しずむ / 追記
- 2007/01/31
■疲れたみたい。体と頭が動かない。お腹が痛く、じんましんも出る。こういう体の表情を見るととても不安な気持ちになる。
■夜作ったほうれんそうと油揚げの煮びたしの味付けが濃くてそれも落ち込んだ一つの原因なのだが、その後もしかしたら私が作る料理はいつもあまり美味しくないのではないかという気になって、だから何なんだといわれてもわからない気持ちです。
■元気のないことなどアピールしたくないのだけど、じゃあ書かなきゃいいじゃないかといわれても仕方ない日記です。明日はいろいろやることがあるので頑張ろうと思う。頑張れると思う。
※※
■一通り台本の書き直しが終わった。あとは稽古で直していくことにする。脱稿、という気が全然しないが、記念すべきことのようにも思えたのでここに記しておく。それにしても何度書き直してるんだ、私は。そしてよくなっているのかわからない。例えば週刊誌での連載を持つマンガ家を本当に尊敬する。どんだけ張りつめた一週間だよ!
稽古7日目
- 2007/01/30
■自慢の310万画素カメラがいうことを聞いてくれない。そもそも画素って?という根本的疑問が。
■そして女優二人も「ぶれちゃえぶれちゃえ」「そのぐらいのほうがいいのよ」と止まってくれない。
■今日は服の色が似ていたので並んでもらいました。向かって右/南波典子、向かって左/高山玲子。この二人に私とク・ナウカの本多麻紀ちゃんの四人芝居です。
■今日はまたまた書き直した台本を渡す。何度書き直してんだよ!
■そして毎回印刷してくる私に「紙がもったいない」との至極当たり前な意見。そ・の・と・お・り!
■今日はオープニングから少し稽古を進める。主に私がえらそうに演出するのだけど、2人もいっぱい意見を出してくれるし、すごく助かる。その方が楽しいのである。こういう風に皆でいちいち相談しながら稽古をしていけば、きっと間違いはないと思った。高山さん、病み上がりなのに少しオーバーワークだったか。演出上、彼女の負担が多い部分もあるので、頑張って欲しい。というか、すごく頑張っている。
■しかし演出席に座っていると当たり前だがものすごく客観的な視線になるので、「ああ、こうやったほうが面白いんじゃないか」というのは私の感覚ではどんどん生まれてくるのだけど、うまく伝えられないし、だからやってみせたりして、しかもそれが技術伴わず失敗みたいなことの繰り返しがあると、そこで自分でやってみないでもっと忍耐強く粘るべきなのではないかと思った。それでもどうしてもやりたくなったら、やろうかな。
■南波さんと高山さんの役を逆にしてやってみたところ、南波さんがニコニコいきいきしているのがどうにも面白かった。やっぱりこういう自由を感じると面白くなるだろうなあ、芝居するのが。
■で、帰り南波さんとご飯食べながらいろいろ話しを聞かせてもらってすごく面白かったんだけど(最近の私は女優にまとわりつく芸能レポーターのようだ)、今回彼女をどういう風に演出してみたいかというのが私の中には少なからずあって、それが成功したらいいなあって心から思った。だからそれを成功させたいんだよ、という旨を話した。二人が魅力的に見える舞台にしたい。あ、自分も麻紀ちゃんもね。テルミン大学学長も。あと受付の吉岡くんも。スタッフも皆魅力的に見えるように頑張ろう。すべてひっくるめて、きちんと皆といろんな議論しながらコミュニケーションを大切にしながら、作っていくべき芝居。今回の作品は特に。
■ク・ナウカ公演「奥州安達原」は2月19日〜27日。たぶん素晴らしいものが見られると思います。
シーモネーター
- 2007/01/28
■昼夜逆転の日々。YouTubeにはまっている人も多いと思いますが、私はすっかりウィキペデア派です。昨日は何故か「新興宗教」からの果てしない旅で、3時間何かを調べっぱなし。気がついたら「富士フィルム」の項目を見ていました。一体何を調べようというのか私は。
■稽古場で「シーモ、シーモ」と言い続けている私。そう、SEAMOのことです。ヒップホップに全くもって疎い私ですが、何だが気になって仕方ないのでカミングアウトしました。稽古場でもおそるおそる「実はさ・・・」とまるで罪を告白するかのような面持ちで「シーモ、って人の歌が何となくいい気がするんだけど・・・どうなの?」と。私は音楽に明るくないので、自分の感覚が信用出来ないのです。いいものは、いい!と思っていいのか悪いのかわからない。で、最近知ったのですが、SEAMOって「シーモネーター」と同一人物なんですねえ。シーモネーターは随分前に雑誌か何かで知っていました。「シーモネーター」→「SEAMO」に改名って、センスいいなあと思いました。そんなことない?自分が信用出来ない私はこの件に関して不安でなりません。自信ないけど、いいと思いました。しかも調べたら同い年だった。SEAMO、31歳か!応援してるぞ!と急に「同志」ぶる私。今日は慣れないことを書いたので、ですます調です。
仕事/嬉しい!
