来る。読後感は本当に寂しいものだった。寝付けなかったよ。「猫鳴り」は傑作と名高いらしいので是非読んでみたかったのだ。二冊連読でわかったのは、この人の小説に出てくる登場人物に私はとにかくいらいらするのである。そのいらいらの元が近親憎悪のような感情とも違う何か。でもそのいらいらは決して不快なものではなかった。たぶん丁寧に書かれているからだと思った。「猫鳴り」は、私猫飼っているし、猫に関する記述は胸に来るのか、いつもより丁寧に読んだという貴重な時間になった。登場人物がトリップするのと同調して私も少し離れた場所に行けた。それにしても沼田まほかるとか誰ですか?ってことで少し調べたら、この人の経歴がちょっと面白い。「僧侶、主婦、会社経営を経て」57歳でデビューだって。おいおい、迫力ある新人だなあ!

メダマのテーオになりました

  • 2007/11/04

ナフル

11月2日/

メダマが驚異的な回復。しかしメダマという名前はどうなの?と考え始める。けっこう気に入っているのだけど、病院に行ったら「笠木メダマ」って診察券に書かれちゃうし、女の子だし。ってことで新しい名前を考え始めた。ナフルの名の由来は、ナフルを飼い始めた時に住んでいた場所が多摩川の近くだったのでという理由から、アラビア語で「川」。何でアラビア語なのかというのは書けば長いが、簡単に言えばナフルを引き取りに行った時に同行してくれた幼なじみの影響から。幼なじみがか飼っている猫の名はアガラ。アラビア語で「車輪」という意味だったと思う。さて、今回もアラビア語にすべきか。

ナフルはメダマがいるゲージの前でちょこんと座っていることが多い。メダマをじっと観察している。メダマが来てから1日2日は「シャー」とも言ったが、3日目から全く言わなくなった。メダマがゲージの中で「監獄から出してくれ」と騒ぐのでたまに部屋に出してやる。と、メダマはまずナフルに突進していくのだ。エリザベスカラーをしているし、手術でヒゲは切られてしまったし、何より左目がないのだからバランス感覚も視界もめちゃくちゃだろう。それでナフルはいつも突進され、グルグル言っている。メダマは何度でもナフルに突進。ナフルの方が性格的に弱そうだ。

夜、阿佐ヶ谷シアターシャインで劇団兄貴の子供「OH!電気ボーイ」を観る。劇団兄貴の子供の主宰はニブロール作品でおなじみの山本圭祐くんだ。今回はフライヤーと題名が秀逸だったので観に行くことにした。「OH!電気ボーイ」という口にしてみるとやたら気持ちのいい題名に違わず、久しぶりに理屈抜きに楽しんだ。そして思った。「こんなに見切れが多い舞台を観るのは初めてだ!」と。舞台袖のめちゃくちゃさが面白い。まあ、はっきりいえばしっちゃかめっちゃかなのである。でも「OH!電気ボーイ」だもん、いいじゃない。演劇の面白さを感じた。山本くんの熱演はその尋常じゃない汗の量からしてもこちらに伝わって来る。人がかく汗の量を超えていた。やはり見に来ていた足立智充、鈴木将一朗、柳沢茂樹といろいろ話す。

そういえば芝居を観る前に新宿のルミネにあるbook1stで役者の杉山彦々にばったり会った。彼は私の顔を発見するなり「げ!」と確かに言った。失礼だよ。文庫を買ったようなので見せてもらった。いしいしんじの小説だった。彼は会う度オシャレになっていく気がする。新宿ルミネのbook1stは二つある。ルミネ1(京王新線改札の上。本屋の隣にスタバがある方)のbook1stとルミネ2(無印良品や吉本興行の劇場がある方)のbook1st。どちらもちょうどよいサイズの本屋さんで気に入っているが、どちらかと言えばルミネ2の方が好きだ。本の配置が好き。

すぎやま

この人が杉山彦々です。

11月3日/

メダマの名前を考えているだけで、あっという間に時間が過ぎてしまう。

候補として、

まこちゃん(メダマ子で、まこ)
はなちゃん(花屋の裏で拾ったから)
おしん(我慢つよいから)
よるちゃん(夜に拾ったから)

