手を噛むのもいつも通りの
- 2006/11/20
■昨日の夜雨の中東名高速をロケバスは突っ走る。東京に帰ってきた。電車のあるうちに帰って来れてよかった。
■私は今回スタッフとして参加した。役者としても参加しているのだけど、90パーセントはスタッフとして、しかも「方言指導」という難しい仕事だった。あれよあれよという間に仕事は決まりいつの間にかロケ隊に参加していた。私はこういうことが多い。「どちらでもあり、どちらでもない」という場所にいることが多い気がする。
■本当に勉強になったなあというのが感想だ。多くの人に会えた。プロの撮影隊に感動した。スタイリストさんの仕事は本当に肉体労働だ。ろくに化粧もしないくせにヘアメイクの仕事に興味を持つ。そしていきいきとした若い役者さん達といろいろな話が出来た。それは私にとって大きな財産となるだろう。何より幸福な出会いがあった。おばあちゃん役の女優さんは何と戦前から女優をされていらっしゃって、ずっと長いこと名脇役として活躍されてきた方だ。待ち時間にずっと一緒にいた。そんな方に方言指導をするだなんて大変恐縮なのだが、胸を借りるつもりで。
■おばあちゃんから、昔の舞台の話や映画の話や東京の話や戦争の話をたくさん聞けて本当に嬉しかった。
■例えば長戸勇の話などとても面白かった。
■今回感じたことは、全て必要なことだったように思う。多くの方に、今何が大切なのか常に見極めていくプロフェッショナルな生き方を見せていただいた。お世話になったみなさん、本当にありがとうございました。
■で、帰宅。ナフルは一目散に私の足下に走り込んできた。ちょっと匂いをかいで「この人はいづみさんだろうか」と確認したものの、あとはいつも通り。ゴロゴロ言って近くにやって来たかと思えば、いきなり離れていくことの繰り返し。ちょっとだけしか忘れてなかったのだね。ありがとう。
■東京も冷える。朝、体中が痛くて起き上がれない。気が抜けたとはこういうことだ。
■今日は少し休もう。
四角いパッケージでしたよね
- 2006/11/19
妄想
- 2006/11/09
■いろいろあって来週一週間家をあけることになった。そのせいかわからないけど、微妙に心が落ち着かない。あんまりいろいろありすぎる生活は難しい。だって人間は仕事だけで生きているわけではないから。家事だって人間関係だって睡眠だって食事だって私たちは存分に謳歌すべきなのだ。でも仕事がなくては生きていけない。そして前記のどれもおろそかにしては淋しい。やりたいことは口から出てくる。しかし本当のところはどうなんだ、と、自分に問いたい。
■ナフルがキーボードの上を歩く。ナフルが突然死んだらどうしようかと考えてしまう。どうしたらいいのだろう。これは笙野頼子の本を読んだから。
■「何も考えないっていうのはどう?」と先日知人に言われた。考え過ぎる私への忠告だと思うが、何も考えないというのは不可能なことで、考えの重さを軽くする、ということならば出来る気がする。
ロケ/追記など
- 2006/11/06
■今日は某ロケで静岡に来ている。昨日まで福島にいたのに。ずっと乗り物に乗っている感覚を覚える。静岡市は今雨が降っている。
■書きたいことがたくさんあるけど、忙しいからまたにしよう。何かを省くことで私はわかりやすくてんぱらないで済むらしい。これも一つの「生きやすくする術」です。本当は何でも出来る敏腕女子になりたいのですが、無理!