- 2007/01/27
■とある仕事で、先輩の佐伯新さんと会う。喋っているだけでこちらは結構な量のエネルギーを消費することができるダイエットには最適な先輩だ。
■帰りの電車で、私の住む街の最寄り駅に停車するほんのちょっと前、同じ車両に知った顔を見つけた。もう駅に到着してしまうので話しかけようか迷ったが、あまりに久しぶりでその顔を見ることが出来て嬉しくて、声をかけた。今はもうお芝居をやめて働いているOくんだ。遊園地再生事業団の舞台で何度か共演したのだが、実は私は彼のことがとても好きだったのだ。恋愛感情では全くないのだが、こう近くにいても全く苦にならない人で、特別趣味があう訳でもないし話しをたくさんする訳でもないが、わりと近くにいる感覚の人。例えば、隣に座っても大丈夫な先輩。
■当然だが、昔私は若かった。当たり前だよ!芝居を始めた頃は誰よりも1番若かった(発言が老けていることから「年齢詐称疑惑」が長いことつきまとった)。稽古場では皆に「年下だから甘えてるんじゃないの?」と思われるのが嫌でずいぶん虚勢を張っていたが、今思えばあの頃Oくんや佐伯さんやその他多くの年上の役者さん達に頼っていたのだと思う。
■私は遊園地再生事業団に出演することになってから出会った人達のことを胸の中で大切に思っている。過ぎた日のことだが、大事にしまってる思いがある。こういうの、すごく泥臭いですね。失礼しました。
■話しは戻る。で、Oくんに話しかけた私。その後二人は「久しぶりー!!」「やー!!」「何ー?」「どこいくのー?」「あたしこの駅ー!」「じゃまたー!」「いやいや、またはないじゃんよ、あえないじゃんよ」「あ、閉まったよー」「じゃ次の駅までいっちゃうわー」と女子高生の如く。私は当然隣の駅まで乗り過ごした。彼は元気だった。とても元気だった。私も元気な顔を見せることができてとても嬉しかった。ひと駅なんてぜんぜんへっちゃらだよ、と折り返しの電車に乗ればいいものをぼんやりしていて改札を出てしまった。ゴーン。
■帰って来てから台本の直し。ある参考文献にしようと思った小説を読んで、再読なんだけど昔いつ読んだかも忘れてしまった程で内容などほとんど覚えていなかった。ただ、「よかった」ということだけ覚えていて、今回読み返したんだけど、やっぱり読む時期というか、昔読んだ時に感じた「なんかよい」と今の「なんかよい」は確実に違うので、その違いを思うと是非昔の読後感を記憶しておきたかったけれど、それはもう二度と思い出せない過去なわけで、そんなことをぼんやり考えているとこの31年の人生が忘れてしまったことだらけのような感じもして、昔だったらそれも「悔しいな」と思ったかもしれないけど、今はまあ、いいかと思うことこそが31年生きた証なんだなあと思う。31年生きて忘れていることだらけの人生で悔いはない。その時々で泥臭く考えて感じて生きていること、そのことが自分を支えている。そして結果は出ない。いつまでたっても出ない。便秘のようだ。どうでもいいことを書いてしまったが、とにかく再読した小説は面白かった。で、また台本の直し。猫が腕を噛む、噛む、噛む!