等。英語、フランス語、ドイツ語、アラビア語、ギリシャ語と様々な言語で調べたがなかなかこれというものに出会わない。あまりかっこ良過ぎるのもどうかと思うし、ファンシーな名前もメダマには合わないような気がする。演劇人として「ニーナ」(チェーホフ「かもめ」の主人公)とか「亜弓さん」(ガラスの仮面の姫川亜弓より)とか、考えたのだけどちょっとイマイチ。そこでふと思い当たったのは以前幼なじみのお母さんに借りた映画「三匹荒野を行く」に出て来る猫の名前だ。その映画は猫一匹と犬二匹が飼い主の元まで大冒険をするという物語で、動物達の演技はそれは素晴らしく、一体どんな演技指導をしたのだろうかと唸る程のものであった。その映画が撮影された当時はまだCG処理などない。動物達のとのコミュニケーションに一番時間をかけたであろうその映画はとても面白かった。猫の名前は「テーオ」。勇敢で頭のいい猫だが、途中で犬達とはぐれてしまうのだ。

メダマの顔を見ていたらだんだん「テーオ」顔だなと思えて来た。メダマはしっかりした顔立ちで男の子だと勘違いしていたぐらいだ。ナフルに果敢にぶつかって行くその勇敢さや気の強さも何だか「テーオ」っぽい。「テーオ」と口にしてみると、何かいい感じがして来た。しかし問題はある。私がつい「メダマ」と声をかけてしまうのだ。メダマって名前にも愛着あるんだよね、ということで、「風車の弥七」方式で本名を「メダマのテーオ」にすることにした。「片目のジャック」みたいなイメージ。これならついメダマと呼んでしまっても間違いではない。まあ、弥七を「風車!」と呼ぶ人はいないけどね。

夜、エリザベスカラーのせいで毛づくろい出来ずにストレスがたまっているっぽい「テーオ」。ちょっと可愛そうなのでカラーをとってあげた。そうしたら、ナフルがテーオの首を一生懸命なめはじめた。じっとしているテーオは気持ち良さそう。ナフルは一心不乱にテーオの身体をなめている。ナフルはもしかしたらテーオのストレスを理解してあげていたのかもしれない。感動的な光景で、不覚にも涙が出た。しかしその後、ナフルは「あんたなめ過ぎよ!」とテーオに蹴られ、一気に喧嘩になる。涙も引っ込み、喧嘩の仲裁。気の強い女と気の弱い男、一気に力関係がはっきりして来ました。

夜、そば屋に行った。何を注文するか迷っている間にそばが売り切れてしまった。うどんにしたが、残念な気持ちには確かになった。こんな時「おれはとんかつしか興味がない」と言い放ち、とんかつがメニューにあるときは0.1秒で決め、ないときは5秒ほどで何を食べるか決めてしまう宮沢さんの顔が頭に浮かんでしまう。「悩むだけ、無駄」。

新しい名前はテーオに決まりました。皆さんこれからもナフルとテーオをよろしくお願いします。ついでにわたしもよろしくお願いします。

テーオ

宮沢さんにばったり/水族館

  • 2007/10/25

髪を切った。パーマネントもあてた。カラーリングもした。ちょっとやりすぎたかなあとぼんやり考えながら空を見上げ遥か上空で繰り広げられている高速道路の工事現場を眺めながら、都内某所を歩いていた。電話が鳴った。「歩き方でわかった」と言うのは宮沢さんだった。交差点をぼんやり歩く私の姿を運転中の車の中から発見したらしいのだ。颯爽と街を闊歩するタイプではもちろんないが、「歩き方でわかった」と言わしめる私の個性ってなんだ。うちまただけじゃないのかな。

それで明日人間ドックだという宮沢さんと参宮橋近くのスペイン料理屋でご飯を食べる。どれも美味しかったが特にオムレツ絶品。小さいが素敵なお店だった。宮沢さんに直島の話を深く聞きたかったのでいろいろ質問した。総じてとてもいいところだったようでますます行きたくなる。来年には行けるだろうか。せっかく行くなら何日間かのんびり行きたいなあ。その他、以前私がCTスキャンに入った時に突然地震が来てそんときゃめちゃくちゃ怖かったですよ、と明日検査を受ける人を怖がらせる話をしたり、思いがけず楽しい時間だった。