■今ようやく家に帰ってきた。朝始発で家を出て、今次の日の0時。疲れたね・・・。狭いながらも落ち着く我が家である。ナフルの顔を見たらちょっと泣きそうになったのは、笙野頼子さんの、これ、
を読んだからかもしれない。今年間違いなくベスト5の中に入る傑作。まず、題名がいいでしょ。かっこいいでしょ。かなり心の奥底に食い込んでくる言葉です。私の近くに笙野ファンは一人しかいないのだけど(もちろん隠れファンは知る由もないが)、その人とも笙野さんの文学について話したことがない。今度ゆっくり話がしてみたいなあ。私の意見は「笙野さんそのものが文学である」というかなり強引なものなのですが。
■で、ユリイカ「宮沢章夫総特集」、是非読んで下さい。わたくし、笠木泉の文章「宮沢章夫の変貌」が掲載されています。非常に拙い文章でお恥ずかしい限りですが、寝ても覚めても宮沢さんのことばかり考えてそれこそ死にものぐるいで書きました。誤植もありますが。間違いもありますが。でも大変光栄なお仕事でありました。書いてよかった。そして何より他の方の「宮沢章夫論」がすごいです。愛を感じます。ってまだちゃんと読んでないけど。早く三坂さんの「宮沢さんストーカー日記」を読まねば・・・・だって、面白そうだから。これ一冊で宮沢さんの全て(とまでは言わないが)が詰まっております。是非購入しよう!私も5冊ぐらい買うよ!1冊は親に送るよ(福島のど田舎に、ユリイカが売っているかどうか、・・・心配で)。「文章がせこい」「面白い」「面白くない」等個人的にダメだしのあるかたはどんどんメールください。今後何かに役立てていきます。
私信
- 2006/11/01
■Lちゃんに。
■照れくさいから言ったことないけど私はあなたのことが大好きなんだ。かわいいから。若いから。聡明だから。悩んでいるから。歌が上手いから。エクステンションのことを詳しく教えてくれたから。キスシーンしたから。雪の日一緒に舞台に立ったから。目がかっこいいから。大胆だから。繊細だから。気にしいだから。・・・本当はそれだけじゃない。そんなことじゃない。いっぱい理由があって、同じ時間を過ごしたこと、あの時間がきっと濃密だったんだねえ。だからやっぱりあの冬参宮橋にいた皆が私は大好きだ。
■こんな時に変な話だけど、あなたにプレゼントを持っていこうと思う。近々OL会をしようと思ってて是非また参加して欲しいよ。そう、ゆっくりその長い手足を伸ばしてのんびりできるお店にしよう。それで私はあなたに野菜の料理を食べさせると思う。「もっと野菜食べなくちゃダメだよ!」って言うだろうな、私。でもあなたはきっと食べないのです。それでもいいや。また皆で会えるなら。
■前に「かわいいー」と誉めてくれたナフルも、あなたのことを応援しています!
流行しないで/ピューと吹く!ジャガードラマCD発売
- 2006/10/26
■おととい、ゲラチェックを終了し、とある原稿がやっと終わった。締め切りを守ったことと、超難問テーマに挑んだことは褒めてやりたいが、文章の下手さなど反省点が多々ある。もっと勉強して楽しい文章を書けるようになりたい。今回は非常に苦しみつつも幸福な仕事だった。
■編集者のYさんにはいろいろご迷惑をかけました。「何度かFAXを送ったのですが反応なしです」というメールをもらい、そんなはずはないのだが会社にいるため確認も取れず急遽コンビ二でFAXを受け取ったのだが、家に帰ってみると、何のことはない、ナフルがあらゆる方法を駆使しよじ登って玄関の上部にあるブレーカーを落としてしまっていたのだ。FAXを送ってくれようとしたのが午前中で、もうそのときには電源が落ちていて私の帰宅は夕方の6時。ごーん。おかげで冷凍庫の氷も溶けていた。「何さらすんじゃい!」と寺島進なら怒っていたところだが、ぐっと我慢した。Yさん、そんなわけです。申し訳ありませんでした。
■告知はまた後日。
■ナフルのブレーカー落とし、流行の兆し。困るなあ。
※※
■週刊少年ジャンプで大人気のマンガ「ピューと吹く!ジャガー」のドラマCD第二弾が12月に発売されます!何と第一弾は3年前。
■原作者のうすた京介さんの日記にもありますが、とても面白い作品になっていると思います。是非買ってください。私も買います。ちなみに私は白川高菜役です。
■まさか大好きなうすた京介さんのマンガのキャラクターを演じることになろうとは思っていなかった。「すごいよ!マサルさん」に涙を流して笑い、アニメも欠かさず見て、オープニングの「愛に~気づいてください~(ペニシリンさんの歌)」っていう歌詞の歌も覚えて、マニアックなキャラクターを愛し(「マ神」とかね)いろんな人に勧めて、新刊出るのわくわくしながら待ってた大学生時代の自分を思い出す。
■生きているといいことがある。好きな人に会える。一緒に仕事ができる。最高だ。それもすべては生きているからですね。もっともっと生きるぞ。がんばるぞ。
しっかりして!