稽古6日目
- 2007/01/26
■携帯から。稽古に台本の第一稿全部を持っていった。役者二人に読んでもらって感想を聞く。で、いろいろあって少しイメチェンすることに。二人には非常に貴重な意見をいただいた。そのとおりだよってことを指摘された。しっかり参考にする。この間テレビで見たドキュメンタリでプロのアニメーター達が脚本を持ちより会議をしている映像があった。とことんまで人の意見を聞くことでまた新しい言葉が生まれてくるらしい。私は素人だ。とことんまで自分を疑い謙虚に話を聞きつつ、作品に生かしたい。出来るだけ。それで作品がよくなるなら何度でも書き直したい。でも早く完成させたいなあ正直。力不足。他のことが手につかない。役者にも申し訳ない。
■家に帰る。台本を直そうと思うものの頭が疲れているのか手をつけたくない。台本が怖い。幽霊のようだ。テレビの中のケンドーコバヤシに大爆笑してお茶を濁したが濁せない。書けるか不安だが必ず書かねばなるまい。突拍子もない考えが浮かぶ。
なんだかわからないけれど
- 2007/01/24
■現状では1番いい結果が出たと思う。とりあえず、なんだけど、ほっとした。とにかくまた次回から稽古を頑張ろうと思う。マイペースでいい舞台を作ろう。
■今日は和食にした。ぶりの塩焼き等。最近おいしい魚をたくさん食べたい気分なんです。
■玉子のだし巻きがイマイチ美味く作れない。少しぱさぱさしてしまうのは何故なんだろう。油もたくさん引いたのだけど、まだまだ母の味にはたどり着けない。母は本当に料理がうまいのだ。将来何らかの店を出して欲しい。
■「富士山」が世界遺産候補になったそうだが、今年の夏こそ南波典子と久保優子と三人で富士山に登ろう。そして頂上で久保優子と漫才するのだ。もう何年も前からの女の約束である。ああ、いつか異才・久保優子とも一緒に芝居がしたい。でも彼女は群馬にいるからなあ。
■幸福な仕事がしたいんだ。でもそれも自分次第。もっともっと台本を書き直そう。
■「志村大爆笑」って・・・。台湾で買って来たDVDです。200円ぐらいでした。よくわからないで買って来たが、犯罪なのだろうか。
稽古5日目→緊急ミーティング
- 2007/01/23
■昼、仕事。チラシ入稿の一歩手前で大きな問題発生。公演を揺るがす大事件だ(私にとっては)。気が動転してあわあわしたまま、稽古場に行くための待ち合わせ場所へ。高山玲子に一部始終を話したところ、彼女、開口一番、「あはははは、すげー、やっぱオールツーおもしれー」だって。すごい。こういう時に笑える彼女の健やかさに助けられる。
■南波典子からメール。「近くの乗り換え駅まで来て財布を忘れたことに気がつきました。一度家に帰ります」とのこと。この時点で主宰(私ね)判断で、稽古から緊急ミーティングに変更。32歳にして一銭も持っていない南波さん。何てかわいそうなんだ。彼女の乗換駅まで高山と移動して合流。
■懸念事項を報告し、少し話し合う。
■笠木泉、高山玲子、南波典子という顔ぶれで喫茶店にいると、前回までの「オールツーステップスクール執行部会議」を思い出す。以前はこのメンバーに作演出を担当していた浅野晋康の4人でオールツーの制作作業や活動方針を全て決定し行っていた。その4人は便宜上「執行部会議」という名で招集をかけられ、懸案事項がクリアになるまで何度も何度も話し合いをしなければならない。渋谷の恵比寿寄りにあるロイヤルホストで時に停滞し時に高揚しながらあーでもないこーでもないと、つばを飛ばし合ったのだ。そのロイホではしょっちゅう芸能人がお茶をしていて、個人的に1番面白かったのは「梅宮クラウディアとその友人達の優雅なお茶会」に出くわしたことだったが、そして時間は流れ、今はそんな「執行部」などという仰々しい名前の会はもうない。今は全て私が決定する。何故なら今は私一人だからだ。オールツーステップスクールはもともと誰も参加していない、言うなれば「場所の名前」だった。そこに集まってくる人で舞台を作った。そして今は私がその場所を守っている。一人だ。
■しかし、一人ではない。今回は私が初めて書き演出するという冒険に南波典子と本多麻紀と高山玲子が賛同してくれた。他にも出演したいといってくれる人もいた。嬉しかった。皆で作ればよいのだ。制作の吉岡くんも助けてくれている。多くの人の力と技術と才能と努力で一つの作品が出来上がるのだと思う。だから、一人だけど一人ではないのだ。
■懸念事項は明日まで持ち越し。いい結果を祈るしかない。私は土壇場に強いのだし強運の持ち主だ。きっとうまく行くだろう。その後、私が2人に取材をする形式で、役者2人にいろいろな話しをしてもらった。今日話してもらったことは今後の舞台づくりにとても役に立ちそうだった。メモをとりながら聞いていたが、話しが面白くてメモが追いつかない。人の人生はとても面白い。私の知らない世界を教えてくれる。もっともっと2人に話しをしてもらおう。普段はほおっておくと私ばかりが喋ってしまうので、気をつけます。
稽古4日目
- 2007/01/21