昨日ひさしぶりに水族館に行った。とても楽しかった。カラフルなヒトデがたくさん。ありえない体制で無理やり平らな水槽にへばりついていてヒトデなりの受難を感じる。長谷川町子が「サザエさん旅あるき」で、「よく訓練された動物を見るとその陰でどれだげ厳しく躾けられているのかと考えてしまう。そう考えると悲しい」というようなことを描いていたっけ。で、マンボウは昼寝していた。死んでいるのかと思ったよ。私が気になったのは「チンアナゴ」。くだらない響きの名前だが見た目も相当くだらない。「ムーミン」に登場する「ニョロニョロ」みたいで愛嬌があり、是非我が家の一員になって欲しいくらいの情を感じました。

これがチンアナゴ。クビだけが水中に出ている。
チンアナゴ

「ニュータウン入口」についての長文

  • 2007/09/26

遊園地再生事業団「ニュータウン入口」は初日に観に行った。本当は3日目にチケット予約をしていたのだけど、何故か「この舞台はどうしても初日に観ておかなければいけない」と思い立ち役者さんにお願いしてチケット変更をしてもらった。どうしてそう思ったかというとプレビュー公演から稽古を何度か観させてもらったし、役者さんの何人かとも随分話をしたし、私はこのプロジェクトに全く参加していないけど勝手に参加している気分になっていたのかもしれない。あ、全く参加していないと言えばウソになるな。宮沢さんが第一稿を書く前にやはり勝手に手伝ったのだった。ちなみに勝手に手伝うという行為は図々しいのでなかなか人には勧められない行為だ。

それで初日。たくさんの言葉に興奮しつつ観劇した。言葉のもつ強さが存分に味わえる。今回の公演で「詩人」という役は存在しない(「トーキョー・ボディ」「トーキョー/不在/ハムレット」で南波典子さんが演じた役)が、出演者全てが詩人のようだった。今野くんというカメラマンが発する言葉は現実的ではあるけれど、たぶんカメラマンという存在なりの詩を心に持っているのだなあと感じる。

演技が円熟の域に達している役者さんが何人かいて、例えば杉浦千鶴子さんの「ダンス講義」など、稽古を含めこの1年間、何回重ねてきたのだろうと思わせるものがあった。何度も何度も繰り返し稽古して何度も公演を重ねたからこその説得力や美があったような気がした。そうだ、杉浦さんはすっごく可愛かった!髪型も衣装も、笑顔も全て可愛かったので勝手に応援していた身としては嬉しかった。

このように「ニュータウン入口」について書き出すと止まらないのはわかっていた。勝手に手伝った身としてはあの人も気になるしあの人も気になるしあのシーンも気になるしという感じなのである。

戯曲について「闘い」という言葉に何度も立ち止まりながら観ていた。この人達はニュータウンという場所においてそれぞれ闘いを続けている。それは現実の私たちも同じだ。(観ながら私はFISHMANSのアルバム「宇宙日本世田谷」のことを思い出していた、あのアルバムもある意味闘いなんじゃないかなとか考えつつ)闘い方はそれぞれに違うのだけど、皆何かしらと闘っている。今まではつい見落としていたけど、不動産屋の「高村」やビデオ屋でバイトしている「ジャスパー」さんだって皆自分自身の闘いを強いられそして立ち向かっているように感じた。そんな中一番闘っているのは「アンティゴネ」という存在に見えるが、アンティゴネはある出来事を発端に(かどうかは定かではないが)闘いに負けてしまう。負けてもすぐにまた闘いの方法を組み直していこうと切り替える、その早さが私は好きだ。切り替えが早いよ、アンティゴネ!と声をかけたくなるも、いや、アンティゴネのようにどんどんさっさと組み直して行こうぜ、皆!という気持ちになる。つい興奮してしまったが、私は舞台を観ていて「つい興奮してしまった」という瞬間が最も好きだ。静かな興奮が訪れるものが好きなのだ。それは音楽のライブで楽しむとかの次元とはまた別の、演劇というライブの素晴らしさがここにあると思っている。