- 2006/10/18
■とあることで、落ち込んでいます。
ちょっとしたミステイク(って書くとかっこいい)にすぐへこむオレ。
でもちょっとしたミステイクが実はけっこうなミステイクだったりするわけで・・・とか考え出すと引きこもってしまいたくなる。
極端だなあ。そして子供だなあ。反省しろ、自分。
■こんな時には友達やこのブログを読んでくれる人や家族の健康を願うことにする。だからってこのミステイクを消せる訳でも何でもないのだけど・・・。っていうか普段から願え!
■そんなわけで今日はこれでドロンします。しっかりしなくちゃ。あ、ナフルはかなり元気です。私の顔めがけて体ごと突っ込んでくるのはやめて欲しいけど、ミステイク(しつこい)があった日でも変わらずここにいてくれるあなたに首ったけです。
吾妻橋表参道新宿エレジー
- 2006/10/16
■眠い・・。夜安眠できず、昼べらぼうに眠い。原因のひとつは猫が夜中に私の髪の毛をかじるようになったこと。猫に頭をひっぱられて起きる。ぐりぐりパーマが気になるのだろうか。
■土曜日、桜井圭介さんが企画・構成しているダンスイベント「吾妻橋ダンスクロッシング」を観に行く。たくさんのパフォーマンスを一度に見ることが出来て、とても面白かった。私は前々から「休もうと雅子」(康本雅子)さんのダンスが大好き。長い手足を自由に広げてダンスする美しさにも、彼女の表現している世界の面白さにも、いつもドキドキしている。
■今回自分の中で最高だったのは地点の安部聡子さんの一人パフォーマンス。あああああああ、しびれたなあ。眼が離せなかったわたし。安部聡子さん、青年団時代からファンだったのだけど、今回さらに大好きになっちまった。声、腹、存在、かっこよかった。将来自分がこの日記を読み返すことがもしあったとして、何度でも感動を反芻できるように、このことはしっかりと記録しておかねば。
■シベリア少女鉄道の「日本ハム・ヒルマン監督」と「中島美嘉」のコラボレーションはボディブロー。
■終演後、南波さんとご飯。表参道のAtoZCAFEに連れてってもらう。奈良美智とgrafのコラボレーションカフェだ。居心地がよくずいぶん長居してしまった。まあ、しゃべることがたくさんあるのでいつでもどこでも二人は長居はするのだけど。表参道という街、窓からは六本木ヒルズが見え、この街に来ると私は「東京」に住む自分に多少の違和感を感じると知る。もしかしたら一生仙台にいたかもしれない私が、引越しを繰り返し、いつのまにか東京にいる。そして今日表参道とかにいる。おしゃれな街に何故かいる。今なんでここにいるのだろう。そんな考えても仕方のないようなことを一瞬考える。自分の運命や歴史に対する疑問や不安や喜びを感じさせる空を持つ街で、でも表参道は嫌いじゃない。南波さんは現在チェルフィッチュ「エンジョイ」の稽古中。いろんな話を聞かせてもらった。頑張ってね。
AtoZとは?- http://a-to-z.heteml.jp/modules/news/
■日曜日、実家から送られてきた新米を炊く。新米はやはり美味しい。粘りが違う。甘い。米粒が光っているので、見た目も美しい。最高だよ、美味い米は。東北最高。
■夜、新宿でとある仕事。悲喜こもごもの仕事であった。
■書き終えたとある原稿の推敲。こんなに長い原稿を書くのは初めてなので、果たして本当に自分の書きたいことが書けているのかよくわからない。ただ、頭の中はその原稿のテーマでいっぱいで、書きたいことだらけ。思ったことすべてを書くと原稿用紙100枚とか軽く超えてしまうだろうと思う。そんなに書いたら編集部の人に迷惑だよ。って、そんなテーマについて自分が書かせていただけているなんてとても幸福なことだなあと思ったりしつつまだまだ推敲をしてみる。