■稽古4日目。下北沢のとあるビルの地下。古い建物、匂いがこもっている部屋、空気が滞っている。
■チラシデザインをしてくれている相馬くんが来てくれた。この写真はデザインしてくれたチラシにあーでもないこーでもないと女子がいろいろダメ出しをした後の相馬くんである。それぞれの意見を書きこんでいるようだ。簡単なミーティング後も稽古を見学してくれた。他者の目があることが嬉しい。どうもありがとう。
■少しずつ稽古は進む。本当に牛歩なんだなと実感する。もう10年以上役者としてしか演劇に関わってこなかったが、今新たに演出という経験をするということが、私自身にとって大きな変化を生みそうな予感がする。しかし、私自身のことはとりあえずどうでもいいとして、見に来て下さったお客さんに楽しんでもらえる舞台を作りたいと思うし、自分が納得のいく作品が作りたい。小さな舞台になるとは思うが、少しでも楽しんでいただけるように、出来ることがいっぱいある。ありすぎて頭がまわらない。もっと勉強しなければだめだなあ、もっとからだについても意識的にならなければ、納得するものができないような気がする。うーん。とにかく出演者の南波さんと高山さんのからだについてもっと考えなくちゃ。とか考えたりしつつ。
■南波さんが柔軟体操をしています。最近ヨガを取り入れた体操をしているみたい。
ランチ/稽古3日目
- 2007/01/18
■友人の誕生日なので一緒にランチを食べる。かねてから行きたかった下北沢のイタリア料理屋。竃焼きピザが美味しかった。ピザがおいしいと、子供の頃母がよく食べさせてくれた冷凍ピザ(焼いてももさもさした生地)を思い出す。母がピザ好きで、おやつ代わりによく食べさせてくれたのだ。あの不味いとは言いづらいが決して美味しくはなかった歯ごたえの中途半端なピザが私のおふくろの味の一つである。そんなことを書いたら母にぶっとばされるだろうな。名誉のために記しておくが母は非常に料理が美味い。金欠ながらもいつもたくさんのアイディア料理を3人姉弟にたらふく食べさせてくれた。しかし母の味は、何故かまずウマなピザ。いやもちろんそれだけじゃないんだけど。
■ダラダラくだらない話しをしたが、その中でいくつかの友人の真面目な言葉に私は心を動かされたのだった。ありがとう。
■夕方から稽古3日目。本多麻紀は本拠地ク・ナウカの稽古中なのでしばらく不参加。そして三人のうち一人遅刻ということは、今の稽古では致命的だと気がつく。2人しかいねえ。でもまあのんびりやりましょうということでヨガをしたり柔軟体操をしたりして過ごす。最近仕方のないことに怒るということは一切なくなった。以前より余裕ができたのかもしれない。三人揃って、書き直した台本の読み合わせ。少しわかりやすくなった気がした。あまりにすっとんきょうなセリフをけずったのだが、また増やすかもしれない。しかしそれはまた後ででもできることだ。少しづつ立ち稽古に入る。まだ探っている時間。セリフを少しずつ頭に入れるためにも、それから私が皆の動きを把握するためにもいろいろな方法で動いてもらう。稽古は面白い。演出席に座って役者を見ることの面白さを知る。で、テルミンを演奏してくれる佐藤沙恵ちゃん、制作吉岡くんも登場。私が佐藤さんの紹介をしたり、高山玲子が南波典子の紹介をしたり、南波典子が高山玲子の紹介をしたり、いろいろ紹介をし合う。面白いメンバーが揃ったなあと嬉しくなる。佐藤さんと私は遊園地再生事業団「ゴーゴーガーリー!」という舞台で初めて共演したのだけど、南波典子や高山玲子が知らない「大学四年生の頃の笠木泉」を皆に紹介していた。全く覚えていないエピソードばかり披露するので、面白かった。
■衣装は高山玲子と相談して決めることにした。その方がいいものが出来ると思った。
■明日はまた台本を書く作業。
■誕生日プレゼントにもらったハンドクリームがとても肌になじむ。いい香りで心も潤うとは何てことだ。
稽古2日目
- 2007/01/16
■稽古2日目。
■今日の稽古を見て、台本を大幅に書き直すことにした。まだまだ時間もあるし、いいものにしたいから、その方がいいと思った。これからどんどんセリフを変更するのでセリフは覚えないように、っていう感じになりそうだ。役者としては迷惑な話だろうなあ。
■自分の中で、軸がぶれている気がする。もっとブラッシュアップさせねば。
■そんな感じで一日中芝居のことを考えながらも、最近は美味しいおでんをごちそうになったり、生まれて初めてプルスキを食べたり、自炊したり、とにかくもりもり食べている。食べている時が幸せだ。そんなことでは太る一方だが、稽古が始まったので痩せるはずだ。普段の生活よりも激しく体を使うためか稽古中は通常痩せる私。今回は演出だけど、痩せろ。
■考えなくてはいけないことが多いと改めて実感する2日目。まだまだ先は長い。とにかく素人なんだから、誠実に作品作りに取り組むしかないんだ。泥臭くてもしっかり。
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