役者さんも皆活き活きしていたように思う。遊園地再生事業団のメンバーである田中夢ちゃんや上村聡くんには稽古中からいろいろな話をしていたので二人の生き生きぶりには本当に心動かされた。たくさんの意味を込めて、夢は本当に綺麗だった。上村君は本当に弟だった。それで私はやっぱりカメラマン役の今野くんがセリフを発したことについてはある意味大事件だと思うのだけど(何故なら戯曲をひっくり返す程の威力があるからだ)、今野くん本人の持つパーソナリティとか声とか繊細さがあってこそこの大事件は完成をみたのだなあと感動した。私は別に今野くんという人のことを何も知らない。そして今野くんは役者ではないので演技をするという意識がもともとないであろう。その彼があれだけ説得力を持った存在になっているというのは、やっぱり「今野くん」という人に説得力があるんだろうなと思わずににはいられない。役者ってたくさんのことを要求される職業で、顔がきれいだったらいいかといえば絶対にそんなことはないし、面白かったらいいかと言えばまた絶対にそんなことはない。動ければいいかと言えばそんなことはない。つまり、「・・・できればいい」という考え方は決して存在しない。ってここまで書いて思ったけど他の職業にも当てはまることですよね。それで、今野くんになるんだけど、今野くんが一体何を持っているか知らないけれど、彼はものすごく魅力的だったし、彼こそが「ニュータウン入口」だったのではないかと思える。戯曲との化学反応であるとも思えるし、彼が持つ圧倒的なよさ(私にとっては)だとも思えるし、そうすると舞台に上がるっていう行為は、本当にたくさんのことがバレてしまう戦慄の行為なのだった(ということは「青ノ鳥」にも繋がるハナシ)。舞台の稽古をしていると、やってもやっても埋まらない、稽古しても稽古しても届かないと思う瞬間がある。それでもたどり着きたいから必死にもがいた先に、何があるか。役者受難。しかし私も役者である。受難とか感じている自分には負けてはいられないのだった。

ここまで書いて、小休止して、ふと宮沢さんの日記を読みそして相馬くんのブログを読んだのだが、ちょっと自分の文章があまりに稚拙で恥ずかしい気持ちになり全部消してしまおうかと思ったが、せっかく書いたので消さないことにした。まあ、こればかりは仕方ない。相馬くんは私と同い年なんだけど、同じ31年生きてても人間こんなに中身が違うのかよ!と驚くときがある。例えばそれはタイガーウッズも31歳だしさかなくんも31歳だという(さらに同い年のライターである井苅イガリ氏によると私たち昭和50年生まれは「さかなくん世代」という名の世代であるという。誰が言っているのかと言えばもちろん井苅くん一人である)驚愕の事実と隣り合わせにある。人間てすごい。相馬くんは何度も紹介しているがこの「ツイノスミカ」のブログを作ってくれた人だ。そして私は今彼に新たな闘いを強いている。ブログを作り直せと。曖昧な注文から彼は一体どんなブログに仕上げてくれるのか、私はえらそうにふんぞろかえっているだけ、待っているだけ。

まだまだ書きたいことがたくさんあるんだけど、あとはもう一回観に行ってから書こうと思う。さ、次はミクニヤナイハラプロジェクト「青ノ鳥」について書こう!

そんなわけで私は最近かなり忙しい。撮影の日々に突入しているためである。撮影に参加したいくつかの作品が見れるのはたぶんもう少し先になるのだけど、テレビでの放映が決まったらここでお知らせするかもしれません。お知らせしないかもしれません。とにかく毎日が闘いで、負けて帰宅し、夕飯を作り狂ったように食べ、朝起きたら「さ、闘いの方法を変えよう」とアンティゴネばりに切り替えが早い日々を送っています。

タンスにはいって寝ているナフル

ありがとう

  • 2007/07/11

何と書いていいのかわからないのですが、とにかく大変なことになっています。舞台を観に来て下さったお客様や大好きな友達達、本谷さん、仲間達、家族、たくさんの人に感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございます。

私が読売演劇大賞中間審査で女優賞にノミネートされているらしいです。詳しくは相馬くんの日記で(って他力本願な)。記事まで載っています。ううう。ありがとう、相馬くん。