冷える朝ナフル二度目の冬が来る/いづみ
エジリのことは忘れて、週末のことを
- 2006/10/12
■風邪がようやく終焉の方向へ。長かった。非常に疲れる風邪だった。
■先週までさかのぼる。風邪のせいで(ということはイコール私のせいで)何人かとの約束を反古にしてしまった。ごめんなさい。宮沢さんの舞台、「鵺」の代役も頼まれていたのだけど、急遽「出演者が休まなくてすむことになりました」との連絡を貰って、実はこっそり代役のセリフも暗記しておきながらもほっとした。みんなに風邪をうつしてしまうようなすっとこどっこいにはなりたくなかった。体調を万全にして、たくさん着込んで、手土産持って、また見学に行こうと思う。
■風邪を引いているとこの日記で知った上村くんが電話をくれた。そういう優しさが心に沁みるなあー、とか思いつつ、くだらない話ばかりしてしまう。友達は宝だなあ。だってくだらない話が心おきなくできるのだもの。
■友達といえば、「ドカベン」の貸主、イガリくんともメール。私が「いわき東高校に感情移入している」(いわきは私の地元なのです)件を送信すると、長文にもかかわらずとてもわかりやすいドカベン解説メールが来た。ここにもくだらないことに時間を費やすことを惜しまない輩が。
■それにしても「ドカベン」における福島県いわき市の描かれ方はひどいが故に笑える。多くの炭鉱が閉鎖してお先真っ暗、住んでいる人全員貧乏の町という描写。すごく悲しいイメージなんだなあいわきって。確かになんだか冴えない場所ですが、そこまでの描かれ方をされているとは思わなかった。あ、映画「フラガール」もそういう話なんですけどね。
■炭鉱の閉鎖が多くの人の運命を狂わせたのは確かで、実は我が家の歴史にもそれは色濃く残っている(らしいが詳しいことは自分が体験していないので書けない)。父に「フラガール、見ないの?」と聞いたら「意識して見ないようにしている」とのこと。変な答えだ。理由は「あまりにも思いが強すぎて号泣してしまうに決まっているから」だって。まさにその時代の人だから、仕方ないね。寅さん見たって号泣するくせに、という言葉をぐっと飲み込んだ私。せっかくだから思う存分号泣してほしいものです。
■その父に「次の連休にはお前の息子を田舎につれて来たらどう?」と言われ一瞬どうしちゃったんだと思ったら、ナフルのことだった。
※※
■今週前半はパーマをかけなおし、働き、友達と一緒にラーメンを食べた。私はラーメンよりも話をする方に気がいってしまい、気がつけばのびのびの麺を食べていた。その後二人でコーヒーを飲みながらいろいろな話をする。笑いすぎて呼吸不全になった。お店が終わっても店の前で二人で立ち話をしていた。その人のいいところを私はたくさん知っていて、その人もきっと私のことを客観的に見てくれていて、もうある程度の評価はお互い確定しつつあり(推測だけど)、そういう「探りあいのない関係」というものは本当に嬉しいことのように思う。土台があって話ができることの喜びがある。もちろん新しい出会いは大切だけど、新しくない出会いだって必ずある。何度でも何度でも繰り返す出会いがきっとある。また、新しい友達に出会えた。もうずっと前から知っている人なのに、また新しい人に会った。そういう感じでとても気分がいい。
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