初舞台は「知覚の庭」、12年前。あの頃メガネにチェーンをつけていた。遊園地再生事業団に育ててもらい、今ここにおります。

宮沢章夫さんに報告した。喜んでくれた。とても嬉しかった。これからも今まで通り地道に頑張ろう。今まで通り。

※※
そんなわけで、鈴木将一朗くんあたりがパーティを開いてくれるであろうと信じてやまない。

関係ないけど鼻の粘膜が切れていて鼻をかむたびどくどく血が出て痛い。どんだけぇ?(IKKOの真似)。

ありがとう

相馬くん/宮沢さん/うすたくん

  • 2007/07/07

このブログをデザインしてくれている相馬くんのブログを読んだら、私の昨日の日記への返答めいたことが書いてあった。

以下、相馬くんのブログより。

その「ツイノスミカ」を見たら笠木さんにデザインリニューアルの催促をされていた。

このブログを作ってくれた相馬くんにサイトリニュアルの提案をしている。しかし相馬くんはとても忙しい人だ。ゆっくり待つとしよう!

aplacetodie/ツイノスミカ » Blog Archive » よろしくね

 あきらかに催促だ。まあね、こんな長い日記を書いていれば、「あいつ、ひょっとしてヒマなんじゃないか」という疑念を持たれてもおかしくはないところだ。やりますよ、やりますから。で、この記事のタイトル「よろしくね」は私に言っているのかとはじめ思ったけど、そうか(その前段で話題になっている)「ゆーとぴあ」のあれか、「よろしくーねっ!」か。

相馬くん、違うのよ。別に「催促」というわけではないのです。私の中で相馬くんは「いつも終電近くまで働いている人」というイメージなのです。だからいつでもいいのですよ。ただ、忘れないでくれれば、いつか。そんな感じなんですよ。本当に。

先日相馬くんに「このブログにアクセス解析をつけてほしい」とメールしたところ、私のわがままな希望を聞いてくれて、わかりやすい解析ページをつけてくれた。いつも相馬くんにはお世話になりっぱなし。「アデュー」のチラシデザインもお願いしたのだ。幻の名書「忍者クイズ」まで貸してもらった。いろいろ頼み過ぎて嫌われてしまったのではないかと思った日さえある。さて、私はこれから相馬くんに何の恩返しができるだろう?

私は特技がない女だ。これといって特徴もない。しいて言えばよく喋ることぐらいか。相馬くんの近くでひたすら喋り続けることは出来るがそんなことで彼を満足させられるとは思っていない。むしろうざがられるだろうな。・・・相馬くんは博識だから私のどうでもいい雑学など既に知っていることばかりと推測できる。うーん。

相馬くん、私は何も出来ないです。ごみんなさい。ああ、「ごみんなさい」って書くととたんにふざけた感じになるね。

※※

今日はいろんな人に会った。宮沢さんにも会ったが、日記に書いてあった「喘息の発作」はだいぶ収まったようで安心した。咳をする時はちょっと苦しそうだったけれど。私も長いこと喘息持ちなので、その苦しみはわかるのです。そして知ってる方も多いと思うのですが、宮沢さんは喘息持ちであり生粋の愛煙家でもあり、今日も咳をしつついつものフロンティアライトを手放さない。もちろん心配ではあるけれど、宮沢さんには煙草がよく似合う(太宰治「富嶽百景」の「富士山には月見草がよく似合う」のようなイメージで)のです。煙草が本当に似合う人って少ないなあと常日頃思っているのだけど、宮沢さんはその数少ない人物のうちの一人。大げさかもしれないけど、生き方に繋がるような吸い方。

あと仕事したりして、その後うすた京介くんと会って酒を飲んでここぞとばかり思い切りマンガの話をしましたとさ。誰にも邪魔させないノンストップマンガ話。思いっきり開けた気持ちでマンガのことばかり話した。ああ盛り上がったなあ、「ガラスの仮面」とか「まんが道」とか最高だよねって確認しただけなんだけど。

名書

恥ずかしい写真

  • 2007/06/11

POLALIFEにナフル登場。トイレの写真も撮られてこうやってたくさんの人に見られていることなど知らず、相変わらず呑気な猫です。その他撮影に協力してくださった今回の出演者の皆さん、宮沢章夫さん、ありがとうございました!

のんきくん

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